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魔女の危険さ

「うんじゃとにかく俺の仲間やリネーラの仲間を助けにいくぜ?商人達はここで待っていると言うパターンと途中まで付き添ってそこで待機すると言うパターンがある。」

「私としてはここで待機の方が良いんじゃないかしら?危険じゃない?」

「いや、ここは雑木林の中だぜ?魔物がいるかも知れねえし山賊に見つかったらお仕舞いじゃないか?」

「と言っても、この面子で山賊をどうやって巻きましょうか?はっきり言いますが山賊の数はアマミちゃんと偵察した限りでざっと50です。ミカオさん達がやられていると思いたくはありませんが、全員健全でも相手が多すぎます。取り分け、ミカオさん達は間違いなく消費しています。」

「相手も消費していると考えてよさげだが、まあ最悪の事態は考えておかなきゃならんだろうな。」

「商人さんを守るのは簡単なんです!」


 え?!アマミちゃんからいつもと違った雰囲気が見え始めているよ?


「アマミちゃん協力してくれるの?」

「緊急事態なんです!先生を助けるんです!皆さんを助けるんです!ふざけてられないんです!」


 おい、逆に言えば今まで意図して荒らしてたって言ってることになっているんだけど?


「でもあれよ?商人同様戦力外じゃない?それに、山賊に狙われているようですし。」

「一応聞きてえんだが、心当たりはあるのか?話聞く限りじゃ偶然にしては色々出来すぎな気がするぜ?」

「と言われましても…狙われる理由だったら異空間魔法や魔女云々とか無い訳じゃないんですが。ただ、その情報が漏洩するスピードの割には相手の行動が早すぎる気がしてなりません。」

「魔女?異空間魔法については散々見せられたから分からなくてもないけど?」

「散々アマミちゃんが言ってるじゃないですか。まあ、僕は魔術師として通していますが…」

「酷いんです!私は魔女なんです!どうしてくれるんですか!」


 いやいや、いきなり怒鳴られてもよく分かんないよ!


「魔女ってあれですよね?魔女に不服を買った町が1日で火の海になったとか。」

「俺は昔、魔女が人間に愛想尽かして海を砂漠に代えたと言う話を聞いたことあるよな。」


 商人がなんか互いに囁きあっているけどなんかすごく飛んでもない話をし合ってるよ!そりゃ人間共は魔女を恐れるわ!


「アマミちゃんってそう言うこと出来るの?」


 小声で聞いてみると


「誰かが怪我することはやらないんです!」


 今やらないって言ったな?やれないって言わなかったよね?


「とにかくです。アマミちゃんが魔女云々問わず魔女と名乗ってしまっている以上、そう言う風に見られることがあるんです。」

「あー、そりゃ狙われるわ。魔女を皆がどう思っているか知っているんだろ?」

「逆に聞きます。この性格でこの容姿で魔女と信じるアホはいますか?」

「なんか馬鹿にされたんです!お兄ちゃんを食べるんです!」


 僕は食べ物ではありません!で、一々噛むな!


「確かにそうね。私が知っている魔女のイメージって最も怖くて逆らえなくてってイメージね。こんな可愛い女の子が魔女なんて信じられないわ!」

「ムムムー!酷いんです!お兄ちゃん何とかするんです!」


 知らんがな。


「確かにリネーラの言う通り子供が言ったところで説得力は特にないな。と言うことは誰かが力説を唱えているとかか?はは、そんなわけないな。何せ魔女は空想人物と呼ばれてるくらいだぜ?そりゃ女の子が憧れる存在であると言うことは…そりゃそれでねえか。親の教育がしっかりしていればな。」


 なんかなかなか話がまとまらないな。結局アマミちゃんが山賊に狙われる切っ掛けがわからない。ただ、僕的には魔女か異空間魔法のどちらかがターゲットであることは間違いないと思う。マジーラさんの忠告を蔑ろにしたがゆえに起きたことは間違いない。アマミちゃんが連れ去られたり殺されたりするのは頂けないので、警戒心を強くしておこうと思う。


「アマミちゃんの件はこちらで何とかします。どちらにしても、ミカオさん達とどうやって合流するかを決めなければいけません。」

「だな。俺もこの面子で商人護衛は危険だと思ってるしな。ミズハ?場所はわかるのか?」

「場所はわかります。」


 本音を言うと、戦況もわかる。立っている残りは残り30人程度。力を使い果たしたりすれば反応が薄くなる。一応伝えとくと死んだら反応しない。僕的にもう死人は出てると考える。敵仲間までは不明だけど。次いでだけど、僕らが逃げおおせた山賊の面子も移動してあからさまにミカオさん達と合流したんじゃないかと予測している。僕らを探すより援軍優先にしたのかな?勝てる見込みがないと思ったのかもしれない。まあどっちに転んでも勝ち目なくね?どこぞの小説じゃないんだから倍以上の敵どうやって裁くんだよ。


「とりあえず偵察が優先だと思います。アマミちゃんと空飛んでも構いませんが目立った行動がばれたら僕らは終わりです。」

「そうね。流石に経験が浅いのにそこまで任せられないわ。ここは遠くから偵察がいいかもしれないわね。隙を見て襲撃とか。」


 結局のところやることは山賊とたいして変わらない件。数の違いはあるけど。


「じゃあとにかく目的の場所まで移動だな。場所は分かるんだよな?」

「ええ、まあ。」

「商人や御者はどうしましょうかしら?」

「合流後、山賊に気付かれない内にとっとと抜けたいからな。この雑木林の出入口近傍に退避させるのが無難じゃね?」

「じゃあそうしましょう。」

「アマミちゃん?行くよ?」

「ムムム!アゲちゃんに餌やりするんです!」


 それは後にしてください。と言うより1日1回で充分だったはずだよ?余計なことさせない限り。第一こんなところで餌やりしたら色々大変なことになるからね!


「我慢してって言っておいて?」

「ムー、後でお兄ちゃんを食べるんです!」


 きりがないので箒を降りて毎度恒例肩車して向かうことにします。色々な目線があったけど全部無視ね!


「そろそろ雑木林を抜けると思います。商人達は待機のほどをお願いします。」


 念のため警告をして、ロックさん、リネーラさん、僕、アマミちゃんで雑木林を抜けます。


「お、ここはさっき俺らが襲われた場所。」

「そうね。多少荒れているもののそれ以外何もないわ。」

「うーん。」

「どうした?そんなに悩んだ感じで。」

「あ、いえ…何でもありません。行きましょう。」


 戦闘の気配を探っていたんだけども…結論から言えば殆ど最悪なパターンになっている可能性がある。ただ、これを共有するとなぜ分かるか説明する必要が出てくるのとアマミちゃんが全速で飛んでいってしまう可能性がある。そして道を曲がり、戦闘が起きている場所が見えた瞬間…地獄が始まった。


「あ、先生なんで…や、止めるんです!ストップなんです!!」


 颯爽、アマミちゃんが走っていく。あまりに急すぎて僕も他の冒険者も止めることが出来無かった件。


「あ、アマミ?!く、来るな…グハッ!」


 そして、先程の戦場内で冒険者パーティー唯一の生き残りのミネガル先生が山賊の持っている鉄の棒にぶん殴られて倒れた。

 想定よりこの章はボリュームがありますね。

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