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魔女の力は計り知れないわ

「じゃあ、まあ僕たちはこれで。」

「ちょっとお待ちくださいませ。そちらのお嬢さんのロッドの選別をさせてください。お客様の期待に応えるため是非ともよろしくお願いします。」

「そうなんです!私を忘れちゃいけないんです!」


 あー、敢えて誤魔化そうと思ったのに!どっちもしっかり覚えていやがった。


「あー、分かりました。アマミちゃんはどんな物が欲しいの?」

「最強になるんです!最強の魔女は武器なんて使わないんです!」


 おい!さっきは欲しいといっていたのにもう矛盾しているよ!


「えっと、効率良く魔法を放てる物ってありますか?僕は魔術師じゃないので良くわかりません。」

「まずは無難なものから試しましょう。そこから相性を見極めたいと思います。」


 と言うことで、ドワーフがロッドを持ってきた。アマミちゃんの体型に合わせてか結構短めである。まあ、アマミちゃん10歳ぐらいの体型だからね。


「このロッドを用いて魔法を放ってください。的ならいくらかあります。」


 ドワーフが指した方向を見ると簡易的な的がある件。どうやら武器のお試し室では魔法も放つことも出来るようである。


「的を攻撃しちゃいけないんです!的さんが可哀想なんです!器物破損なんです!」


 アマミちゃん良く器物破損なんて言葉知っていたな!で、散々壁なりドアなり吹っ飛ばして来たよね!まあ、気付いたら完全に元に戻っている辺り壊したとは言えないのかもしれないけど。


「え?どう言うことでしょう?」

「あー、ごめんなさい。アマミちゃんは用もないのに魔法を打たないタイプでして…こうすれば打ってくれます。」


 と言うことで、僕が剣を一振りすると落雷が的に落ちた。一瞬で燃え上がって灰になる。


「な?!これは雷魔法?一体どうやって?」

「ギャー!何してくれるんですか!手加減するんです!原型くらいはちゃんと残すんです!」


 そしてアマミちゃんがロッドを振って的に魔法を放つ。勿論無詠唱で。そして…


 パリーン!


「何ですか!何かが割れたんです!魔法が打てないんです!どうなっているんですか!」


 アマミちゃんが修復魔法を放とうとしたら、ロッドの宝石がめっちゃ輝いたあとに砕け散った件。あれかな?延長コードに許容以上の電流を流して断線した感じかな?


「え?ロッドが壊れた?」

「申し訳ありません!弁償します。えっとおいくら…」

「何で壊れちゃうんですか!何でもいいんです!とにかく全部直すんです!」


 再び無詠唱でロッドを持ちながら反対の手で的を指差すとロッドと的が両方軽く白く輝き元に戻っていく。5秒後には完全にもとの状態である。


「お兄ちゃん!いけないんです!弱いもの虐めは駄目なんです!壊しちゃいけないんです!」


 普段からマジーラさんの家の窓や学校の窓にダイレクトアタックしている女の子には言われたくないよ!そして、再度辺りが静まり返ってしまった件。最早、試し振りしている人とかは誰もいなく全員で綺麗に直った的かアマミちゃんか僕を完全凝視しているんですが。


「いや…考えられません。我々が作ったロッドは完璧なはず。戦いで壊されたならまだ分かりますが、雇用主の魔法自身で壊れるなど前代未聞です。それに、今となっては新品同様にまで完璧に直っているロッドと的…いえいえ、まずその剣を一振りしただけで的が灰になるとはその剣は一体どのような作りなのですか?」


 なんか、良くわからないけどドワーフが完全に頭を抱えながらブツブツ呟いている件について。なんか、マジーラさんも始めのうちはこんなんだった気がするんだけど…あれか?やらかしたか?…いや、もう充分やらかしたことは分かっているから!少しぐらい現実回避させて?!


 今更だけど、ミネガル先生がアマミちゃんにロッドを持たせない理由はわかった。魔力が大きすぎてロッドが耐えれないんだと思う。おそらく、魔力を制御すれば話は別かも知れないけどアマミちゃんそんなことしないもんね!初めて箒乗ったときも調整なんて明後日だったから民家に突っ込むわ、宇宙空間に飛び出そうとするわ指導しているとき何回死ぬかと思ったか分かりません!


「えっと、色々申し訳ございません。アマミちゃんに合いそうな武器はここには無さそうです。アマミちゃんにはこちらから説得致しますので。」

「ムー!魔女に合う物はないんですか!酷いんです!差別なんです!」


 個人的、魔女に合う武器はあるんじゃないかな?第一、一般魔術師の20倍の魔力を持つマジーラさんだって普通に杖使ってるし。魔女だって使える魔法は特殊だったとしても魔力なんて魔術師の10倍程度なんでしょ?おそらく、アマミちゃんに合う武器が無いんじゃなかろうか。


「申し訳ありません。先程の魔法の威力から換算するに我々が現状提供出来るロッドの中でお客様に合いそうな物は無いと思われます。ただ、ご安心ください。必ずお客様にご提供出来るものをお作り致します。そちらのお兄さんとお嬢さんの武器は必ずこちらで作って見せます。期待してお待ちください。」


 ドワーフが負けず嫌いなのかこのドワーフが負けず嫌いなのかは分からないけど、とにかくよっぽど悔しかったことだけは分かった。だけど、個人的諦めも大事だよ?魔力の量によって強度が変動する武器を越える武器とか、そもそも一般魔術師の1000000倍以上の魔力を耐えれる武器なんて努力して作れるものじゃないだろ!と言うことで、何度も店員にまた来るように言われた後その場を後にしました。いや…後にしようとしたんだけど…


「そこのお兄さん!その剣は何処で手に入れたんだい?さっきの稲妻って魔法だろ?要はその剣は魔法剣じゃないか!是非とも、私の鍛冶屋に来てくれないか。分析したいんだ!」


 とか


「すまない。先程の剣捌きを見て、貴方に合いそうな剣が私の店にあるかもしれない。是非、立ち寄って頂けないだろうか?勿論、そこのお嬢さんに合いそうなものも提供するよ。」


 とか


「ねえ、ミズハ君とアマミさん!私達のチームに入らない?!」


 とかスカウトが多数来てしまったので振りきるのに大変でした。て言うか、最後はドワーフじゃなくて同じ護衛をしている冒険者だったよ!紛らわしいわ!

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