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開戦したようです

「お?」


 何が起こっているかはほぼ全員…


「酷いんです!飛んだ方が早いんです!」


 と叫んでいる子を除いて全員分かっているのでそれほどパニックにはなっていないが緊張が走っている。


「じゃあ、俺らは3人外に出て回りを警戒する。商人とアマミはそこで待機してくれ。」

「ねえ、今更なんだけど、別に全員で出る必要性は無いわよね?」

「うん?まあ俺らはここの護衛だからな。外さえ見れていりゃ問題ないぜ?そりゃ山賊が仲間を避けてここまでやって来たら話は別だが。」


 さっきから、あの女性定期的にちらほら僕を見ているんだよね。確かに僕は17, 18程度には変わらないと思うし…取り分け少女であるからさっきの物語に確実にマッチしちゃってるから心配なのかもしれない。実際、今まで何だかんだで戦ったことはあるけど人間との人生かけた戦いなんてしたことないし不安であったりする。


「だったら、1人外にいて万一あれば連絡でも良いんじゃないと思って。」

「あ?あれか?さっきの話を真に受けてんのか?まあ、別に良いぜ?今回は不意打ちとかそう言うのじゃないからな。ミズハは来るか?」

「あ、それじゃあ…」

「貴女は実戦経験がまだ浅いでしょ?中で彼の様子見をしていた方がいいわ。それでも十分学ぶことがあるわよ?」

「駄目なんです!お兄ちゃんは私を護衛しなきゃいけないんです!ここに残るんです!」

「お、おう…」


 何か、この二人がスゴい目付きで男性リーダーを睨めつけたのが原因で一人で外に追い出されたぞ?!最近の女子は怖いな。


「ふう。これで私達は山賊に捕まることはなし!安心ね!」


 根に持ちすぎだろ!どうやら山賊に連れ去られる可能性があるなら出来る限り避難すると言う算段らしい。冒険者としてどうなのか?…あー、確かに殺り合いは鉄板だけど奴隷や人身売買は受け付けないタイプなのかも。結局強ければ正義なんだけどね。


「お兄ちゃん暇なんです!何かするんです!」


 暇じゃないよ!今、外ではミカオさん達が山賊と対峙しているはずだよ!


「それにしても静かだな。全く何が起きているのかわからん。」


 確かに。商人の言う通りである。


「まあ僕も荷馬車からでなければ問題ないようなので軽く外を確認してみます。」


 と言うことで、荷馬車から顔を出す。


「なんだ?やっぱり外で護衛をするか?」

「いえ、そうするとあの二人に殺されそうなので止めておきます。それより予想より静かなのですか状況わかりますか?」

「ああ、詳しくは分からんが恐らく俺らは戦っている場所より少々離れたところにいるんだろうな。恐らく、商人達を連中の目につけない場所において現場に向かったんだろう。」


 ほう。もしかしたらミネガル先生の案かな?自分の生徒には戦いを見せるをはまだ早いと思ったか。いや、もしかしたら非戦力者が人質になることを恐れたのかもしれない。


「そうですか。と言うことは完全に僕達は茅の外ですね。」

「そんなことねえさ。俺らは今だってちゃんと護衛しているんだ。これも仕事のうちさ。」


 バーーン!


「な、何?」

「あっちの方からだな。どうやら本格的な戦闘が始まったらしい。」

「あんな大きな音がなるものなのですか?!」

「そりゃ、魔法攻撃が発すればなるだろ。」


 そう言えば、ミネガル先生も魔術師だっけ?先生が魔法を使ったこと見たことないかも。あー、実際にはちょっとだけあるんだけど、その時は規格外の魔法が飛び交っていて効力発揮していなかったしね。勿論、カオスな魔法をブッパしまくっていたのはアマミちゃんとその友達のシャロルさんだけど。


「では僕は中の方に連絡してきます。」

「おうよ。俺も横の御者が避難している荷馬車に伝えてくるわ。」


 と言うことで1回荷馬車の中に。


「お兄ちゃん!大きな音が鳴ったんです!花火大会なんです!行くんです!」


 こんな山の中でお祭り騒ぎなんてないよ!


「始まったか。大丈夫だと良いが。」

「私は仲間を信じてるわ。だって、リーダーもめっちゃ強いけど仲間も強いもん。私はまだCランクなんだけど。」


 この女性もCランクなんだ。


「良いなあ。貴女達なんて私よりもずっと若いのにもうCランクなんて。絶対出世するわよ。」

「あー、そうですね。」


 絶対出世しなように心掛けよう。目立ちたくないし。とかなんとかで情報共有しました。


「へえ、そうなの。とは言ってもさっきの音以降なにも聞こえて来ないわね。」

「確かに。ちょっと調べてみますか?」

「まさか覗きに行ったりしないわよね?」


 その後耳元まで来て小さな声でこう言われた。


「貴女も女の子じゃない?女の子の体型で前衛なんて無茶すぎるわ。特に山賊に捕まったら死より酷い目見るかもしれないのよ…?」


 やっぱりそっちの方で心配されていたー!


「お兄ちゃんは私…を守るん…です!どっか行っち…ゃいけな…いんです!」


 わ、分かったから!だから一々、泣きそうな顔と声で僕に抱き付いてこないで!心臓に悪いわ!


「なんだかお前皆に愛されてるな。両手に花か?」


 チッ!今度は商人が僕を煽ってきたよ!


「あら?私は心配しているだけよ。ねぇ。」


 貴女は僕が女子であることを知ってるんだよね?!何で若干甘えた声出しているの?!


「は、はぁ…行きませんよ。ちょっと様子を確認するだけです。」


 と言うことで再び顔を外に出します。現状、リーダーは御者と話しているのか誰もいない。いや別にそれはどうでも良いし、別に顔を出した意味もない。ただ不快に思われたくないだけである。

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