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9.中ボスは自分からやって来る

「やったじゃないか、柄武」

「いい条件を引き出したもんだねぇ」

「いやほんと、今になってみれば本当にただのラッキーだったとしか思えませんよ」


 おもちゃ屋『いこい』の談話スペース内で、それぞれ飲み物片手に、情報部の面々は談笑をしていた。

 時刻は放課後、本日のメニューは全員での実機練習だ。


「あ、あの。その話、私達も聞いちゃってるんですけど」

「いいんスか? 大分先輩達の個人的事情に踏み込んでる気がするっスけど」

「だってさ、二人ともどう思う?」

「別に構わないよ」

「ですね。別に困ることじゃない」

「そ、そうですか。でも、あの……」

「どうかした?」

「あの、普通、こういう話って優勝を賭けてやるんじゃないかなって……」

「あと、部の存続を賭けたりするっスね」


 初佳の言葉を水喜が繋ぐ。それに京輝が答える。


「まあ、廃部に関しては、あんまり賭ける意味がないからね」

「どうしてっスか?」


 その疑問には柄武が答えた。


「紫陽、今、俺達はどこで活動してる?」

「ああ……たしかに、私達は部活という形に拘らなくてもいいっスもんね」


 自宅のパソコンがあって、たまに初佳の父が部屋を貸してくれれば、クロスティールは部室がなくても十分続けられる。

 極端な話、情報部が無くなっても柄武達はそれほど困らない環境を手にしているのだ。賭けの対象としてはちょっと弱い。


「鈴鹿先輩もその辺がわかってたから言い出さなかったんだろうねー」

「じゃあ、どうして優勝を条件にしなかったんでしょうか?」

「そこが、鈴鹿先輩の甘いところさ。本心とも言うかな」

「心の弱さだね」

「ですね。優勝しろとも言い切れず、俺の妥協案に乗っちゃう辺り、説得される気全開というか……」

「そ、そんなはっきりと……」

「容赦無いっスね……」


 尊敬する上級生に対してあんまりとも言える評価を次々と口にする先輩達に、一年生二人は戦慄した。


「ともあれ、これで決勝まで勝ち進めば、私達は勝ったようなもんだ」

「ええ、鈴鹿先輩のことです、ゲーム画面を見た瞬間、溜め込んでいた欲望が爆発して居ても立ってもいられなくなるでしょうね」

「間違いないね」

「先輩達、喜ぶのはいいっスけど、一つ間違ってるっス」

「?」


 咎めるような口調で水喜が言った。


「決勝も、勝つっスよ!」

「そうです。どうせなら、優勝しないと!」


 優勝。その言葉をあまり考慮に入れていなかったことに、柄武は今頃気づいた。

 そうだ、確かに自分達の目的は鈴華との交流を取り戻すことだ。だが、それは情報部に所属する生徒としての目標だ。

 ブレイブゲイルと戦い、昨年の借りを返す。

 ゲーマーとしてこれ以上ないくらいの目標だ。決勝戦は、それを果たす舞台として申し分無い。

 昨日の鈴華のことばかり気にしていて、大事なことを見落とす所だった。


「そうだな。どうせなら、去年の借りを返したい」

「あっはっは。そうだね、どうせなら勝ちたい!」

「僕も皆が勝つところをみたいね。……さて、そろそろ練習再開かな?」


 そういって京輝が席を立った時、初佳が疑問を口にした。


「そういえば、少し前に、ここと妙にマッチングするチームがあったけれど、最近当たりませんね」

「ああ、そうだね。飽きたのかもしれない。けど、腕前的に良い勝負だったから、練習相手がいないと残念だね」

「向こうもカスタム無しのメーカー機だったから、私達と同じで調度良い練習相手だと思ってくれてたんじゃない?」

「だとすると、そろそろ試合用の機体の調整に入ったってことっスかね?」

「私達も、オフラインで調節を始めないと……」


 それぞれが好き勝手に感想を漏らす。クロスティールの機体調整は基本的にオフラインの環境で機体を動かしながら行う。機体の性能を少しでも隠すため、当然の行為だろう。

そして、オフラインでの調節というのは柄武達にとって、深刻な課題だった。弦切からもらったパーツを組み込んだ加野と柄武の機体の調整に手間取っているのだ。


「ああ、例のことだけれど。遅くとも明後日には、動かせると思うよ。今夜、僕が頑張れば明日かな?」


 一歩前進だね、と付け加える京輝。どうやら相当頑張ってくれているらしい。


「ホントですか! やった!」

「でも、大変なのはこれからっスね」

「そういうこと。今日はいつも通り、飛天弐型で軽くやって、明日に備えればいいんじゃないかな」

「よし、じゃあ、今日は早めに切り上げるって事で始めよっか」


 加野の言葉を合図に、京輝以外の全員が、筐体に向かった。


 ☆

 

