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魔道電動シティ探偵社  作者: 神山 信
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情報屋と依頼人

賑やかに人が操る機械の群れが透きとおる空を心地好く走る。


交通ルールを仕切る赤き光と蒼き光が休む暇なく目を輝かしている。


地面から高く聳えるビルの木々たち…


本物の木々はというと…町の中心にある大きな『クルギノ木』が植物たちをリードする…植物園のみ。


動きまわるその植物たちの姿を電柱から遠目で鋭く見つめるカラス…

そのカラスから送られてくる映像をジャズの音に溢れる喫茶店、その奥でパソコン越しに眺めている二人の人間。



「やっぱり、クリギノ木(あの子)が本体ね。」



「っていうと…どうしたらいいのでしょうか?」



心配でオドオドし目の前の少女を見つめ、アドバイスを求める青年。

窓際の席に座る少女は何も言わず、手元に置いてあるグラスに入っているコーヒーをただかき混ぜるだけ。




「大体、貴方たちの会社って相変わらずなのね。まったく、いい?私の仕事あくまでもここまで、この後は別料金…0Kかしら?」



少女の言葉を聞いて頷く依頼主の男。



「かしこまりました。データカード(ウイルス)回収ですね。少々お待ちください」



そう言うと少女は、パソコンに内蔵されているマイクに向かって喋った。



「カ~君、聞いた?回収だって…いつも通りにお願い。」



『カ~か~』



少女は、手前にあるノートパソコンを静かに閉じて目の前に居るオドオドした依頼人に目を向ける。



青年は、額から流れる汗を振るえる手で、持っていたハンカチで拭う。



会社で秘密裏に実験開発していた細胞促進剤(ウイルス)あろうことか、外部に漏れその尻拭いをしなければならないとは...




「それにしてもひどい話だねぇ~。

会社全体のミスを負わせて、マスコミに知らせぬように片付けるなんて泣けてくるわぁ~


安心して、私が責任を持って回収しますから、こちらの紙にサインして下さい。」



青年は恐る恐る取り出された紙に目を通し我が目を疑う。



請求金額の0が一、二、三…



「あの~これ…まちが……」



『カ~ッァ  カ~ッァ』



お店の外からカラスの声が青年の耳まで伝わる。

少女は優雅にコーヒーを飲み、またノートパソコンを開く。



「ご苦労様、カ~君♪…ご依頼の任務、成致しましたよ。何か?」



「十万っていうと割り振りってどのようになっているのですか?当初の値段では確か...」



「はい?

当初のご依頼は、カードの行方を知りたいと言う依頼で私の所(情報屋)まで来ましたよね?

その時に提示した金額の三万はあくまでも情報提供料。回収は別料金、本来の回収は情報屋()の仕事では無いの

…危険も伴うからね、よろしくて?」



「はぁ、お金の方はこちらでいくらでも出しますが問題のカードはホントに?」




半信半疑の乾いた目で請求証から視線を移す。


相手は、まだ中学一年生ぐらいの少女。普通、大事な物を取り返したから信じろなんて無理な話。




…だけど、ここは魔道電動シティーだ。



実力と技術など兼ね備えていたなら年齢は関係ない世界。青年はそう言い聞かせた。




「言うより、現物をお見せした方が早いですしね」



少女は何を考えたのか、いきなり後ろを向いて窓をガラッと開けた。そしてパタっと黒いカードが上から落ちてきた。



「これがご依頼のものです。」




ニッコリと微笑む少女の掌には、青年が求めていた代物であるデータカード(ウイルス)だ。




唐突に理解する。

年など関係ない『本物』の凄さを。


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