貴族の娘ってなんだっけ
僕の上にアマミちゃんがいて、とんがり帽子の上にアゲちゃんがいるけどそれでも天井にぶつからない件。流石はお屋敷ですわ。なお、アマミちゃんは現状回りをキョロキョロしている件。
「こ、これは新発見ですわ!アマミさんは授業中であってもどこかお散歩することがありますのにここまで落ち着いているのは始めてみましたわ!」
マジか!アマミちゃん落ちつきなさすぎでしょ!と言うより、肩車程度でそこまで驚くほど落ち着いているか?普段からこんな感じがするけど。
「と言うより、ミズハさんが側にいるといつもより落ち着いて見えるかな。放課後もあまり走り回らなかったみたいだし。シャロル様の乗り物内でも落ち着いていたし、普段なら騒ぐとか立っちゃいそうな気もしたから。」
「…不思議です…私も…ミズハさんを…見習います…」
ちょっと待って?僕なにもしていないよ!変なオーラだしている雰囲気にしないで!
「あれじゃね。肩車ってあいつに効果あるのか?フロウミ、やってみろよ。」
「や、止めてください。アマミが肩に乗ったりしたら僕の耳をしわくちゃになるまで触られてしまうから。」
「触ってやろうか?」
「駄目だよ。急所なんだから。君の急所触って…止めとくよ。」
「あ?急に変えんじゃねえよ!触ったら心臓穴開けてやるけどな。」
「…衛生上…ノヴェラさんは…嫌です…フロウミさんの尻尾は…駄目ですか…」
「駄目だから。言ったはずだよ。急所ですよ。」
「アマミは良くてか?あ?」
「こ、断りきれなかったんだもん。あの泣きそうな顔されたら…」
「…サーラがやっても…ダメなのでした…」
盗み聞きしていたけど、やっぱりアマミちゃん魅了効果とかなにか使ってフロウミさんを弄って許可もらったな!!もう今日からこの子小悪魔少女でいいよ!
コンコン。
「シャロルお嬢様。軽いお菓子とお飲み物をお持ち致しました。」
「入って構いませんわ。」
メイドが入ってきてお菓子やら何やら色々置いていった件。間食も豪華じゃね?ケーキあるぞ?!
「美味しそうなんです!全部私のものなんです!」
ジ◯◯◯◯か!
「うふふ。ちゃんと切り分けますわ。ああ、アマミさんがケーキを食べる姿を想像しただけで涎が出そうですわ!」
ねえ、シャロルさんもアマミちゃんに汚染されていない?!…あれか?シャロルさんって地味にアマミちゃんの魅了効果が刺さってる?!
おやつが来たので、アマミちゃんを降ろします。
「あれだな。甘ったるいのは好きじゃねえが意外にいけるなこれ。気に入らねえが。」
「それでしたらアマミさんにノヴェラさんの分もお渡ししますわ。」
「ウッセー!これは俺のもんだ!てめえ、ちとケチつけただけで絡んでくんじゃねえぞ!」
「美味しいんです!がぶっといくんです!こういうものは一口で上から丸噛りなんです!」
「アマミ?口の回りがクリームだらけになってるけど。」
「こ、これは…アマミさんの口についたクリームは格別な味がしますわ!」
「…落ち着いて…食べたい…サーラ…このジュース…お気に入りです…」
賑やかだな。所々突っ込みたいところもあるけど全部流そう。この子達5人の幸せな時間を破壊するのも良くないし。
「お姉ちゃんも食べるんです!」
「え…僕?僕は別に…」
「ミズハさんの分もありますわ。どうぞお食べになってくださいまし。」
「そうなんです!食べないとこのキノコを乗せてお姉ちゃんに食べさせるんです!あ、アゲちゃんもケーキ食べるんです!今なら5%オフです!」
毒キノコ持ち出すな!今食事中だよ!誰かがうっかりしたらどうするの!とにかくそんなもの持ち出されると何されるか分かったものじゃないので僕も頂きました。え、他?…他は無視しましょう。
「では簡単な交流会も終わりましたことですし、そろそろ本題にいきますわ。」
簡単な交流会って…なんか僕もこのメンバーの一員になったのかな?あれなんだよね。身長的に男子勢全員に負けている以上完全に僕って紛れちゃってるんだよね。15歳前後の男子って身長大きいな。
「こちらにいくと書籍部屋ですわ。飲食厳禁ですわ…いえ、アマミさんは好きにして構いませんわ。」
「ケーキの後はバナナなんです!皆の分あるんです!…あ、バナナ買いそびれたんです!買うんです!…ここには売っていないんです!お姉ちゃん犯罪なんです!一緒にお風呂決定なんです!」
なんでバナナで、僕とお風呂はいることが確約されるのか。僕には理解できないよ!
「持ち込んでるがいいのか?」
「オラクル子爵内でのルールですわ。私の力でねじ曲げることぐらい造作もありませんわ。」
やりたい放題だぞこの子爵令嬢!まあ、下手にアマミちゃんを縛り付けるとよりおかしな事になるのでねじ曲げれるところはそうしてもらえると助かるけどね。世の中妥協は大事だよ!逆にそこいら常にガチガチにしているやつは今すぐ方針変えるか出てけ。社畜で殺されるわ。
「ここには沢山の書籍がありますわ。魔女とか魔物の情報もあると思いますわ。」
マジーラさんが家に置いている本の数よりも圧倒的に数が多い件。これもはや本棚じゃなくて図書室じゃね?!
「結構多いね。」
「当然ですわ!私達オラクル子爵家は魔法専門の貴族ですわ。これぐらい書籍がなくては魔法を使い分けることも出来ませんわ。」
いや、本だけで全ては解決しないと思うけどね!まあ、さっきの車といい魔法に対しては本当に専門みたいだけど。