よし、常識は見なかったことにしよう
「じゃあ僕らも帰ろうか…って、王都まで車で送って貰わないと不味いんじゃ?」
「箒でひとっ飛びです!今日は月に行ってお月見なんです!」
月に行ったら月見れないだろ!地面でも見るのかな?ってか、アマミちゃんなら本当に月に行けそうで怖いわ!
まあ、箒の発案があったのでいつも通りアマミちゃんが箒に跨がり、僕が横座りといった体制で飛び立ちました。行き先はマジーラさんの家です。明日ドワーフの村か町かに戻れば良いので今日はゆっくりする予定。アマミちゃんがいるから願いが叶うかは分からないけどね。
「もうすぐ到着なんです!」
「お願いだから突っ込まないでね?」
「馬鹿にしているんです!私だって学習するんです!窓から突っ込むのはお仕舞いなんです!」
と言うことで、ドアを突き破って突入しました。…違う!そう言うことじゃない!
「なんだなんだ?!」
「あー、マジーラさんごめんなさい。いつもの事です。」
「察しはするが、お前がいるんだからなんとかなるだろう?」
「逆に聞きますがなんとかなると思っているんですか?」
「…わかったわかった。まあ、ドアも元に戻っているし無かったことにしよう。」
「違うんです!開けドアとお願いしたら開いたんです!決して壊して入っていないんです!」
そう言っているってことは自覚しているだろ!
「それにしてもあれか?1週間の依頼って言う割りには帰りが早いじゃないか?あれか?問題起こしてクビか?」
「なにもしていないんです!馬鹿にしているんです!」
問題しか起こしていないだろ!そのアゲちゃんが典型例だぞ?
「簡易的に説明するとドワーフの村に着いたので商人が仕事を終えるまで休憩時間です。明日の夕方から再開なので明日早朝には出ようと思います。」
「わざわざ戻ってきたのか?ドワーフの村なんぞ相当遠いだろう?向こうで過ごすのが妥当だが?」
「バナナが切れたんです!バナナが無くなったら死んじゃうんです!どうしてくれるんですか!」
「すまん。ミズハ。状況を教えてくれ。」
「そのままです。」
「すまない。自分にはアマミ語の翻訳は出来ん。」
「アマミ語ってなんですか!私はゴマじゃないんです!」
アマミちゃん専門用語。理解出来るのはアマミちゃんだけと言うものだね。え?僕?理解出来ると思った?
「まあ、アマミちゃんがバナナを欲しくなったので下山しただけです。徒歩で登るのに2日は掛かりましたが箒で飛ばせば10分掛かったか掛からなかったかと言った感じでしたので。」
「相変わらずの滅茶苦茶だな。速度計算は出来ないか?参考程度にだ。」
知らんがな。えっと…移動できる時間を1日16時間としてまあ、面倒臭いので2日プラスアルファで40時間とする。で、徒歩を時速5kmとかにすれば大体200kmかな?で、それを10分で割れば分速20km?時速1200kmだね。まあ、飛行機程度なのかな?
「超大雑把ですが時速1200kmだそうです。」
「はい?風圧は?マッハ行っていないか?」
「秒速大体330mだから殆どマッハ1ですね。ハヤイハヤイ。」
「箒で飛ばしたのか?!死ぬだろ!」
「アマミちゃんが結界を貼っているので特には。まあ、その速度で街中飛ばされたら知りませんが。」
「止めろ。余計な心配させるな。そこんそこいらの飛行機より速い換算じゃないか!どうなっているんだ?」
「飛行機さんは遅かったんです!この間競争したんです!10秒数えたら後ろから見えなくなったんです!」
いつの間に余計なことをやっているの!まあ、学校帰りとかなら何時でも出来そうだけど…競争する相手を間違えているよ!
と言うよりかそんな勢いで飛んでいったら迷子になるんじゃ…待てよ?そう言えば、ちょっと前全然学校から帰ってこなくて迎えに言ったときあったな。確かその時、空を探した記憶が…その時か?
「予想ですがマッハ1や2とかのレベルじゃないと思います。」
「この件は終わりだ。駄目だ。アマミ基準に考えると頭がおかしくなる。」
「誰がバカですか!私は最強魔女なんです!この間2×3は5と学んだんです!」
それは足し算だよ!説得力が皆無だよ!