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第一話

ジヴァナにより、苦しめつづけた人類に、希望 が芽生えた。

【序章 】

西暦2035年。人類は、新たなるエネルギー【フォル】を使い、めざましい発展をし、西暦3459年には人類の文明は最高潮に達した。

しかし、そこから。人類は衰退してゆく。

宇宙より謎の生命体【ジヴァナ】が来襲したからである。

【ジヴァナ】の来襲により、46億人に膨れ上がっていた人類は、12万人に激減した。

そして。

西暦4092年現在。人類は、残り5000人となった。


・【日本国、東京】

死に絶えた街に、虚しく風が吹く。

かつては、この国の首都として繁栄した、東京も廃墟となり、残された人びとは、地下に逃げ延び、地上は死の街と化した。しかし、全てを地下に持っては行けなかった。

それはーーー【食料】である。地下へ逃げ延びた人類は、命をこそ守ったが、【食料】だけは、置いていかざるをえなかった。

だからーーーー命からがら、人類は地下から食料を求め、地上へと出るのだ。 自分達人類の地、今や、ジヴァナに支配された地上へと。


┝「おい!レオン!!早く来い!!」

地上の人気の無い、ビル群の所で、まだ幼い子供達の声が響く。崩れたビルの壁に、二人の女の子がいた。

おそらく姉妹であろう。そして、その手には、袋一杯に詰められた食料があった。

「…ふぅ…ふぅ……姉ちゃん、早いよ〜」レオンと呼ばれた女の子は、息を切らせながら、姉の元に来た。

「バカ!アンタが遅いだけだ!てか、早くしないとジヴァナに喰われるんだぞ?解ってんのか?」

「そ……それは…解ってるよ。…サナ姉ちゃん。」姉、サナの言葉にレオンは頷く。

「…あの時、ジヴァナが来なければ、親父も母さんも死ななかった。…生き残ったアタシ達は、まだ死んじゃいけない。……だから、しなない為にも迅速に行動しろよ。」レオンの姉として、優しく、だが厳しい眼差しで妹をみた。

その眼差しの真意を汲み取ったレオンは、力強く、頷いた。

その様子を見たサナは、よし、と頷き、早く戻るぞ、とレオンを促した。

そして、彼女達が走り出した時。

ーーーーードコへ行クのダ?

声でない声が、彼女達の耳に響いた。その不気味な声に、彼女達は思わず、ビクッ、と体を震わせ、周りを見渡した。「……まさか…」

「サナ姉ちゃん……」不気味な声に怯えたのか、レオンがサナの服の袖をぎゅっ、と握った。

ーーーククク、怯エておルナ?ククク。またしても、声なき声が不気味に響き渡る。

「………レオン。」

サナは、怯えきったレオンに小声で話しかける。 姉の言葉に、…何?、と震えた言葉を投げ掛ける。

「…【入り口】まで全速力で走るぞ。」

「…え?どういうーー」

「いいから!走るぞ!!」

怯えきったレオンの手を掴むと、無理矢理走り出した。うぁ!?、とレオンは、驚くが、そんな彼女を無視してサナは【入り口】ーーー地下への入り口へと向かって走り続ける。

だが。


ーーーオっと、逃ガしはセンぞ?


逃げる二人の前に、巨大な物体が落下し土煙を上げて、彼女達の前に立ちはだかった。

土煙が晴れた、彼女達の前にはーーーーーーー


ーーーー愚かナ。我らカラ逃レられルと思ッたカ。

突如として人類を襲った、謎の生命体【ジヴァナ】の蜂型がいた。

「くっ!邪魔だ!!」

サナは足下にあった小石をジヴァナに思いっきり投げつける。

が。


ーーーー何ヲしたイのだ?

