初対面の貴族に喧嘩売るのはやめてください
「お客様を連れてきましたわ。」
「ああ、…って、ちょっと待てシャロル!どこの貴族を連れてきたんだ?」
そう言えば僕はシャロルさんにデコられてたな!頭から誤解を生みまくってるぞ!
「問題ありませんわ。私のドレス用の服を着せてみただけですわ。ミズハさん、アマミさん先ずは席に案内しますわ。」
そうして、奥様の隣にシャロルさん、僕、アマミちゃんと座る。アマミちゃんは座ってはいるけど回りをキョロキョロしているし、魔女帽子の上ではアゲちゃんが悠々と止まっている。
「私から紹介いたしますわ。クラスメイトのアマミさん、その姉のミズハさんですわ。」
もう姉認定なんだ。まあもういいや。そんな感じだし。血の繋がりなんて一切ないけどね。…そう言えば、僕は両親いないけど、アマミちゃんはどうなっているんだろう。
で、勿論オラクル子爵令嬢達の自己紹介もしていただきました。僕は名前覚えが悪いの。ごめんね!
「まあまあそんなにかしこまらなくても構わん。シャロルがいつも世話になっているときいている。遠慮せず食べてくれ。」
「沢山あるんです!食べきれないんです!お持ち帰りです!」
アマミちゃん!オードブルその物を異空間に突っ込んじゃ駄目だよ!ほら皆目を丸くしちゃったじゃん!
「お母様?!夕食が無くなっちゃったよ!」
「こ、これはいったい…?」
「申し訳ありません。アマミちゃん?料理を異空間にしまっちゃ駄目だよ?」
「遠慮なくて言いと言われたんです!全部貰うんです!」
おい、どこぞのひねくれジジイ見たいな発言はやめて!
「アマミちゃん?アマミちゃんってどういう魔女になりたいの?」
「魔女さんなんです!皆を幸せにできる魔女になりたいんです!体を張ってでも守るんです!」
「うん、だけど今ここで料理をかっさらったりしたらシャロルさんもご両親も弟さんも皆悲しんじゃうよ?」
「…は!そうだったんです!それはよくないんです!戻すんです!」
オードブルの他バナナが1本ずつとキノコが1つずつ現れた…っておい、そのキノコは毒キノコだよ!殺す気か!
「な、何がどうなっているんだ?」
「すいません。説明する前にそのキノコは回収させてください。」
「どうしてですか!御詫びなんです!」
「後で寝るとき教えてあげるからちょっと待っていてくれると嬉しいな。」
「ムー分かったんです!今日は寝かせないんです!」
だからどうしてR指定に持っていくような発言を放ってくれるのかな?!と言うことで、キノコは回収して異空間に保存してもらいました。
「何がどうなっているんだ?」
「私が説明しますわ。アマミさんは物を消したり表したりすることができますわ。」
「何それ?お姉様よくわかりません。」
うーん、若干違う気がする。
「この家だって仕舞えるんです!」
「仕舞えるとはどういうことですか?」
ややこしくなってきたぞ?
「シャロルさんの発言に補足します。アマミちゃんは物を消すと言うよりかは物を異空間に保存することができます。逆に物を引き出すことも出来ます。僕はそれを異空間魔法と呼んでいます。」
「異空間魔法だと?そんな魔法、オラクル子爵家でも聞いたことがないが。」
「うーん、命名が大雑把なのでもしかしたら同じような魔法が存在するかもしれません。異空間を作ったりそれに物を移したりする魔法はご存知ありませんか?」
「無いと断言するにはまだ早いかもしれないけど、私の知る限り無いわ。貴方は知っている?」
「いや、確かに想像上は考えられなくもないので有ってもおかしくはない魔法だが使えるかどうかは別問題だ。シャロル?前強力な魔法が使える生徒が編入してきたと言っていたが?」
「勿論このアマミさんですわ!何れは私がアマミさんを倒して差し上げますわ!」
やっぱり変な戦闘心燃やしてるよ!アマミちゃんは喧嘩は嫌ってるからね!
「それに先程調べていましたが、アマミさんは魔女である可能性が出てきましたわ。」
あ、やっぱり家族には言うんだ。情報漏洩が心配だな。
「魔女?」
「貴方。先ずは夕食を食べ始めましょう?冷めてしまいますわよ?」
「お、そうだな。」
と言うことで、夕食を奢って貰っています。