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やらかしずぎ…

「なあ、おりゃ完全に気を失っていたからよくわかんねえが…この2人が俺らを助けれる程山賊は雑魚だったのか?少なくとも俺らは商人を助けるだけでも精一杯だったんだが。」

「うーん。分かっているのはこの女の子が私や貴方を普通では考えられないスピードで治療しちゃったことと、この少年が目にも止まらない早業で山賊の長をノックアウトしちゃったこと。後は、山賊のありとあらゆる攻撃を色んな結界を貼った上で全部防ぐわ、私達を軽々く運ぶわ、そして囲まれても空に逃げるわ…ちょっと私には真似できないわね。」

「お前ら色々どうなってんだよ!」


 なんかすごい勢いで文句言われたんだけど!せっかく助けたのにどう言うこと?!


「魔女は空を飛ぶんです!アゲちゃんも空飛べるんです!何処にも問題はないんです!」


 魔女とアゲちゃん比較しちゃダメだろ!第一魔女って飛べるの?!アマミちゃん箒使って飛んでるよね!自力じゃないよね?!


「あ、私も気になったんだけど…ミズハさん?貴女私達2人を両脇に抱えて軽々移動していたけど、そんなに力持ちなのかしら?その細い体でそんなこと出来るなんて考えられないわ?もしかしてそれも魔法?」


 完全にやらかしてるじゃん!僕魔法使えないんだよ!強化魔法なんて使えないよ!ちょっと回りから奪った力を使いまくっただけだけど…貼れたらまた怪力なり化け物扱いされる!


「あー、まあ…色々ありまして…あ、そろそろ商人の隠れている所に着きます。」

「なんでわかるんだよ!まだ見えてねえじゃねえか!」


 話を強引に変えようとしたら違うところで突っ込まれたよ!嘘はついていないのになんで怒られなきゃいけないの?!で、こんなやり取りを続けながら10分立ちました。


「あら、人影よ!」

「うん?ああ、なにか見えるな。」

「そうですか?僕はあまり目が良くなくて分かりません。」

「じゃあなんでさっきはそろそろ着くって分かったんだよ!」

「空から見えたんじゃないの?!」

「そうなんです!お兄ちゃんは今日から私と一緒に寝ることを義務付けるんです!」


 ねえアマミちゃん?どさくさに紛れて明後日の尋問するのは止めよう?!


「だ、誰だ!」


 商人の方は怯えた様子でこっちに向かんで叫んできた。まあ、襲われたら普通そうなるよね。


「俺だ。ロックにリネーラ、ミズハとアマミだ。」

「お…おお!!無事だったのか!」


 あ、この二人そう言う名前だったんだ。最早自己紹介なんて大昔にやってたから忘れたわ。え、まだ一週間経っていない?いや使わなきゃ忘れるだろ!とにかく、どうやら今回参加したパーティーの3人目のリーダーがロックさん。ミカオさんのパーティー『獣人の会』の女性の一人がリネーラさんと言うことだね。


「いやー、無事で何よりだ。とはいえ、どうしてそっち方向から来たんだ?てっきり追ってくるならこっちからだと思っていたんだが。」


 商人の一人が僕らが来た方向とは反対の方向を指している。


「ああ、まあ色々あってな。直進して来たら山賊に付けられていた場合厄介だろ?」

「そうか。確かにそうだな。」

「山賊からはうまく逃げれたかしら?」

「それはもう本当に大助かりだったぜ。命の恩人だなこりゃ。」


 話を聞いている限り、ロックさんやリネーラさんがボコボコにされたと言うお話は無かったことになるみたいである。まあ、それならそれでどうでもいいか。


「そこの二人とも合流出来たんだな。確か一時的に離脱したような気がしたが。」

「ええ、ただ、そのお陰で不意打ちを仕掛けてくれて助かったわ。」

「ほう。と言うことはあれか?一時的に何処かへ行ったのは既に何かしら有ると考えて先読みしていたってことか?」

「あー、半々でしょうか。」


 実際違和感があったから偵察がてらでアマミちゃんに飛んでもらったんだけど…ちょっとアマミちゃんが勢い良すぎたからね!まあ、結果として良ければそれで良いか。


「それで、これからどうなるのだ?このまま下山する形なのか?」

「それは無理だな。あー、依頼内容的には商人達を無事王都まで返すってものだからそのまま行っちゃっても問題無いと言えばそうなんだが。」

「ちょっと待ちなさいよ!それじゃミカオさんはどうなるのよ!ミネガルさん達や貴方の仲間を見殺しにするとかはないわよね?」

「ちょっとは落ち着けよ。というか最後まで話を聞けよ。」

「落ち着いてられないわよ!あの山賊達、元々10人程度で仕掛けているように見せかけて不意打ちで私達を20人規模で襲ったのよ?絶対、ミカオさん達も何かしらの罠に嵌まっているに決まっているわ!まあ、リーダーだからそう易々と倒れたりしないと思うけど万一があって私だけ生き残ったなんてしたら私はどうしたら良いのよ!」

「すいません。言い争っている場合ではないと思いますが。」


 このままグダグダ流れるのは良くない。取り分け、上空から見ている限りミカオさんもミネガル先生も戦況最悪だった気がする。はっきり言ってここまで放置していたら最悪の事態も考える必要もあるかも。


「お兄ちゃん!商人さんなんです!荷物を返していいですか!」

「荷物?…あー、今出しても邪魔になりそうな…」

「ドンなんです!」


 人の話は最後まで聞いてよ!荷馬車が5つ目の前に現れた。


「うわ!!」


 いやそりゃ商人驚くわな。


「ボロボロなんです!これで元通りです!」


 そして、毎度恒例の魔法をぶっぱなすと荷馬車が完全に元に戻った。


「お…お…!!」

「凄い!奇跡だ!燃やされてしまったし、もう諦めていたのだがまさか完全にこんな形で戻ってくるとは!」

「う、嘘…こんなことも出来るのこの子!」


 どうするのこの空気!みんな完全に驚いちゃってるじゃん!第一こんな雑木林に出現させても動けないよ!


「な、中の荷物は?」

「元々預かっていたんです!出しま…」

「アマミちゃん?ストップだよ。こんなところで全部出したら大変なことになっちゃうよ?」

「あ、ああ…出来れば荷馬車もお願い出来ないか?御者に馬も連れてきて貰ったは良いが何しろここでは荷馬車は運べないしな。」

「そうなんですか!」


 と言うことですべてが片付いた。

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