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試し打ちになるのかな?

「お客さんも人間ですかい?ロッドに興味を持つということは魔術師ですかい?」

「魔女なんです!最強魔女なんです!」


 最強は付けなくて宜しい!ややこしくなるからね!


「魔女?…えっと…すまない。魔女って聞いたこと無いんだが人間じゃないのかな?」


 なんと?!ドワーフは魔女を知らなかった!あれか?技術的な面が得意なドワーフにとって魔法系は二の次なのか?とは言えロッドは売ってるからな。多分人間とかエルフとか魔法がある程度使う層向けに作っているだけなのかな?


「ひ…酷いんです!魔女が知…られていないん…です!侮辱され…ていた方がま…だよかった…んです!」


 あわわ!泣き出さないで!!まあ、相手に対する一番の嫌がらせは完全無視だからね。


「すまないすまない。何か仕出かしてしまったかい?」

「いえ、大丈夫です。すぐ落ち着くので。」


 余計な心配をかけてしまった件。


「それにしても、魔女って結構良し悪しの噂はありますが何だかんだで知られていたので…ドワーフですと魔女とかの話は出ないんですか?」

「うーん、魔女…魔女…確か友人で人間と交流が深い奴が若干魔女という言葉を発していたかも知れないが…すまない。」


 そう言えば獣人もあまり魔女に関心がなかったな。ドワーフといい獣人と言いあまり魔力を持たない種族は魔女に対して関心がないのかもしれない。とりわけどっちも人間に比べると人口が少ないし、大抵森の奥とかで過ごしているし。人間も魔法が使えれるものは限られているとはいえ人口が莫大だし情報網はどの種族よりも勝っているから魔女という情報が広まっているのかも。最も、危険人物として広まっているけどね。


「アマミちゃん?落ち着いて?後で何か買ってあげるから。」

「やったなんです!泣いたかいがあったんです!」


 立ち直り早すぎだろ!これは酷い。


「えっと…すまなかった。」

「お兄ちゃんが金塊を奢ってくれるから問題ないんです!」


 買えるか!


「え?先ほどそれほどお金を持っていないと…」

「持っていません。アマミちゃんがでっち上げただけです。あまりこの子の言葉を本気にしては行けません。」

「酷いんです!私は最強魔女なんです!後でお兄ちゃんと一緒にお風呂に入るんです!」

「え?」

「すいません。アマミちゃん変なスイッチが入ってしまいましたので放っておいてそちらの剣についてお話いたしませんか?流石に今私が使っている剣を貴方に渡したまま立ち去るわけにもいきませんので。」


 と言うことでアマミちゃんを背負うことにしました。


「お兄ちゃんの背中なんです!美味しいんです!」


 食うな!


「率直に申し上げますが、ちょっと変わったお客様ですね。」

「アマミちゃんはいつもこうなので気にしないでください。それで、その剣より僕に合う剣とか本当にあるのでしょうか?最も、お金とは相談になってしまうのですが。」

「それはお任せください。」


 と言うことで、ドワーフの店員の後に付いていくことに。


「それにしても、お客様は相当凄腕だと私は思いますよ。」

「そうですか?」

「ええ。これだけの細身の剣を使っているのに折れた形跡すらない。本来一般的な剣士であれば既にこの剣は折れていますよ。」


 あー、ごめんなさい。僕まだその剣殆ど使っていないんだわ。その剣を買う前は結構、力業したことあったけど買ってからは比較的平和だったからね!アマミちゃんが荒らしたことはちらほらあったけど。


「私はあれに興味があるんです!」

「あれはロッドですね?えっと、魔女はロッドに興味を持つのでしょうか?」

「良くわからなければ魔女も魔術師も同じようなものと思っていただいて結構です。」

「違うんです!魔女なんです!」

「アマミちゃん?相手が魔女のことが分からない以上、魔術師に似ていると説明した方が理解してくれるよ?」

「ムー、お兄ちゃんに任せるんです!とにかく魔女は魔女なんです!」

「うーん、まあ魔女は魔術師より強い魔法を放てると思ってください。例外は結構ありますが。」

「分かりました。であればこちらとしてもある程度検討できると思いますよ?」


 魔女問題はこれにて決着だけどなんかまた武器買うフラグ立っていない?そんなお金ないんだけど?


「さてさて着きました。」


 案内された場所を見るとどうやら武器のお試し空間みたいなところみたい。既にドワーフの他、おそらく人間もいて持ってる武器を降ったりしている。よくよく見ると名前は覚えていないけど、商人護衛依頼を共に受けている冒険者もいる件。ドワーフが付いているから僕らと同じ境遇なのかな?


「それでですね。今持っているこの剣を試しに使っていただけませんか?そちらの魔女さんも今持っているロッドを…お持ちではありませんね?初めての購入ですか?」

「アマミちゃんはロッドとか使わなくても魔法が放てるんです。なので、買うのでしたら初になりますね。」


 本来魔術師はロッドなり杖なり何かしらの魔法援助武器は持っている。人間の魔力だけでは普通魔法は打てなくて呪文を唱えてロッドなりを媒介にして魔法を放つ。これが一般である。アマミちゃんみたいに、「詠唱何それ美味しいの」とか「武器なんて知りませーん」が通用するのはそれこそ魔力値が異常に高くないと無理だからね!


「ほお。それも魔女だからですかな?面白いお客さんですね。選びがいがありますな。」


 と言って、僕に剣を返してくれた件。

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