軽く剣を一振りしただけだからね?
「まあ、見ていてください。これぐらい固くないと僕の剣として務まりませんから。」
と言うことで、魔力をガンガン詰め込んでいく。前、強化魔法で強化したバナナとは違い素が固い鉄の棒である。生半端な力では剣が駄目になるため魔力をバナナをぶった切った時の100倍以上は突っ込んでみた。
もはや、剣ではあるが剣とは言えない状態になりつつある件。直視するには青色の光が強すぎる。また、魔力が溢れかえっているのか定期的に静電気が走るが如くバチバチ鳴っている。音がなる毎に稲妻みたいな光が剣から光輝いている。
「こ、これは…一体どういう仕組み何ですか?」
「ギャー!お兄ちゃん!駄目なんです!やり過ぎなんです!この棒では耐えれないんです!」
元々耐えさせるつもりはないからね?
「じゃあ簡単に一振りします。」
なお、力を吸収すると言うことは僕の力も異常上昇している。その為、剣を降った瞬間には鉄の棒は完全に真っ二つになって半分は床に落ちた。もう半分はアマミちゃんが持ったままである。もはや、剣と鉄がぶつかったような音すらしない。あまりにも早く強く振っただけでなく、恐ろしい魔力を含んで振り下ろされた剣は鉄の棒に触れる前におそらく鉄を溶かした感じである。あ、因みにここまでの強力な攻撃を受ければ例え直撃じゃなくても棒を支えていた人間にも何かしら支障が起きると思うんだけど…アマミちゃんに強化魔法を放つように言っていたのでアマミちゃんは無傷である。いや、仮に何処か痛めたとしても瞬時に回復しているはずである。
「ムー!お兄ちゃん、酷いんです!どんなに棒さんが生き物じゃないからっていっても真っ二つは駄目なんです!どうしてくれるんですか!」
アマミちゃんが鉄の棒の切れ端同士をくっ付けて切れ目を片手で握った。で、次の瞬間には繋がってもとに戻っている件。何かのマジックかな?少なくとも種も仕掛けも全くないことだけはわかるけど。で、さっきからドワーフが完全硬直して無言なんだけどこれは一体どういうことかな?で、もはや他に武器の素振りをしていたお客さんとかその説明をしていた店員のドワーフとか全員がこっちを見ている。音は僕の剣が放っているバチバチと言った音しか聞こえない。
「お兄ちゃんにまた負けたんです!だったら最もこの棒を固くしたんです!次は負けないんです!」
アマミちゃん?!主旨が変わっているよ!アマミちゃんと力比べしに来たんじゃないよ!
「えっと…ですね。あー、えっと…もう一度その剣を見せて頂けないでしょうか?」
「見せるのは構いませんがお渡し出来ません。現状、この剣自体が危険な状態になっています。下手に振り回されるとこの鍛冶屋が崩れ落ちます。」
いまとんでもない魔力を含んでいるからねこの剣!下手に振られて魔法が発動なんてしまった場合、最悪核爆発が如くここいら一体が吹っ飛ぶレベルの魔力は搭載してるからね。
「わ、分かりました…触るのは…」
「死んでも宜しければどうぞ?」
「お兄ちゃん!そんな言い方はないんです!脅しちゃ駄目なんです!説明するときには、触ってしまった場合は一瞬で夢の世界に行ってそこで楽し過ぎて戻ってこれなくなるって言うんです!」
言い方違うけど、要は死ぬって言うことには変わりないよね?!ある意味、うまく伝わらなくて本当に死んじゃうよ!
「こ…その剣は一体どのような作りなのですか?」
「うーん、と言われましても僕はこの剣を買っただけですし。使い勝手として強度が所持者の魔力に依存するだけなので魔力さえあればこの剣は誰でも使えます。僕的には強度も出せて勿論小回りや持ち運びに便利なこの剣を気に入ったので買っただけです。」
「そ…そうですか。」
なんか良く分からないんだけどさ、何で僕やアマミちゃんと会話する相手は最終的に力尽きたような態度に変わるの?別に僕は用もないのに相手の力を奪ったりしないよ!剣は少しずつ、光が収束しつつあります。うん、放置しているので突っ込んだ魔力が持ち主のもとに戻っているだけです。
「分かりました。しかしそのレベルとなりますとこちらでそれより優れた剣を見付けるのは難しいと申しますか…」
「別に構わないですよ。元々興味本意で剣を見ていただけですので。」
「いえ。ここは私達にお任せください。今は無理ですが、必ずお客様が満足出来る剣を提供致します。その際はご連絡致しますので是非とも贔屓にして頂きたいと思います。」
と言って名刺っぽいものを貰った件。どうやらこのドワーフは相当な負けず嫌い見たいな件。こりゃまた関わることになりそうだな。で、この際敢えて突っ込まないけど…僕に名刺渡したところで僕に連絡出来ないよね?これじゃ100歩譲ってもっと凄い剣が出来ても連絡出来ないよね?…まあ、下手に連絡来ると困るし別にいいか。
軽くってなんだろう?