 一時間ほどフォーメーションや連携の練習をやって、この日は解散となった。

 夕日も沈み、街灯の明るさが目立つ時間になっていた。


「それじゃ、柄武はちゃんと初佳を送ってくのよ」

「わかってますよ」

「よ、宜しくお願いします」

「それじゃ、また明日っスー」


 それぞれが帰途に着こうとした時だった。


「お待ちなさい!」


 柄武達の目の前に、一人の少女が走り込んできた。

 見慣れない制服を着た彼女は、急停止をかけ、息を切らせながら言う。

 

 見慣れない制服だが、柄武はどこの学校のものか知っていた。

 子ノ日女子学園。この辺りでは有名なお嬢様学校だ。

 目の前で肩で息する少女を柄武は観察した。

 少しだけ巻き毛気味の、スラっとした体格に少し大分強気な目つきの少女だ。しかし、それほどキツい感じは受けない。

 着ている制服がお嬢様学校のものだからという先入観のおかげなのか、全力疾走で登場という間抜けさのおかげなのか、柄武には判断できなかった。


「はぁ、はぁ。良かった、間に合いましたわ……」

「あの、何か……」

「何しに来たスすか、美帆」


 京輝の問いかけの言葉よりも早く反応したのは、水喜だった。


「何って、決まっていますわ。そちらの方々に、警告しに来たんですの」

「そちらって、俺達?」


 少女が指さした先にいたのは、柄武達、上級生組だった。


「警告って、そんなこと……」

「貴方達二人が何をしたか、ちゃんと教えて差し上げるべきでしょう」


 初佳の言葉を遮り、美帆と呼ばれた少女は、柄武達に言う。


「わたくし、最奥美帆さいおうみほと申します。子ノ日女子学園の一年生で、情報部の部長を務めております」


 直前までと打って変わり、優雅な所作で柄武達に礼をして、彼女はそう名乗った。

 彼女は乱れた髪を軽く払いながら、水喜と初佳を睨んで言う。


「そちらのお二人とは、昨年まで同じ部活でしたのよ」


 それはつまり、彼女もまたクロスティールのプレイヤーだということだ。

 それは同時に、一回戦で柄武達と当たるチーム『おかし工房』のメンバーであることを意味する。


「あの、その部長さんが何か?」


 京輝の問いかけに、美帆は毅然とした態度で答える。


「紫陽水喜と名賀乃初佳の二人とチームを組むのは止めた方が良いと、お知らせに伺いました」

「そりゃまた、なんでさ?」


 加野の問いに、美帆は変わらず品の良さを感じさせる態度のまま、しかし、その目に冷たい光を宿しながら言う。


「この二人のせいで、昨年の私達のチームは崩壊しましたの。皆さんも、そうなりたくなければ、もう一度良くお考えになった方が良いと思いますわ」


 聞いていて背筋が震えるくらい、冷たい声だった。


「どういうことだ?」

「…………」


 柄武の問いかけに、水喜と初佳の二人は俯き、答えない。


「あら、やっぱり話していなかったんですの? そうですわよね、あんな無責任なことをしたんですもの」


 最奥美帆と名乗った少女の水喜達への態度、そこには敵意がありありと浮かんでいた。どのような理由かはわからないが、美帆が水喜と初佳にその感情を向けるだけのことがあったと、想像させるに十分な感情の発露だ。


