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また魔女が明後日に暴走してる件

「アマミちゃん?アマミちゃんって学校に行っているときもロッドとか杖とか使っていないの?」

「無ければ貸して貰えるんです!でもミネガル先生がアマミは駄目だって貸してくれないんです!虐めなんです!一度使ってみたいんです!」


 うん?どう言うこと?ミネガル先生って結構色々考えているから何かしら理由はありそうなんだけど。


「ふーむ。まあ、そちらも探してみましょう。ではお客様?剣の方をよろしくお願いします。」

「あ、はい。」


 と言うことで、適当に振ってみる。


「うーん。失礼ですがそこまでその剣を使い込んでいないように見えますが…まだ、あまり戦ったりしていないのでしょうか?」


 うわ?!流石ベテラン職人だ。一振りでバレた!


「あー、まあそうですね。見ての通り若いですから。剣士になって初の護衛任務を受けていますし。」

「そうでしたか。と言うことは、まず本当にその剣と相性が良いかとかも問題になってきますね。その剣を選んだ理由とかありますか?」

「えっと、この剣を買うとき出来る限り頑丈のものをお願いしました。僕的にアマミちゃんの護衛を中心として検討したので戦い中壊れてしまっては困りますので。」

「この剣でですか?えっと、お客様の目を疑っている訳ではありませんが頑丈にしては細すぎると言うか。」

「勿論、運びやすさや機動性も重視しましたよ?」

「うーむ。お客様の期待自体が真反対でありまして…それをこの剣は満たしていると思ったわけですか?」

「そんな感じです。」


 店員のドワーフは考え込んでいる件。


「いえ、精々数百年この仕事を行っていますが…その細さで頑丈と言うことが理解出来ません。使いやすさなら分かるのですが。今からでも遅くありません。私としましてはここで何かしらを買っていった方が宜しいかと思います。勿論その際にはドワーフの誇りとして最適なものを提供します。」


 うーん、と言われてもなあ。何せ僕が本気を出せば木刀を片手で握り潰せちゃうんだよね!却ってこの剣以上に固そうなものが一切思い付かない。


「お姉ちゃん!良く分からないんです!暇なんです!何かするんです!」


 何かしろって言われても困るんだけど?!うん?じゃあ、ちょっと手伝ってもらおうかな。


「アマミちゃん?アマミちゃんの空間魔法に何か固いもの入っていない?」

「固いものなんです!特にないんです!作れば別なんです!」


 待て?その言い分だと作れるのか?あれだよ?バナナを強化魔法で云々とかじゃないよ?!


「空間魔法ですか?それはどのような魔法でしょうか?今まででも聞いたことがないですが。」


 まっず!店員のドワーフが変なところで噛み付いてきたぞ?


「あー、いえ。何でもありません。ところでここら辺に鉄パイプとか岩石とか何でもいいので固いものはありませんか?」

「鉄の棒ならあります。武器を作る際に鉄は必需品ですからね。しかし何に使うのですか?」


 よし、とにかくそれをぶった切ればある程度の強度の証明になるだろ。まさか、シャロルさんのお屋敷でやったことをここでもやる羽目になるとは…。


「1つ使わせて頂けませんか?この剣の強度をお見せ致します。」

「あー、了解しました。少々お待ちください。」


 と言うことで鉄の棒を持ってきてもらった。


「アマミちゃん?ちょっとこの棒持っていてくれないかな?」

「お返しが欲しいんです!」


 図々しいな!


「えっと、何か欲しいの?」

「今日はお兄ちゃんに抱きついて寝るんです!確定なんです!」


 なんだ。いつものことか。もう勝手にしてくれ。…うん?ちょっと待って?今日もアゲちゃんに餌やりするんだよね?僕どうやって寝ればいいんだ?裸の子を抱いて寝ろと?いつからこの物語は百合ものになったんだ?


「うーん。検討はするからとにかく持って?」

「約束なんです!今日は寝かせないんです!」


 駄目だ。もういいや!どうせ口先だけだから放っておく。なんかこの流れも飽きてきたからもうそろそろ少し教育するわ。


「えっと、お二人は恋人か何かですか?」

「すいません。兄妹と言うことにしてください。この子甘えん坊なので。」

「お兄ちゃん!私は甘くないんです!…うん?!もしかしてお兄ちゃんが私を舐めると砂糖みたいに甘いんですか?!じゃあ舐めても良いんです!優しくお願いします!」


 止めろ!どんどんR指定に持っていくな!もう流します。これ以上アマミちゃんの流れに持っていったら大変なことになる!と言うことで鉄の棒をアマミちゃんに持ってもらいました。


「アマミちゃん?念のため強化魔法お願い。」

「了解なんです!今日は楽しみが増えたんです!」


 はい流します!こういう物語が好きな方は他の恋愛小説でも読んでください。


「仲が良いんですね?」


 止めてください。アマミちゃんに養分を与えないで!暴走が止まらなくなるから!


「えっと、とにかくこの剣を僕が気に入っている理由を教えます。アマミちゃん、準備は良い?」

「何処からでも良いんです。ちゃんと受け止めるんです!」


 あーもう!普通の言葉を発しているだけなのにR用語に聞こえちゃうのは何故なのか。


「それで、何をなさるおつもりですか?まさか、その鉄棒と剣を交えると?」

「それはグッドアイデアなんです!お兄ちゃんと私も混じり合うんです!」


 R発言にしてもなんにしても色々アウトだから止めて!もう僕の体力はゼロだよ!


「と、とにかく…その棒を僕の剣で叩き割ります。」

「なんと無茶な?!それは剣に対する冒涜です。」


 剣に対する冒涜?あれか?職人にして見れば剣も命が吹き込まれているといった感じなのかな?

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