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おぼろげな夜空に欠けた月  作者: シロクロ
1/2

物語は唐突に

「………………………………」


  人は忘れてしまう彙き物だ。


  みんな忘れてしまう。


  子供の頃の夢、友達の顔、

  家族の絆、犯した過ち…。


すべて水道から垂れ流しになる水のように

  自分の意識の中から、人を形成する一部から

  先の見えない暗闇へと流れていく。


  なかったことにしてしまう。


  ゲームオーバーした後のコンテニューみたいに。


  やり直そうとしている、すべて忘れて。


  大切なのは昔ではなく、今、そして未来。

  繋がっている筈なのに、初めて会った赤の他人

  と会話している。

 


  それが悪いことなのか僕にはわからない。


  でも僕はそれがとても羨ましかった。

  僕は砂漠の中で水を渇望する彙き物だ。

  決して叶う筈がない夢を見ている子供。



  僕は忘れたかったのだ。

  脳裏に焼きつくこの記憶を、

  彼女と過ごしたこの1年を。


  やり直したかったんだ、ごく普通の日常を。

 ―――――――――――――

  ―――――――――――――


  2010年 8月

  そして物語は唐突に始まった。


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