終わりで始まりの物語

【男逢少女】『３』

男の夢は、『世界（せかい）聖福（せいふく）』。

子供の時に、「せかいせいふく」と、言った。

だから、世界を征服し、聖福にする。

それが、正しい男の存在理由（レゾンデートル）。

神聖なる幸福で、世界を満たす。

破滅未来（ディストピア）を、平和な聖福未来（ユートピア）に。

その為に、手段方法を厳選（げんせん）する。

すべき事は、歴史を、閉（と）じる事。

人間哺乳類（じんるい）の人類史（じんるいし）を終焉（しゅうえん）する。

出来るだけ平穏（へいおん）に、終わらせる。

新しい世紀の幕を開ける為に、閉（し）める。

新しい歴史を、紡（つむ）ぐ為に、決着をつける。

黙示録（もくしろく）【apocalypse（アポカリプス）】の運命を、決定する。

禍（わざわい）を、福とする聖書（せいしょ）最終章（ハルマゲドン）を現実に描（えが）く。

幻想（ファンタジー）世界（ワールド）と現実（リアル）世界（ワールド）を、同期させる。

電脳（サイバー）世界（ワールド）の平行（パラレル）世界（ワールド）で、並航（パラレル）同一化（アイデンティティ）を計（はか）る。

奇跡を起こすのに、必要なのは、愛。

必要にして充分条件が、愛。

愛こそ全て。

特に恋愛の力（フォース）は、無限の力（フォース）。

恋とは、狂気であり、異常（アブノーマル）にして已上（いじょう）な力（フォース）。

恋は、なるモノでなく、おちるモノ。

恋に落（お）ちる／堕（お）ちる／墜（お）ちる／陥（おちい）る。

恋をするとは、深淵（しんえん）に、飛び込む行為。

正気（しょうき）の沙汰（さた）とは、思えない。

命（いのち）を懸（か）ける行為。

恋愛とは、命懸けの賭事（ギャンブル）。

だからこそ生きている喜びを、味わえる。

初恋をして失恋し、精神的に、《ヤ》んだ。

それから、いくつか恋をした。

やがて、普通に結婚し、離婚した。

精神的に、《ツ》んだ。

そこから、復活できたのは、恋のおかげ。

二週間程で、終局を、迎えた恋。

だが、生きている事を実感させてくれた。

まだ生きている事を思い出させてくれた彼女。

その相手【夕（ゆう）ぐれの湖】に、感謝。

京都大阪は、銀河系のみならず宇宙の中心。

その本場ポンバシである日本橋なんば周辺。

幻想（ファンタジー）と現実（リアル）が、共存し融合している世界。

男は、そこで、悪魔と王女に出逢った。

多くの給仕者（メイド）達や乙女（メイド）達と出逢った。

そして、運命の少女（メイド）に出逢った！

運命の賽（サイコロ）を委（ゆだ）ねる恋愛の少女神（メイドめがみ）。

名前は、『ラヒ』！

『めがみラヒさま』！

【誕生前夜】につづく