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幸せ

作者: おなご。

あなたの幸せとはなんですか?


僕の夢の中にはヒーローがいた。

笑顔を絶やさない、正義のヒーロー。





4月、桜が散るころ

みんなが言う出会いの季節

でも僕は出会いなんて求めちゃいない

だってもしいい人に出会ったとしても、信じられないんだもの


人を信じるって事が苦手な僕に対して

友達なんて言う存在は必要なかった


それでもやっぱり1人は寂しい

イジメの対象にもされてしまう

だから僕は見せかけだけの友達を沢山作った

1人にならないように

寂しい思いをしないように

ただ僕は

作った友達を利用しているだけだった


こんなつまらない毎日を送る僕は

いつもこう思っていた

"夢に出てくるヒーローになりたい"

みんなから頼られて、

みんなを笑顔にすることが出来て

自分も毎日笑ってる

そんな幸せそうなヒーローが

羨ましかった


僕にはこれと言ったみんなが羨ましがるような特技はない。

運動も普通

勉強も普通

コミュニケーション能力を普通

普通の僕だった

普通の生活をする普通の僕

つまらなかった

アクシデントが欲しかった

ヒーローみたいに悪者が出てきてそいつを倒す。

そしたらみんなが僕を囲んで称えてくれる

そんな生活がしたかった

そんな生活を望んでいた




ある時僕はヒーローになった

夢の中のヒーローになれた

嬉しかった

これでやっと楽しい生活が出来る

そう思っていた

けれど僕は

心から笑顔になれることが出来なかった

自分を活躍させるため、悪人でもない人を悪人してした。

幸せなんかじゃなかった

話ができる人がいなくて、

たまに話しかけられたと思ったら自分のためにこれをやってくれ、私のために代わってくれ

そう頼まれるだけだった

みんな自分のためだった

「願いはなにか」

そう聞かれた時

昔ならヒーローになる事

そう答えたと思う

けど今は

"昔の生活に戻りたい"

心からそう思っていた

友達と話して

勉強して運動して

家族と笑って夢を見る

そんな生活に戻りたかった


「正義のヒーローは本当に幸せか?」


『違った、ちっとも幸せじゃなかった』


「人に幸せを与え、ずっと笑顔で居られる事が本当の幸せか?」


『違う、ヒーローは、寂しかった』




目が覚めた

長い長い夢を見ていた

僕は病院にいた

家族から話を聞くと僕は交通事故に遭っていた

意識が戻らない間僕は

あの夢をずっと見ていたんだ


僕が病院に運ばれた次の日、

真っ先に見舞いに来てくれたのがいつもの友達だった

すごく心配していたって。


本当の幸せって、こう言う事なのかな


そう思った。


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[良い点] 幸せそうなヒーローが [気になる点] ヒーローは、寂しかった [一言] あの夢
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