「せっかくだから、ここで私が皆さんに詳しく話しても良いのですよ? 同じ思いをする人を増やしたくありませんもの」


 どのような理由があっても、自分のよく知る人物に悪意をぶつけられている様を見るのは気分の良いものではない。

 最奥美帆の言うがままに黙り込んでいる水喜と初佳を見ていると、柄武はなんだかむかついてきた。


「いや、話なら、直接二人から聞くよ。ねぇ、京輝先輩?」

「ん、そうだね。こういうことは、本人の口から直接聞いた方が良いだろう」

「あら、そこで黙っている二人が、話してくれるとでも?」


 その挑発に答えたのは加野だった。


「大丈夫だよ、最奥さんとやら。少なくとも、私は聞いてるし」

「!?」


 その言葉に、最奥美帆はこれまでに無い反応を見せた。親の敵でも見るような目で、加野を睨み付ける。


「そう……貴方が……」

「そういうこと、悪いけど、お引き取り願えるかな?」

「……ふん。いいでしょう、ところで、そちらの男性二人は知っているんですの?」

「僕は部長だから、実は大体は把握してるよ」


 京輝は知っているらしい。対して何も知らない柄武は無言で首を振った。


「まあ、貴方は聞かされていないんですの! もしかしてハブられてる? それはかわいそうに……」

「いや、それは多分、違うと思うが……」


 柄武は驚いていた。まさか京輝まで一年生の事情を把握しているとは。ハブられているわけではないだろうが、自分だけ情報から隔離されているのは複雑な気持ちだ。


「ちゃんと聞いた方が良いですわよ。でないと私のように裏切りに……」

「関係無い」

「は?」

「二人にどんな事情があっても俺には関係ない。俺は二人とも、信用に足る人間だと思っている」

「な……。まだ会って一ヶ月も経っていないのに、何でそう言い切れるんですの?」

「ほぼ毎日顔を合わせていれば、大体分かる。こいつらの性格が悪いことくらいな」

「なっ……」


 柄武の後ろで、一年生二人が反応した。後で抗議があるだろうなと思うが、気にしない。


「大会前にこっちのチームワークを乱すためかわからんが、そんなことをしても無駄だよ」

「……面白いことを言う方ですわね。こちらは親切心からわざわざやって来たというのに」

「余計なお世話だ」


 親切心からの行為にしてはこちらはだいぶ迷惑をこうむっている。


「貴方、一回戦で私達と当たることはご存知ですの?」

「一応、承知はしている」

「こんな隠し事をするような人との急造チームで、私達に勝てるとでも?」


 自信満々な態度が気に障ったので、はっきり言ってやった。


「当然、負けるつもりはない」


 ☆


 最奥美帆はその後すぐに、怒りながら走り去った。どうやら、バスの時間が迫っているらしく、ダッシュしていた。

 態度はともかく、意外と面白い奴なのかもしれない。そんな個人的な感想柄武は持った。

一方、一年生二人は落ち込んでいた。


「まー、気にしなさんな。このくらい覚悟の上だったっしょ」


 美帆の来訪で精神的なダメージを負ったらしい一年生二人は、『いこい』の店先に設置されたベンチに腰掛け、加野による精神ケアを受けていた。加野の態度がケアになっているかは謎だが、柄武と京輝よりは適任だろう。


「部長は知ってたんですね」

「加野から話は聞いていたよ。むしろ、僕としては柄武が知らなかったことの方が驚きだ」


 なんで聞かなかったんだい? と言外に語る京輝。


「聞けば話してくれそうだとは思っていましたけど、あんまり他人の事情に踏み込むのも良く無いかなって思いまして」

「柄武。相手が話したがっているなら、聞いてあげるのも一つの選択肢だよ。それで、楽になることもある」

「……そうですね」


 村上鈴華。彼女は、誰にも相談できず、自分の本音を閉ざしたまま、柄武達の前を去ってしまった。自分は知らず知らずのうちに、昨年と同じ事を繰り返してしまうところだったようだ。


「嫌かも知れないけれど、教えて貰えるか? あんなのが来た後だと流石に気になる」


 加野の隣で俯く、一年生二人。顔を上げたのは、初佳だった。


「あ、もし長くなるようだったら、ここじゃなくて改めて……」

「大丈夫です。そんなに長い話じゃありませんから」


 ☆


 よくある話だ。

 水喜と初佳、そして最奥美穂の三人は子ノ日女子学園の中等部で出会った。

 三人の共通の話題はクロスティールで、学校にはクロスティールを主な活動内容とする情報部があった。

 三人は迷わず入部した。


 入ったまでは良かったが、当時の子ノ日学園中等部の情報部は上下関係がでたらめに厳しかった。どれだけ実力があっても上級生が優先的に大会に出場するような部だった。


「それで、ウチらは納得いかなかったっス」


 水喜が中心となり、下級生の下剋上計画が進められた。

 やったことは簡単だ、こっそり大会に別チームとしてエントリーしたのだ。

 そこで偶然、上級生のチームと対戦することになった。

 完膚なきまでに叩きのめした。


 上級生は部を去り、水喜達の時代が来た。


「そこまでは、先輩たちも酷かったから、まあ、良かったと言えるのですが……」


 水喜と初佳、そして最奥美帆が中心になって情報部は変わった。水喜達はもっと楽しく、仲良く部活が出来ると喜んだ。

 ところが、そうはならなかった。


 水喜達が3年生になった頃の情報部は、変わり果てていた。

 とにかくクロスティールが上手い人間が偉い。弱肉強食、常に部内のどこかでギスギスしている部になってしまっていた。

 そして水喜は、その部で部長として君臨していた。

 どうしてこうなったのか、直接的な原因はわからない。初佳は、小さな決定を積み重ねていくうちに、部の方針が少しずつおかしくなったと言っていた。

 とにかく、気付いた時には情報部は楽しくも、仲良くも無い場所になっていたのは間違いなかった。

 

