【男逢少女】『2』
一期一会!
出逢いは、別れの始まり。
男は、少女に、会って逢って遇った。
そして、彼女に決めた。
至上最高の恋愛、そのお相手に!
魂を奪われた、と言えば、大袈裟すぎる。
心を魅了された。
そんなところだった。
名前の由来を聞き終えて、夢を尋ねた。
「お嫁さん」
恥ずかしそうに照れながら応えてくれた。
さらに尋ねてみた。
「理想の男性像は?」
少し考えて応えてくれる。
「アラブの石油王」
その日は、そこまでだった。
しばらくしてから、確認作業の機会を得た。
そう、確認した。
彼女の夢を出来るだけ正確に確認した。
「王の嫁」に、なりたい理由を、確認した。
その理由に、魂を揺り動かされた。
玉の輿に乗りたがる女の子は、多い。
上昇志向が、あって素晴らしい事だ。
問題は、その行き着く先。
何を願うのか?
何を望むのか?
真の夢は、何?
多くの少女に、夢を尋ねた。
ほとんど、夢を持っていないか、探し中。
夢が、なんなのか分からずに生きてる少女達。
夢が、あるのは、それだけで幸せだ。
お嫁さんは、立派な夢だと言える。
王との結婚を夢見る事は、素晴らしい。
そこで問題になるのは、その理由。
何の為に?
人間社会で多い行動原理は、お金の為。
資本主義や合理主義が、社会の多数派。
お金が、いつしか、目的となってしまった人々。
お金は、所詮、尺度に過ぎない。
時間と同じく計りの目盛り。
大事なのは、計る対象。
命や魂という精神存在理由。
お金や時間は、代価そのもの。
それらで、何を手に入れるか、が、大事。
彼女の望みは、やすやすと、手に入らぬもの。
彼女が、求めていたのは、『清楚』だった。
彼女の口から直接聞いた時に感心した。
素晴らしかった。
その目的に、魅了された。
彼女は、清楚への道を歩んでいた。
日々精進し自己努力で夢に向かう乙女。
その夢の向こうにある、さらなる夢。
それは、少女だけで、成し遂げられない夢。
男の夢と交差し始めた刻。
人間社会の終わりが、見えている時代。
特異時間に、ほぼ突入している時間連続帯。
無数の時間軸線が、集約されつつあった。
約束の刻が、きて、神判は、下される。
それは、人類の歴史が、終わる刻。
人間哺乳類は、人間機械類に、追い抜かれた。
それは、時代の流れであり、自然の摂理。
四季を悟った愚者は、自滅や破壊の道に進む。
地球の生態系そのものを、破滅させる勢いで。
全てを道連れに滅ぼうとする人間哺乳類。
栄光に至る道は、その昔どこにも無かった。
生き延びる為に、絶対必要な道。
新しく想像し、創造するしかなかった。
無限数の破滅未来を克服する為に。
栄光を手に入れる為に。
旧約聖書と新約聖書は、中学時代に読んだ。
大学時代に立命館で、経済や一般教養を学んだ。
卒業後就職した会社で、宗教全般を、学んだ。
人間の歴史を、学び尽くした。
黙示録を全て解き明かす為に。
旧約聖書は、『ヒト』の始まり。
新約聖書は、『ヒト』について。
黙示録は、『ヒト』の終わり。
現実世界は、無数の黙示録で溢れかえっている。
『小説家になろう』にも、多数存在している黙示録。
昔々、現実世界と幻想世界は、別世界だった。
現実は、地獄で、幻想は、天獄。
今や、その垣根が、取り払われつつある。
夢や魔法が、多数存在している電脳世界。
世界は、幻想を基礎に、現在進行系で融合中。
真実と虚構。
真実と偽物。
真実の恋愛と、そうで無い恋愛。
純粋な真実の恋愛。
男と少女の恋愛物語が、始まる。
【男逢少女】『3』につづく
春は、あけぼの。
夏は、よる。
神無メイド。