【姫接近中】
三月五日が、彼女の誕生日。
三月十一日に、お祝いの記念撮影。
ヴァレンタインから、距離をさらに縮める。
毎日、運命の乙女である女性給仕者を想う。
会える日も会えない日も彼女の事を考えている。
求婚の言葉を、頭の中で、こねくり回す日々。
三月十一日にも、色々話しを聞かせてもらう。
未来についての展望を、脳内に思い描く。
その二日前、未来予想を脳内展開していた。
運命の少女と歩む未来を、思い描いていた。
人間社会を革命する方法を、選定していた。
平和的穏健な人類駆逐手段を思考していた。
そんな時、戦闘ロボットに声をかけられた。
「!まさおさま!」
はっきりと、名指しされる。
手には、刀が、握られている。
満面の笑みで、挑んでくる綺麗な眼光。
武器所持の軍事用ロボが、戦闘態勢をとる。
思考を、給仕者乙女から目の前に切り替える。
未来予想図を思い描く事は、想像や幻想の類。
幻想から、現実に、脳内移行した。
ファンタスティック(extremely good)。
素晴式現実世界。
幻想的現実世界である素晴式世界。
軍事用戦闘ロボットと、戯れる。
それは、まぎれもない現実。
(実は、ジツワ、実話)
聖地であり聖域。
ここは、そういう場所。
昔も今も、そして、将来も。
日本橋は、『にほんばし』。
『ポンバシ』とも呼ばれる地域。
概念喫茶の集積地。
コンカフェが、軒並み揃えている処。
メイドやアイドルに巫女や人外の給仕者達。
そして、お嬢様達の少女達が、多数生息中。
西日本における最大規模の現実幻想社会。
文化水準で、東日本の秋葉原を凌駕する。
つまり、全宇宙で最高峰の幻想世界。
それが、大阪の『日本橋』。
アイキスで、ゆら給仕者と再会する。
「あっ、まさおさま、久しぶり」
「一昨日、リトちゃんといるところ見たよ」
「……気づいてたんだ」
「気づいてた」
「そうなんだ、気づかれてないと、思ってたよ」
給仕者から、声をかけられない限り、声をかけない。
なんとなく的な、暗黙のルール。
基本的に声かけされるのを待つ。
メイド達に、連絡先を聞かないし、教えない。
基本連絡方法は、ツイッターのみ。
DMとは、ダイレクトメッセージ。
それに関しては、各店舗で、決められている。
完全不可、返信不可、時々可能、etc。
メイド喫茶の中には、明文化されてる所もある。
メイドに触れない、連絡先の交換をしない、他。
基本的には、『メイドの嫌がる行為をしない』。
メイドの気持ちが、最重要。
心が、大事であり、放たれる言葉が、重要。
実際に、会って話しをするのが、基本。
ツイッターで見かけて、会いに行く場合も多い。
今回は、そんなケース。
彼女と初めて会ったのは、2016年勤労感謝の日。
京都のMKタクシードライバーで働いていた時。
たまたま、昼間に京都から大阪までの御乗客。
その時、昼食を食べに、御帰宅した。
悪魔のお屋敷に御帰宅した。
そこで、ゆら給仕者と、初めて遭遇した。
その存在は、ツイッターで確認していた。
出会ったのは、悪魔のお屋敷。
そのお屋敷も、今は、もう無い。
この世から、消滅したお屋敷。
オーナー氏が、復活する目は、無い。
例え復活しても、死因が、存在する限り無理。
メイドに対する嫌がらせをした事の報い。
警察や労働基準監督署などからの社会制裁。
自業自得。
ゆら給仕者が、新しいお屋敷でお給仕する。
その情報をツイッターで入手した。
さっそく、そのお屋敷に足を運ぶ。
再び彼女と会って、お話し出来た。
待ち受け画面を見て、ゆら給仕者が、声を出す。
「ゆいさんだ」
二年ほど前、奥方様になられた給仕者。
ゆら給仕者の同僚で仲間だった給仕者。
少女の画像が、待ち受け画面に設定されていた。
壁紙に設定する時、彼女は、言った。
いつでも誰か他の女性に変更してくれて良いと。
良い女が、いたら、変更してくれて良いと。
謙虚で奥ゆかしき大和撫子少女。
その時、誓った。
設定変更する時は、命を捧げる相手だけ、と。
そして、その時が、来た。
ゆら給仕者に、壁紙設定変更する事を伝えた。
その夜、二年と少しぶりに壁紙の設定を変更した。