商人の気持ち♪
「なあ、そろそろ次の町に行こうよ」
「全くこれだから遊び人は……。先を急ぐ気持ちは分かりますが、もう少しで十万になりますので」
「何が?」
「これですよ。これ」
私は然り気無く指で合図した。
「ほう、それはいいね。次の町にはカジノがあるらしから……」
「資金があるに越した事はないね」
遊び人と私はニヤリとした。
「こら! いけません! なんて品性に欠ける会話ですか! お金とかカジノとか……とかガールとか……」
この僧侶は……何を言っているのか。
>ぱふぱふ的なやつじゃね?
ああ、合点がいったよ。
私と遊び人は何となくジェスチャーで会話した。
「僧侶……己を偽る事はないですよ。僧侶だって男なんですから。けれど資金がない事には……ねえ」
「いや、その私は聖職者としてむにゃむにゃ」
こう言う人間だからこそ、葛藤を乗り越えて大賢者になるのだろう。
私は薄汚くて結構! お金が大好きさ!
「さあ、気を取り直して、モンスターを狩って刈って勝って飼って……狩り巻くりましょうや!」
「「おー!」」
何かこう……纏まった気がする。
フフ、上手く丸め込めた。人間なんてチョロいもんだよ。
「っておい、勇者が勝手に先に進んでるぞ!」
「……ガール……ふぱふ……ガール……ふぱふ」
次の町に着くまでの間、勇者は延々この言葉を繰り返していた。
畜生! 私が丸め込めないのは勇者だけである。
作者もお金が大好きさ!
ゲームみたいにお金が稼げたら……。
話術に長けた、交渉のスペシャリストの商人ですが、得手勝手大将の勇者だけは商人の手の平では転がりません。
目標に向かって突き進む上で必要な物は、他人に流されない自分勝手さ……もとい、確固たる信念なのかも知れませんね。




