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魔蝶の暴走

「お姉ちゃん、暇なんです!毒キノコ引きゲームをするんです!」


 なんだその物騒なゲームは?!


「えっと…一応聞くけど、ルールは?」

「ここに5本の毒キノコがあるんです!その中から一本お姉ちゃんが引くんです!それを食べるんです!お姉ちゃんが運よく助かればお姉ちゃんの負け、助からなかったらお姉ちゃんの負けなんです!」


 なんだその糞ゲームは!まずくじ引き引かせてるようだけど全部外れだからね!で、僕即死だからね!100歩譲りようもないけど…と言うより食べて5秒で死ぬ猛毒キノコを食べて生還率0%以下だけど…を食べて生還しても負けって僕なんのためにそのゲームやるの?メリットがないよ!


「アマミちゃん?最近僕に冷たい気がするからお仕置きタイム!」

「キャー!!くすぐったいです!!エッチな…んです!体がおか…しくなる…んです!!」


 アマミちゃんが勝手に炎上しているけど、そこまでくすぐっていないからね!アマミちゃんは身体中急所みたいなものだから擽れば一瞬で落ちる。逆に物理攻撃しても魔法攻撃しても無事なのは何故なのか?うん?メガアゲハが飛び上がったな。


「くすぐったかったんです!酷いんです!今日は一緒に寝るんです!」


 なんか最近適当に言い掛かりを付けられて一緒に寝ている気がしてならないんだけど。まあ、別に不快じゃないから良いんだけどさ…うん?力の変動が見られるぞ?これはアゲちゃんからか?


「アマミちゃん?ちょっとここから動かないで?」

「何かあったんですか?!」


 瞬時に魔力を奪って結界を貼り付ける。その瞬間、アゲちゃんが僕らに向かって羽ばたき始めた。


「どうかしたんですか!」


 アゲちゃんはどんどん羽ばたきを強くして僕らに粉を…リンプンを飛ばしているように見える。結界を境にしてどんどん部屋中にリンプンが散らばっていく。勿論結界が貼ってあるので中に入ってくることはない。


「アゲちゃん!どうしたんですか!何かあったんですか!返事するんです!」


 結界から出ようとするアマミちゃんは引き留めます。よく分からないけど、あの粉は絶対吸っちゃいけない気がする!目的はどうあれ僕達には不具合なことぐらいは直ぐにわかる!少しして更に粉の出る量が増えたかと思ったら、アゲちゃんが力尽きて床に落ちた。


「アゲちゃん!!」

「待って、まだ変な粉が充満してる!」

「行かせるんです!粉なんてこうしてしまえばいいんです!行くんです!」


 一瞬にして粉が一ヶ所にまとまった。そして下に大きめの瓶が出現して全てなかに入り蓋が閉まった件。アマミちゃんが魔法を適当に使えばご覧の通りである。しかも全部無詠唱。もはや指すら指していないからね!


「アゲちゃんしっかりするんです!回復魔法なんです!」


 で、回復魔法を唱えるものの一向に復帰はしない模様。様子を見てみると、アゲちゃんの力そのものが枯渇している模様。アマミちゃんは相手を治療できるけどいくらか治療出来ないものがある。例えば死んだら無理。で、他にも僕が知ってるものとして僕が力を奪って力不足になった生き物も治療できない。力を治療するという概念は存在しないからね。


 アゲちゃんに関しても同様の様子になっている模様。あれだよ僕は奪っていないからね!おそらくさっきのリンプンをばらまきまくった結果、自身の力が無くなってしまったか?で、こうなった場合助ける方法は本人に力を返すしかない。力が無くなった生き物は一切動けず肉体が滅ぶのを待つのみ。ただ、力を返すにしろ本人の力が無ければ無理である。代用で誰かの力なんて突っ込んでも制御できずに暴れるだけだし。


「お姉ちゃん!おかしいんです!回復してもなにも起き…ないんです!どうし…てですか!何と…かするん…です!死んで…はないはずな…んです!」


 不味い、泣き出す!えっと…思い出せ思い出せ…メガアゲハの生態系を…観察日記を!…あ、そうだ!


「アマミちゃん?1つだけ方法があった!」

「やるん…です!命に変えて…も守る…んです!」


 いや、そこまでしなくて良いから!ただ、アマミちゃんなら出来る。


「アマミちゃん?メガアゲハは相手の魔力を吸って自分の生きるカテとしている。だからアマミちゃんの魔力を吸わせればなんとかなるかも。」

「よくわからないんです!」

「あー、アマミちゃん?前、アゲちゃんがアマミちゃんの胸にくっついたんだよね?真似してくれる?」

「よく分からないけどやってみるんです!」


 で、一々脱がなくてよろしい!…あー、もうなんでもいいや。とにかく力が枯渇なんてことになったらいつ死ぬか分からない。早い対策に越したことはないか。対してアマミちゃんは母親が赤ちゃんに母乳と与えるようにメガアゲハに対応している件。別に胸元につければ良いだけなんだけどもうここら辺言っていたらきりがないから放っておこう。


「…あ、アゲちゃん動いたんです!確かに動いたんです!」


 詳しくは見ていないけど確実的に魔力がアマミちゃんからアゲちゃんに流れ始めている。ただ、気になる点は流れがかなり遅い。僕が今まで見たときはもっと早かった気がするけど…。

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