投げつけられた小石をいとも簡単に足で弾いた。


ーーーサて、久シぶリの人間だ。ーまズ、そこノ震エてイル奴を食べルかーー

蜂型ジヴァナは、震えている獲物ーーレオンを足で捕らえようとした。

「レオンを、食べさせるか!!」

サナは、近くに転がっていた鉄パイプを握り、レオンに近付くジヴァナの足に叩きつけた。


ーーーウるサイぞ、虫けラーー


自分の足を鉄パイプで叩くサナを、ジヴァナは容易く払い除けた。

足で吹き飛ばされた、サナは、ビルの壁に叩きつけられた。

「がはっ!」

叩きつけられた衝撃に、少量に血を吐き出すと、ガクッ、とその場で気絶した。「サナ姉ちゃん!!待っててーーーひっ!?」

レオンは、姉の元に向かおうとするが、ジヴァナの足により防がれた。


ーーお前ハ、後で食ベルとしヨウ。まズは、アイツから食べテやルとシよウーー

そう言うと、ジヴァナの背中から、二本の触手が現れ、気絶したサナに、自身を巻き付けて、レオンの前にサナを持ってきた。


ーー自分ノ姉が食べラレるのヲ、そこデ見テイるがイイ。己の無力サを味わイナガらなぁーーー


そこまで言うと、ジヴァナは、口を開けて、サナを食べようとして触手を口元へ近付ける。

そして、ジヴァナは、サナを食べようとしたがーーーーー

ーーザキンッ!! とサナに巻き付いていた触手が切断された。


あまりの痛みに、グォォォオオ!?、とジヴァナは叫び、サナとレオンは、ジヴァナの呪縛から解き放たれた。

呪縛から解き放たれた彼女達は、地面に向かって落ちていく。そして固い地面にーーーは落ちずに、ふわっ、と何かに受け止められた。

「………あれ?」

固い地面にぶつかることを覚悟していたレオンは、衝撃が来ない事を不思議に思い、うっすらと目をあけた。

その目に映ったのはーーー「あなたたち。大丈夫だった?」

黒髪の美しい少女がいた。「え……だ、大丈夫です。けど姉が…」

レオンは、少女の美しさに見とれていたが、すぐに姉がケガしていた事を言う。 少女は、レオンを下ろし、ゆっくりとサナを地面に横たえると、すぐに治療行為を始めた。

レオンは、少女の姿を見ていた。


腰につけた刀。全身を守っている黒い鎧。そして、耳につけた翼のイヤリング。 今の時代では、珍しい姿だ。

「……よし。これで大丈夫。軽いケガだわ。」

レオンが少女に見とれているうちに、サナの治療が終わったようだ。

「サナ姉ちゃんは大丈夫なの!?」

レオンは、自分の姉の安否を問うが、少女の人差し指て口を抑えた。

「大丈夫よ。だけど、今はーーーーーアイツをやらなきゃ」

少女は、痛みに苦しむ蜂型ジヴァナを見据える。


ーーオのレぇェえ!!ヨクもオレを傷つケタナぁ!!ーー

蜂型ジヴァナは、自分の触手を切り落とした少女を捉えると、口から、鋭い針を少女目掛けて飛ばす。

だが。

「甘いわ!!」

少女は容易く針を避けると、ジヴァナに向かって跳躍し、腰につけた刀を抜いて、ジヴァナの右目を切り裂いた。


ーーグァァァア!!ーー

「まだまだ!!終わりじゃないわよ!!」

スタッとジヴァナの背に降り立つと、ジヴァナの羽を切り落とす。


レオンは、その光景を夢かと思った。

目の前で、人類の敵であるジヴァナと闘う少女。少女は、今まで誰も歯が立たなかったジヴァナに攻撃を入れている。

かつて母から、聞かされた話に出てくる人物をレオンは思い出した。

戦う為に産み出された少女達の事を。

「………戦…女神…」

戦女神。ヴァルキュリーの事を。


「これで、終わりにしてあげるわ!!」

少女は、高く空に跳躍する。

ーー逃がサン!ーー

ジヴァナは、跳躍した少女に向け、触手と針を飛ばす。

しかし、それは、少女の前に現れたシールドのような物が、全て防いだ。

「ーーーサンライトォォオ!!ブレイドォォオ!!」

少女が叫ぶと、同時に、少女の刀が紅蓮の炎に包まれ、そして、蜂型ジヴァナを切り裂いた。

ーーグァァァアアアアアアア!!ーーー


蜂型ジヴァナは、断末魔を上げると、弾けて、光の微粒子と化した。

「……………」

レオンの目の前で、ジヴァナが倒された。人類を衰退に追いやったジヴァナが。 今まで誰も倒せなかったジヴァナが。

今、レオンの前で倒されたのだ。

「……ザコね。もっと歯応えがあるかと思ったけど。」

ジヴァナであった光輝く微粒子の中で少女は、言う。 そして、少女は、その場から立ち去ろうとした。

「…あの!!」

立ち去ろうと少女にレオンは、声をかけた。

少女は、ん?、と歩みを止めてレオンに振り替える。「…助けてくれて、ありがとうございました!!」

全身全霊を込めて、レオンは御礼を言った。

ただ、それを言いたかった。

「……次からは、ジヴァナに注意しなさい。アイツらは、どこからともなくででくるから。」

「はい………あの、お名前は?」「サイファよ。サイファ・ナルファニ。」

少女は、そう答えると、今度こそ、その場から立ち去った。

「……サイファ…さん、か」

「………う…うぅ…」

レオンは、姉からのうめき声に、サナ姉ちゃん!!、と駆け寄った。

「……あ、あれ?アタシ……気絶してたのか?」

「サナ姉ちゃん!!」

完全に覚醒した姉に、レオンは飛び付いた。

うあ!?とサナは、突然レオンが飛び付いてきたことに、驚きの声をあげた。

「サナ姉ちゃん!!ジヴァナを戦女神さんが、倒してくれたよ!!」

「あ…は?戦女神?て…ジヴァナが…いない?」

サナは、襲ってきたジヴァナがいなくなっている事に気付いた。

「だから!戦女神さんが!サイファさんが、ジヴァナを倒してくれたんだよ!!」「戦女神が…?てか、サイファ、て…まぁ、いいか。レオン、お前が無事でよかった。」

サナは、レオンを優しく抱きしめ、頭をなでる。

サイファ。そして、ジヴァナを倒したという【戦女神】。

レオンを優しく抱きしめながらも、サナは、【戦女神】に思いを馳せていた。


・??????

「蜂がやられた、だと?」 若い少女の声が暗闇に響き渡る。

「はっ……人間の少女が、倒したようです。」

暗闇から、別の女性の声が響く。

「……くだらん。ただの紛れであろう。捨て置け。」「しかし、我らの脅威になるかも知れません。」

女性が少女の言葉に、反論する。

しかし。

「……私は、捨て置け、と言ったぞ。聞こえてなかったか。」

怒りを込めた少女の声が、女性へと恐怖を与える。 「は…はっ。仰せの通りに…」

女性は、そう言うと、暗闇から消え去った。

「……我らを倒す者が、出てくるとは……。【ヤツ】の言葉通りとなったか。」少女は、そう呟くと、目を瞑り、暫しの睡眠へとはいった。



【異端者達】第一話 了

さて、第一話、終わりました!!

まだまだ、続きますゆえ、今後とも、よろしくです!!

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