第二話
「これは今日は野宿かなぁ」
犬の獣を倒した風哉だったが、雷光をみた獣がどんどん集まって来て、向かってくる全ての獣を倒した風哉は、獣を解体したが、作業が終了した頃には既に、辺りは暗くなり始めていて、これから移動するのは危険だった。
「短剣の通っていった後の、衝撃の影響で地面が抉られているとこなら、魔物は寄ってこないと思ったのになぁ」
しかし、結果は逆であった。雷光をみた獣や、雷鳴を聞いた獣が、近づいて来たのだ。風哉はここは異世界で今までとは違うこともあるのだと、心に刻んだ。
「仕方が無い。護衛系魔道具“衛星の剣”」
三つの剣が、風哉の回りを飛び回る。魔道具は、貴重な物だが、
これは魔力の消費も激しく、単純に自分に害を為しそうな者を攻撃しろという、簡単な物しかこなせないため、使い道は少ない。
せいぜい、こういう野宿の時に役に立つ程度だ。
明日こそこの森を抜けようと思い、風哉は眠りにつくのだった。
☆☆☆☆☆
朝、目を覚ました風哉は、持ってきていた食料と水でお腹を満たして、進み始める。
歩いていると、地面に穴が空いているのを発見した大きい穴では無かったが、手が入るぐらいの大きさはあったので、風哉は石の穴の中に入れてみた。すると……
「……どうなったんだ?」
石が地面に着いた音がしない。一つだけで無く、五個ぐらい入れたので、全く音がしないというのはおかしい。
そこで、風哉は手を入れてみた。すると……
「えっ、なんだこれっ!? 何が起きて……」
手を入れると、何かに引っ張られるような感覚が来てその後、頭がボッーとするような感じがし、気がつくと風哉はさっきまでの森とは全然違う、草原に来ていた。
「何なんだ、ここは……?」
こんな所について、あの男は全く何も言っていなかった。あの男が騙したのか……? と、風哉は考える。しかし、答えが出るはずもなく、取りあえず、風哉はここはまだ、知られていない場所なのだろう、と納得する事にした。
「それにしても、また訳の分からない場所に来てしまったな。ここから見ると、近くに街は無さそうだ」
と、今までなるべく考えないようにしていた事実が発覚して、風哉は落胆する。
「どれだけ人里から離れた場所に転移させたんだよ、あの男は」
そう愚痴っていてもどうにもならない。その事は、風哉には分かっているのだが、どうしても愚痴がこぼれる。どうせなら、街の中に転移させてくれたら良かったのに、と。そんなことを思いながら歩いていると、階段があった。地下に続いている。
「もしかして、地下に行かないといけないのかなぁ。地下が暗かったら進めないよ?」
そう考えるが、風哉は取りあえず行ってみようと思い、地下に進んで行った。また先程と同じような感覚を味わい、いつの間にか、
洞窟の中にいた。
「どうなっているんだここは……」
風哉は、そう考えるが、そんなことをしている暇はないと思い、進み始める。
しばらく歩いていると、剣を持った骸骨の魔物が三体風哉に向かって突っ込んでくる。
しかし、洞窟は、そこまで広くなく、むしろ一人でも剣を振り回すのには狭いと思う人もいるかもしれない位の広さでは三体が、好き勝手に動くことは出来ずに、風哉は剣で骸骨二体を斬り裂いた。
「何なんだ、此処にいる魔物達は皆、馬鹿なのかな?」
自分達の世界の魔物はもっと賢かったぞ、と風哉は思うが、結局、こっちの方が楽でいいやと風哉は結論づけた。
そして、もう一体も剣で斬る。
「ん……? さっきの二体の死体が消えてる」
そう風哉は思うが、その理由は次の瞬間分かってしまった。最後の骸骨も消えてしまったのだ。
「うわぁ、これって僕も死んだら、ああやって消えていくのかな?
嫌だなぁ。死にたくないなぁ」
風哉はそう考えていると骨が三本落ちているのを見つけ、拾った。
「これって、さっきの骸骨の遺品? かなぁ。死んだら皆、骨一本になるのかな?」
その考えは、その後出てきた虎のような魔物を倒したときに爪が残っていたことで否定されるのだった。
そうして進んでいった先に、またしても階段があるのだった。