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変なフラグ立てちゃったよ

 下山二日目。目標としてはこの日の内に下山が完了し麓の村まで到着予定だそうです。早くつければ王都まで行っちゃって解散。遅かった場合は、村で一泊の元王都まで護衛して解散だそうです。まあ、解散してしまえばひとっ飛びで帰れるんだけどね。よくよくだけど、最終的に荷物の搬出があると思うんだけど最早商人達はその時間を考慮していない模様。まあ、半日や1日はかかるはずの物がアマミちゃんのやらかしによって10分掛からないからね。思考停止しちゃったかな?


「全くなあ。ドワーフの村への遠征がある度に我々のパーティは参加しているが…何故かいつも以上に疲れた気がする。」

「まあリーダー。今回は学生がいたこともありますし気を使いすぎたのでは?」


 現状僕とアマミちゃんは荷馬車の中で待機中だけど外からのミネガル先生の声が聞こえてきます。


「アゲちゃん!今日も一緒に薬を沢山作るんです!今日は何が良いですか!やっぱり睡眠薬が人気が高そうなんです!」


 アマミちゃんは、メガアゲハことアゲちゃんと会話中。まあ、会話って言うか一方通行だけどね。なお、昨日も寝る前に多量に粉を振り巻いていた模様。アマミちゃんは魔女だから薬品系に目がない。アマミちゃんにしてみたら良い人材…いや、実験動物を入手した感じなのかな?補足だけど、アマミちゃんがあまりにも膨大の魔力をアゲちゃんに上げ続けているため、アゲちゃんの魔力が若干アマミちゃんに似た物になりつつある。これは大丈夫なのかな?


「お兄ちゃん、見るんです!こんなに沢山薬が出来たんです!これだけあれば魔女工房も夢じゃないんです!」


 うーん、薬品が腐るほど有っても…資産がないと工房なんて作れないんだけど。僕達貧乏人だよ?


「アマミちゃん?薬を作るのは良いけど、アゲちゃんに負荷を掛けすぎちゃ駄目だよ?」

「そうなんです!だから早く工房作るんです!まだ、薬草取っても売ることしか出来ないんです!調合のための場所や機材が欲しいんです!お兄ちゃんが作るんです!」


 それは無理!僕は何でも屋じゃないよ?!とは言っても、今日は特に何もないみたいだし、アマミちゃんは薬の整理に忙しそうだし久し振りに読書でもしようかな。僕的にチートキャラが無双でも良いんだけど、それって最終的に無双物じゃなくなるって思っているんだよね。だって敵がいないじゃん。となると、最終的には戦闘以外の物語に落ち着くイメージがある。とは言っても主人公に何にも特別感がないと何かただの主人公補正物語になっちゃうんだよね。結構難しいよねこう言うの。まあ、僕とアマミちゃんは何だかんだでグダグダしている感じだけど…。大抵の小説はそのうち誰かに目をつけられてイベントが起きるけど、僕はまだしもアマミちゃんってやらかすの領域越えているはずなのに何も起きない辺り不思議と言うか不穏と言うか…まあ、このままいけばそれはそれで良いんだけど…うん?なんだ?少しすると、荷馬車が全て停止した。何かあったかな?


「止まっちゃったんです!また雨ですか!酷いんです!お兄ちゃんを雨で沈めるんです!」


 雨程度で沈んでたまるか!台風とか来たら話は別だけどさ!勿論雨音なんてしない。今日は快晴だったはず。少しすると、ミネガル先生が荷馬車の中に入ってきた。


「どうかしましたか?慌てているように見えますが。」

「作戦会議だ。どうやらミカオさんによると前方の道に山賊が構えている可能性があるらしい。」

「山賊って何ですか?!」

「山賊って言うのは、山に登っているやつを襲って色々ものを奪ったり場合によっては殺しに来たりするやつだ。」

「じゃあ問題ないんです!今は下山中なんです!」


 アマミちゃん?頓知(とんち)を言っている場合じゃないよ?


「どうして分かったんですか?今は多少外を覗きましたが、数名の冒険者以外誰もいませんよ?」

「ミカオさんは狼獣人だ。臭いで先に10名ほど人間が待ち構えているらしいとのことだ。もし彼がいなければ作戦も無しに出向くことになっていただろうね。」

「でもどうなんでしょう。待ち構えているのに僕らがゆっくりしていれば違和感を感じるんじゃないんでしょうか?」

「おそらく、私たちが来ていることはまだ把握していまい。あくまで網を貼っておいて掛かれば襲う程度だろう。」

「襲われちゃうんですか!脱がされたりするんですか!」


 アマミちゃん?それは違う意味の襲うだよ!R指定を一々つけないで!


「とにかく作戦会議だ。一度外に出てくれ。」


 と言うことで、冒険者全員が外に集まった。商人や御者は荷馬車の中や御者台に座っている。


「不信感をおわせないようにしたいからね。早急に話を決めたいと思います。まず、前衛は…」


 ミカオさんがてきぱきと配置を決めていく。相手が10人程と言うことなので、冒険者が15名程度総出で潰すことになった。


「確かアマミさんは戦えないとのことだったかな。ただ、彼女の回復魔法はこのメンバー随一であることは皆さん知っていると思います。その為、彼女は救護として荷馬車の中に隠そうと思います。怪我人が出てしまった場合、彼女の元に連れていってあげてください。」


 まあ、アマミちゃんが戦場に出たりしたら誰構わず回復魔法放ちそうだしそれが適任かな。ただ、大怪我を負った冒険者がアマミちゃんのいる場所までたどり着けますかと言う疑問は残っているけどね。戦場で仲間のことなんて思っていたら死ぬし、介護なんてしてても死ぬだろ。

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