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終わりで始まりの物語  作者: まさおさま
2/20

【男逢少女】『1』(終わりで始まり)

Man Meets Maid.


男は、少女に逢った。




十一月十九日に初めてすれ違った。


その二日後に、また、すれ違った。


それからしばらくしてすれ違った。


バーテンダーの少女とすれ違った。




男は、カウンターに座らなかった。


常にソファ席のどれかに座っていた。


メイドとバーテンダーもいる、秘密のお屋敷。


大抵の場合、メイドに、お給仕された。


彼女は、カウンターの向こうにいた。


酒類の提供を、おこなうバーテンダーとして。




男は、酒を飲まなかった。


飲めない訳では、なく、飲まなかった。


以前の職が、エムケイタクシー運転手ドライバー


特に必要性も無く、飲まなくなった。


十年十ヶ月の運転手ドライバー歴。


その名残なごりで飲まない。


だから、男と少女は、すれ違う運命。


そのはずだった。




すれ違い続けた、男と少女の世界。


二つの別世界は、ついにまじわる時を得た。


世間は、師走しわすあわただしさ。


男と少女は、何度か顔を合わせている関係。


つまり、顔見知りの間柄あいだがらになっていた。


しかし、じっくり話した事は、無かった。


そして、ようやく話し合う機会に、めぐりえた。


ついに、少女バーテンダーが、男に話しかけた。


名前は、お互いに、知っていたが、名乗なのり合った。


男は、少女に名前の由来ゆらいを聞いてみた。


それは、気になっていた事だった。


気になるめずらしい名前。


この界隈かいわいで初めて聞く名前。


この星で、滅多めったにない名前。




いただいたり、りたりした名前では、無かった。


架空かくうの動物達を総称する名前でも、無かった。


なんとなく、つけた名前では、無かった。


他の誰でもない自分自身を表現する名前。


考えに考えて、彼女自身が、命名した名前。




そして、男は、少女の夢を、ききとった。




【男逢少女】『2』につづく








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