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勝手に転生しないで欲しいわ

「え?道がわかるの?」

「すいません。アマミちゃんの話は無視してください。養分与えると暴走します。」

「誰が蝶々ですか!蝶々はアゲちゃんなんです!食べちゃ駄目なんです!」


 食っても体に悪いだけでしょ!食べないよ!


「え…えっと…そうそう。貴女も空飛べるのね?出来れば私にも教えてくれないかしら?」


 なんか、若干困惑された顔からいきなり爆弾発言飛んできたよ!


「お、教えるって…?」

「だって、その子は箒を持っているから空を飛べるんでしょう?何処で手に入れたかは知らないけど冒険者にとって是非とも手に入れたい逸品だわ。ただ、そうじゃなくって貴女はさっき箒なしで飛んでいたじゃない。すなわちそのレアマジックアイテムがなくても空飛べるなら教えてほしいわけよ。」


 どうやらこの女性はアマミちゃんの箒をマジックアイテムか何かと考えているらしい。うーん、実際マジーラさんも転送アイテム持ってるからそういう特殊なアイテムは何処かにあるのかもしれない。


 最もこの箒は魔法使い横丁に普通に売られているんだけど。使いこなせるか否かは本人の技量と魔力次第だけどね。


「あー、あれです。別に僕は自力で空を飛べるわけでは…」

「嘘はダメよ?放心していたとは言っても貴女に担がれて空を飛んでいたことは間違いないわ。」


 くー、誤魔化しが効かない。実際本当に僕は空を飛べるわけではなくアマミちゃんの魔力と箒の技量を混ぜ合わせて使っているだけなんだけど。ただそんなこと言ったら化け物認定される。


「えっと…僕は普段アマミちゃんの箒に乗っていて…それで気付いたら飛べるようなったとか?」


 大嘘である。第一空の飛び方をアマミちゃんに教えたの僕だからね?


「えー、じゃあ乗り続けなければいけないじゃない!アマミさんで合っていたわよね?今すぐ私を箒に乗せなさい!」


 命令口調になっているぞ?!


「えっと、そんな数分乗ったからって飛べる訳じゃ…」

「駄目なんです!後ろの席は優先席なんです!お姉ちゃんが第一優先なんです!お姉ちゃんが要るときに乗せないと犯罪行為なんです!お姉ちゃんに食べられちゃうんです!」


 なにその断罪?!別に優先順位何て知らないし、第一何で断罪するのが僕なの?!やだよ?人肉なんて食べないよ!!


「え?まさか貴女人間を食べたりするの?」

「しません。先程も言いましたが、アマミちゃんの話はまともに受け答えしてはいけません。養分を与えないでください。」

「誰がちんちくりんですか!酷いんです!今日はお姉ちゃん睡眠3セットに毒キノコスープ5杯追加なんです!」


 睡眠3セットってどう言うこと?3度寝しろと?で、殺す気k…止めよう。僕が疲れるだけだし。


「ウググ…」

「あ。」


 担いでいた男性が動き始めた。で、驚いた結果、手を離してしまった。


 ドサッ。


「ガハッ!」

「あら、病み上がりにその仕打ちは酷いわね。」

「不可抗力です。」

「なにかが落ちたんです!お姉ちゃん大丈夫ですか!あ、大丈夫そうなんです!このまま行くんです!」


 いやいや見殺しで行かないで?!


「えっと、大丈夫ですか?」

「イタタ…あ、ああ…うん?ここは森か?何故こんなところに?…あ、そうか、俺はあの山賊らに殺されて転生したと言うことか?」


 最近の流行に乗っ取ってるけど残念ながら転生していません。御愁傷様です。


「転生って何ですか!」

「あらら、貴方みたいな年で夢見すぎなんじゃない?」

「うん?なんだよ生きていたのか。」

「何よ!失礼ね!貴方が私を庇ってくれたのに生きていたら不幸みたいな態度可笑しいじゃない!」

「えっと…皆さん緊急なので落ち着いてください。」

「酷いんです!お兄ちゃんが転生を教えてくれないんです!お兄ちゃんに実演して貰うんです!」


 なんか急にめっちゃ荒れ始めたぞ!て言うか、実演転生って1回死ねってことだよね!酷いよアマミちゃん!


「アマミちゃん。転生云々は後で説明するからとにかく今の状況を教えします。ここで揉めている間にも死人が出てるかもしれないので。」

「それはどう言うことだ。第一転生していないなら何故俺は今森のなかにいる?一体何がどうなった。」


 一回転生から離れてください。尚此処は雑木林です。


「簡易的に説明すれば何とか商人を襲った山賊を巻いて逃げおおせたと言うことです。はぐれてしまいましたが。」

「と言うことは、俺らは結局商人を守れなかったと言うことか?」

「どうやら彼らは逃げれたらしいわよ?ただ、私達が死にかけたところをこの子達が助けてくれたってこと。」

「そ、そうか。それは済まなかったな。何がどうなってるんだ?」

「現状商人と合流しようとしています。」

「方向はわかるのか?」

「お兄ちゃんはカーナビなんで問題ないんです!」

「え?」


 だから僕は機械じゃないよ!


「それにしても俺らをどうやって助けたんだ?あれか?山賊共がいなくなってから連れて帰ったとか?」

「違うわよ。私が拷問されてるときに事もあろうに空から突っ込んできたの。全く無茶するんだから。」

「はあ?!なんでお前ら生きてるんだよ!」

「いや、アマミちゃんを見ればわかると思いますが彼女空飛べますので。乗せて貰って来ただけです。」

「いやいやそっちじゃねえよ…いや、それもあるけどよ…要は敵地突っ込んだってことじゃねえか!お前ら死んでたかも知れねえぞ!」

「では逆に聞きますが放置していれば貴方達が絶命していたと思いますよ?まあ、突っ込んだのは僕ではなくって操縦していたアマミちゃんなので人のことは言えませんが。」

「どうして助けちゃいけないんですか!お兄ちゃんも私もそうそう倒れないんです!私は魔女なんです!助けるためにいるんです!見殺しは犯罪なんです!」

「そ…そうかもしれないが、だからって自らを…」

「アマミちゃんはそういう子なので諦めてください。それより早く行きましょう。後ろ振り返っている余裕はありませんよ?」


 リーダーの男性はなにか言いたそうだったけどそのまま黙り込んだ件。

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