バナナ1つでどうしてこうなるのか?
で、そこいらで適当に昼食をとった後…ああ、早くお金が欲しい。もう殆んど残っていない。ある意味、あの店で何も買わされなくて助かったわ。…また、ドワーフの村を放浪しています。午前の件があったので、店に入るのを止めてしまったため本当にすることがない。
「アマミちゃん?どうしよっか?」
「バナナ交換会をまだしていないんです!どうすればいいですか!」
知らないよ!と言うか、こんなところでカオスなイベント起こさないでよ!
「あ、君はあの時の女の子?」
後ろから声をかけられた件。
「どちら様ですか?」
「えっと、先日その子からバナナと言う食べ物を頂いた者です。」
えーっと…ああ、そう言えばいたな。アマミちゃんがドワーフの村へ来た直後、バナナをとにかく色々押し付けてたんだっけ?で、無くなったから買い出しに行ったんだよね。
「バナナ交換会遂行中なんです!バナナを持ってきてくれたんですか!」
だからバナナ交換会って何?
「えっと、持って来てはいませんが。」
「ムー!酷いんです!バナナ食べたいんです!」
薬中か!あー、違う?バナナ中?わからん。
「アマミちゃん?バナナなら沢山持っていると思うけど?」
「そうなんです!流石お兄ちゃんなんです!天才なんです!どうして分かったんですか!」
そりゃ一緒に買っているからね!あんだけ大量に買えば嫌でも覚えるよ!と言うことで、バナナを一本引っ張り出した。
「あ、それですそれです。先日、友達にそれのことを話したら食べたいと言ってきて。譲って貰えないでしょうか?」
「バナナ交換会するんです!これはバナナ交換会専用なんです!1度渡したらもう渡せないんです!友達100万人計画なんです!」
「えっと、譲っては頂けないのでしょうか?私は食べましたので友達に渡したいのですが。」
「ムー!良くわからないんです!お兄ちゃんが悪いんです!バナナがキノコに変わったんです!食べるんです!」
だからそれは毒キノコだからね!変わったって言ってるけど結局異空間に閉まって取り出しただけじゃん!
「あれ?バナナがキノコに?何が起きたんですか?」
ほら、第三者から見ると全くワケわからない事になっちゃってるじゃん!
「えっと、まあ、アマミちゃんのマジックだと思ってください。それで、お話を聞くとバナナが欲しいんですよね?」
「ええ、友がどうしても食べたいとかどうとか。どうやら何処からか名前だけは知っていたみたいで折角だから食べたいと。」
「うーん。アマミちゃん?友達沢山作るなら譲ってもいいような気がするんだけど。」
「バナナ交換会なんです!交換してくれないと嫌なんです!」
またアマミちゃんが良く分からない我儘を始めたぞ?!こうなっちゃうと意地でも通すからな。とは言え、諦めてと言うのも可哀想だしなあ。何しろ腐るほどあるんだし。
「何か欲しいものがありましたら譲りますよ?見たところお兄さんは剣士ですよね?私の従兄に頼んでお兄さんの剣を特別発注しても構いません。」
ちょっと待って!バナナに対する対価がでかすぎるよ!と言うより結局ドワーフは何でも鍛治かなにかで解決しようとする癖でもあるのかな?
「えーっと、僕は大丈夫です。色々ありまして他の店にお世話になっていますから。」
「え?そうなのですか。ッチ、先超されたか。」
いま皮肉聞こえたよ!しかも結構大きな声で聞こえたよ!さて、何か良い案内かなー。うーん、交換系か。で、バナナでしょ?友達でしょ?で交換させて相手にバナナを渡すって…あー、よくよく考えたら結構簡単じゃん!
「アマミちゃん?商売やってみない?」
「商売って何ですか?!体売ることですか?!」
違う!アマミちゃんの場合100歩譲ってもそれは売春だよ!犯罪だよ!アマミちゃん被害者になっちゃうよ!
「えっと、まだ時間的に商人が売買していると思うからその横にバナナを並べてみるとか。バナナ売ればお金と交換できるし、色んなお客さんと話せるよ?こちらのドワーフさんもバナナを買えば友達に渡せるし、手っ取り早い方法だと思うんだけど。」
「良くわかんないんです!とにかくバナナで空飛んでみるんです!」
どうしてそんな返答が来るのかな?!理解が追い付かないよ!
「バナナを売ってくださるんですか?」
どうやらドワーフの方には若干伝わったらしい。
「アマミちゃん?習うより慣れろと言うしとにかくやってみよう?」
「良く分からないんです!お兄ちゃんが居てくれるならやってみるんです!最後はお兄さんのダッコでフィナーレなんです!」
最後のフィナーレはどういう意図なのかな?別に花火大会でも何でもないよ?抱き合うタイミングないよね?
「じゃあ、こっちです。」
と言うことで、アマミちゃんとドワーフを連れて商人がいる場所に向かいます。