文字の世界
言葉→葉っぱ→理科の授業(葉っぱが落ちて腐葉土になり、虫が食べて養分になり、雨に溶けて降り注ぐ)→そうか葉っぱのように言葉は自分の下(木)を離れてどこまでも遠くに行くってことだ。言葉には気をつけよう。と国語の時間に教室の窓の外を見ながらボーっとしていた小学生のころの記憶から、作成。
川を流れていくのは、長文だったり、一文字だったり単語の集まりだったり…。
川を流れていくのは、文字だ。
日本語以外にも、アルファベットや、見たことも無いような文字が流れていく。
雨や雪のように落ちてくるのは、文字だ。
こちらには、川を流れる文字にはない音がある。
地面に落ちた文字が集まり、植物や木や岩や砂になっていく。
できた実の中には、言葉が詰め込まれていたりする。一言のためだけに、大きな木を作る文字もあれば、小さな雑草にわんさか言葉を作る文字もある。わざわざ天敵である虫や動物や菌を呼び寄せては、言葉の胞子を吐き出し子孫を残す文字もでてきた。
そのうちに生まれた人間は、自分の体内で文字を操り、音だけを吐き出す機能を持っていた。音を吸い取られ、不要となった文字は排泄される。音を奪われた文字は、川を流れ海に出て雲になっても音を取り戻すことは出来ず、ただの文字として雨や雪になり落ちてくるようになった。
科学が発達し様々な研究が進む人間の世界で、あるとき大きな発見があった。今まで、全てのものは言葉で構成されていると思われていたが、研究の結果、全てのものは文字で出来ていることが発見されたのだ。
人間は、文字を並べ替え、新たな言葉を作り出すことが出来るようになった。
違うところに連想ゲームしていく癖が抜けない。