表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/18

第七話

「あれは……ドラゴンっ!?」

 外に出た風哉はそう呟く。そして、森で出会ったドラゴンであることに、少し経ってから気づいた。


「何で、こんな所にドラゴンがいるの……」

「急ごう。早く止めないと街に甚大な被害が出るよっ!」

「そ、そうね。早く行きましょう」

 ここは、街の端の方であるため、まだ被害は少ない。だが、被害が出るのは時間の問題なのだ。


「あなたは逃げてもいいのよ? 騎士に見つかると面倒よ?」

「僕が逃げる、だって? ご冗談を、街がこんな状況で逃げるなんて、そんな格好の悪いことするわけ無いだろ?」

「そう……、なら死なないようにねっ!」

 二人の前に三人の騎士が現れる。


「おいっ! お前ら、この騒ぎに乗じて脱走したのかっ!」

「おい、今はそんな場合じゃない。放っておけ」

「いや、そんなわけにはいかないだろう。何をしでかすか分からん。捕まえておいた方が良いだろう」

「邪魔よ! 通らせてもらうわっ!」

 女はそう言って、そのまま通っていく。風哉もその後ろを着いていくが、何もされなかった。


「なあ、何をやったの?」

「魔術を使ったのよ。殺してはいないわ」

「なるほど、後、騎士を殺すのは不味いだろうから、殺さない方が良いと思うから良い判断だよ」

 二人がドラゴンの元に着いた頃、戦況は良くなかった。まず、一般的な騎士や兵士では、歯が立たない。よって、戦えるのは、一部の者だけだが、そんな者達ですら、殆どダメージが入らない。


「まずいわ。完全に押されてる」

「でも今、攻撃すると、人を巻き込んでしまう」

「こうすればいいのよ。……総員っ! 聞きなさい、死にたくない者は、今すぐ下がりなさいっ!」

 そして、少し経った後、


「喰らいなさい……“プルグランデ・グラキエス”」

 女の放った氷は、ドラゴン目掛けて飛んでいくが、ドラゴンは火の玉を吹き、氷を無効化した。


「そんな、あんな火の玉を吹くドラゴンなんて、聞いたことないわよっ!」

「一旦下がってて、今ので、ドラゴンが完全にこっちを狙ってきてるよ。特に君に」

「上等じゃない。絶対に凍らしてあげるわ」

「ま、まあ、落ち着いて。僕が隙を作るから、それまで攻撃したら、駄目だよ」

「……分かったわよ」

 風哉は前に出て、魔道具の一つ、超風のちょうふうのおおぎを取り出す。因みに、風哉が、持っている魔道具は、七つある。

 そして風哉は、走ってドラゴンに近づきながら、飛躍する。


「こっちだっ! 馬鹿ドラゴン……“カミフブキ!”」

 風哉はドラゴンの顔の前で、扇を振る。すると、黄色いたくさんの粒が宙を舞う。

 この技は、顔の近くで使うと、その閃光の効果で、幻影が見えるようになる。粒に当たると、電気が流れるのも、隙を作るのに最適な技の理由である。

 しかし、ドラゴンはそれを喰らうとすぐに、火の玉を吹いた。ドラゴンはそうすれば、風哉に当たるだろう、位の気持ちで撃った。しかし、風哉からしてみれば、後ろが街であるため、

避ける訳にはいかない状況なのだ。


「くそっ、間に合え……」

 風哉は魔力操作“反射”を使おうとしたが、無理だと判断し、

風魔法の“暴風の狂乱”を使う。しかし、完全に火の玉を消すことは出来ず、風哉にかなり小さくなった火の玉が直撃する。

 火の玉を食らった風哉は、小さい瓶を取り出し、中の液体を一口だけ飲む。

 そして、風哉の視界は光で埋まっていく。


「やあ、久しぶりだね。シェリア、早速で悪いけど力を貸してもらうよ」

「久しぶりに話しますのにどうしていきなり本題に入るのですか? 契約者様は、相変わらず、せっかちですね」

「今は、戦闘中なんだ。そう言うのは後にしてほしい」

「仕方ありませんね。了解しました」

 次の瞬間、風哉は光に包まれた。そして、やけどや傷が無かったかのように少しずつ消えていく。


「来い……! “ラブンソル”

契約に従い、強欲たる我が身に力を宿せっ!」

 宙から剣が出てくる。風哉はその剣を手に取ると、片手剣サイズだった剣が五倍ほどの大きさになった。


「喰らえ……“雷神の慈悲!”」

 風哉が放り投げた剣が、回転しながら雷光を発し、ドラゴンを切り裂く。


「今だっ!」

風哉は大声で叫んだ。その声が届いたのかは、風哉には分からないが、女は魔術を撃つための詠唱に入っている。


「今度こそ……! “プルグランデ・グラキエス”」

 女の放った氷が、ドラゴンを吹き飛ばしながら、凍らせる。

その時、別の人も同時に氷を放っていた。

 ……風哉を狙って。だが、それに気づいたのは、女一人だけであった。

 氷は、風哉に当たったのだが、その直後、再び風哉は光に包まれて、風哉はすぐに回復した。


「何者よっ!? さっき氷を放ったのは!」

 女はそう言うが、誰も名乗り出ない。当然だろう。既にそちらの方向には居ないのだから。

 そのすぐ後、女は殺気を感じて、屈む。危機一髪躱したもののフードが斬られてしまった。


「っ! 誰!?」

「よう、私だよ。やっぱりアンタか……せっかく、牢獄の中に閉じ込めておいたのによぉ。どっかの誰かさんが逃がしやがって。

とりあえず、アンタの顔見た奴は皆殺しだよっ!」

 そう言ったのは、風哉を捕まえた女騎士であった。そして、

フードが斬れて顔の見えた女の顔は……。

 女騎士にそっくりだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