プロローグ
ここはアルメニア大陸にある辺境の村クルトン。
今日はとある儀式が執り行われていた。
神力の義。
その名の通り神の力、スキルを授かる儀式だ。
15歳を迎えた者全てがこの儀式を受ける。
スキルとは特別な能力。
この力を得て英雄になった者魔王になった者と様々な形で歴史に名を残した者達。
少年少女はこのスキルに夢を希望を抱く。
その一人にレインという少年がいる。
年齢相応な体格に幼さの残る顔立ち。
そんなレインにも夢がある。
世界に名だたる冒険者となる事だ。
その為には有能なスキルを授かる必要があった。
場所は村の教会。
創造神ゼロスドを崇めるこの教会は普段は閑散としている。
しかし今日という日だけは村中の人々が集まっていた。
「次、レイン」
「はい!」
遂に順番が来たレインは緊張して神父の前に膝まずき両手を合わせる。
目映い光がレインを包みやがて身体に吸い込まれるように光は消えた。
「そなたの授かったスキルは【チキンハート】じゃ」
「チキン………ハート?神父様そのスキルは一体どんな物なのですか」
聞いた事のないスキルに期待そきて不安がよぎる。
「それは………」
神父の言葉にレインは絶望した。