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魔法使いにとって魔蝶は危険らしいです

「でだ…突っ込みたいのを堪えていたんだが、そのメガアゲハは何処から持ってきたんだ?」

「花畑で会ったんです!アゲちゃんです!仲良しさんです!学校に連れていくんです!」

「まてまて、学生皆殺しにするつもりか?」

「ちょっと待ってください。マジーラさんはメガアゲハについて御存知なんですか?」

「魔法使いなら誰でも知っているぞ?何しろ危険度Bクラスの魔物だからな。」


 まてまてい!危険度云々の定義が良く分からないけど魔法使い達には一般の魔物なの?


「危険度Bとは?」

「あー、まあ、冒険者で言うところのBランクが退治する魔物だな。何せこいつらは相手の魔力を吸って生きている。とりわけ多大の魔力を持つ相手には一見親密に関わり合いながら隙を見せると膨大な魔力を吸い上げる危険な魔物だぞ?」

「大体把握していますが、ミネガル先生の認識では生体も良くわかっていなくて人的被害はあまり無いとお伺いしましたが。」

「そりゃ、魔力がロクにない人間なぞメガアゲハの眼中にないからな。まず姿は見せまい。だが、魔法使いの前には定期的に姿を見せるぞ?美しさや可愛げな行動で魅了されると後々が厄介なことになるので魔法使いは若いうちからメガアゲハ対策について教育を受けている。大抵は会っても関わらない定義だが。」

「魔物と定義されているならメガアゲハを倒すとかで教育されないんですか?」

「良くわかんないんです!だけどアゲちゃんを虐めちゃいけないんです!お姉ちゃん犯罪なんです!今日は互いに裸で一緒に寝るんです!」


 どんどんR要素強くなってるぞ!止めろ!とりわけ裸ってアゲちゃんの餌になれってことじゃん!基礎魔力0の僕が吸われたら死ぬからね!


「おいおい。メガアゲハは攻撃手段が豊富だ。そりゃ刺激しない限り何もしてこないと言うおとなしい性格ではあるが、命に関わるとなると毒でも麻痺でもあらゆる異常状態になる粉をぶり巻く。即死も考えられるんだ。攻撃なんて誰もしないぞ?と言うより裸で寝るとはどう言うことだ?もしかして既にメガアゲハに餌付けなんかしていないよな?」

「ご免なさい。もう手遅れです。」


 なんで僕が謝っているんだろう。


「…わかった。どうしてこのメガアゲハを連れてきたか。要は飼いたいとかそう言うことだろう?」

「流石師匠なんです!拒否権はないんです!拒否したらお姉ちゃんと師匠は結婚させるんです!」


 ちょ!!!何て事言ってくれるの!!今まではアマミちゃん相手だから百合云々で流したけどマジーラさんはガチの男性だからね!僕は男装していても少女の分類だからね!


「そりゃないな。まあ、拒否出来ないのは確定なのだが。」


 待て!即答来たぞ!


「待ってください?僕も結婚云々はあれですがそこまで即答されると傷付きます。僕はマジーラさんに嫌われているんですか?でしたら出ていきます。」

「おいおい。そこまで言っていないぞ。第一年齢を考えてみろ。自分より480歳も若い少女とくっつけるか。」


 そう言えばマジーラさんは500歳ぐらいだった件。見かけが23歳位だから紛らわしい。


「第一もう家族みたいなもんだろう?娘と結婚する親がどこにいる。予めだがミズハもアマミも知っている限り1位2位を争う厄介者だがそれでも自分のお気に入りには変わりないしちゃんと育てたいと思っているんだ。そこは理解してほしい。」


 なんだか貶されてるのか、離したくないのか良く分からない返答が来たな。まあ良いや。別に僕もマジーラさん嫌いじゃないし。と言うより若干お気に入りの分類には入っているからね。


「厄介者は酷いんです!精々やりたい放題の魔女ってことにするんです!」


 たいして変わっていないな!当本人はそれで良いの?!


「それより、拒否出来ないとはどう言うことですか?」

「流したな。こっちは心配したんだが…。あれだ。メガアゲハが一度お気に入りと決めてしまった以上無理に引き離すのは却って危険だ。見たところ完全にアマミに懐いてしまっているしな。」

「そうなんですか?」

「さっきも言っただろう?命に関わるとなると攻撃してくると。自分にとっての大事な食材が奪われそうになったら攻撃してくると言うことだ。その際、なついた相手が離れようとしても同じ扱いだから厄介なんだが。だから、魔法使いは関わらないように教育を受けているわけだが…。」


 要は、一度懐かれてしまうと生涯飼い続けなければいけないらしい。


「最も向こうから離れてくれれば問題ないのだが…その基準は全くもって不明だが。」

「良くわかんないんです!飼うって決めたんです!だから飼うんです!」


 マジーラさんがまたまた頭を抱えてしまっている件。まあ、昔危険な魔物と教育されてそれを家にいれるとなると相当抵抗はあるよね。


「念のためだが、既にアマミの魔力を吸いとっているのか?」

「それはもう沢山。仕舞いにはアマミちゃんのお友達にも手を出しました。」

「既に重症化しているじゃないか?もしかして自分もターゲットにされたりしないよな?」

「どうでしょうか?アマミちゃんのお友達のシャロルさんも他の人に比べると多少ではありますが魔力が高いです。少なくともシャロルさんよりは圧倒的に魔力を抱えているマジーラさんはターゲットじゃないんですか?」

「ミズハ、お前は大丈夫なのか?」

「あれ?僕は素の魔力は0ですよ?そりゃ回りから奪ったりすれば分かりませんが普通に過ごしている限り対象外のはずです。」


 マジーラさんが腕を組んで難しい顔をしている。おそらく自分が襲われない方法を考えているようである。

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