 水喜と初佳は、今更ながらその状況をどうにかしようとして、どうにもならなかった。

 だから、進学と同時に、逃げ出した。


 ☆


 それが、紫陽水喜と名賀乃初佳のこれまでの話だった。

 初佳は当時のことを説明する。眼鏡越しに見えるその目が後悔を滲ませていた。


「結局、勝利至上主義の実力主義の部にしちゃったわけです、私達は。それで、どうにかしようと水喜ちゃんは言ったんですが」


 それまでの方針を翻すような発言が受け入れられるはずがない。なまじそれで上手く回ってしまっていたのなら、なおさら困難だろう。


「それから段々と部内の雰囲気は悪くなって、私と水喜ちゃんは顔を出さなくなって……」

「私と会ったのはそんな時さ。詳しい事情を知ったのは、最近だけどね」

「加野先輩の誘いに乗って、私達はそのまま子ノ日学園の高等部には進まず、ここに来ました」


 初佳は引っ越しの件もあったので、新天地でやり直せるなら望むところだったのだろう。


「あの美帆って子は?」

「中等部の時の副部長です。ずっと私達とチームを組んでいました。裏切った私達を……恨んでいます。高等部に情報部はなかったはずですから、彼女が仲間を募って作ったんだと思います」

「なるほど。大体把握した。しかし、落としどころが無いなコレ」


 友人だと思っていた二人に見捨てられた形になった最奥美帆。彼女がどれだけ失望したのか、想像もつかない。


「うぅ……。そうなんですよ、どうしたらいいんでしょう?」


 どうしようもないな、と言いかけた柄武だが、何とかすんでの所で留まった。ここでトドメを刺すわけにはいかない。


「謝ってどうなるもんじゃなさそうだしなあ、相当怒ってるぞアレ」

「そうなんですよ。私達に非があるんですが……」

「でも、今の方が楽しいんでしょ?」


 加野の横やりが入った。彼女はこんな状況なのに満面の笑みを浮かべている。


「……はいっ。今の方が楽しいです」


 少しの沈黙の後、初佳は彼女にしては強い口調で言った。今の状況に後悔はあっても、迷いはない。そんな感じだ。


「そうそう。それでいいんだよ。楽しくないゲームなんかやる必要は無いんだ。仕事でもないのに、面白く無いのに無理してゲームをするなんて不自然だと私は思うな」

「加野にしてはまともな意見だね」

「あん? 私はいつもまともでしょうが!」


 加野に半目で睨まれながら、今度は穏やかな笑みを浮かべながら京輝が口を開いた。


「加野の言うとおり。今の方が楽しいって事を、素直に伝えればいいんじゃないかな。一回戦の後にでもね」

「二人の元チームメイトか。手強そうですね……」


 因縁がある一回戦の相手。しかも、水喜と初佳の元チームメイトだ。二人の実力を考えれば一筋縄でいきそうにない。


「はい。美帆が選んだなら全員かなりの腕前だと思います。でも、私達の方がきっと強いです」


 力強く、初佳は断言した。


「大きくでたねぇ」

「それを証明して見せます、一回戦で。ね、水喜ちゃん!」


 隣で俯いている水喜を励ますよう、初佳が声を上げる。対して、水喜の反応は無い。


「そういえば、名賀乃は何でそんなに落ち込んでるんだ?」


 初佳より先に立ち直りそうなものなのに、意外と言えば意外な反応だ。

 ゆらり、と魂が抜けかけた動きで、水喜は顔をあげ、弱々しく呟いた。


「ショックだったっス……」

「ああ、直接乗り込んできたことか? そりゃあ……」

「そうじゃないっス……」

「?」


 水喜本人を除く全員が浮かべた疑問符に答えるように、彼女は行った。


「わたし、決勝で『ブレイブゲイル』と対戦することしか考えて無くって、『おかし工房』の皆のことなんか、眼中に無かったっス……」

「えええええ! 水喜ちゃんそれはないよ!」


 叫び声を上げたのは初佳だった。残りの先輩三人は絶句である。


「だ、だって、このメンバーで『ブレイブゲイル』と対戦できるっスよ! ゲーマー冥利に尽きるじゃないっスか! 決勝のことを想像したら、もう頭がいっぱいになって、美帆達のことがふっとんじゃったっス!」

「な、なかなかやるもんだね、水喜は」


 若干引き気味に、加野が評価した。それを見た柄武は優しい、と思った。柄武は素直に酷いと思ったし、そう言いかけた。


「入学以来、毎日が楽しすぎるのが悪いんスよ! ゲームしててこんなに楽しいのが久しぶりすぎて、周りが見えなくなってて。おかげでさっきので自分の駄目人間っぷりを思い知らされて、凹むっス……」


 再び落ち込んで、俯く水喜。これは重傷だ。しかし、本人のためにもしばらく反省させた方が良さそうに思える。

 その様子を上から見下ろしながら、柄武は京輝に話しかける。


「京輝先輩、俺が思うに……」

「そうだね。情報部で一番のゲーマーは、間違い無く水喜ちゃんだと思うよ」


 その言葉に、水喜を除く全員が同意した。

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