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32.好意でも、それ以外でも、

毎度閲覧有難うございます!ちょっと私生活がしっちゃかめっちゃかなので、次話以降かなり更新頻度が落ちると思います。週1目指して頑張ります……!

くっそ煩悩ぜんぜん萎まねぇ!寧ろ色々混ざってデータ増えてる気すらする。ふざけんなこっちは消そうと頑張ってんのに!会話すら不自然になる自信がある!配信とか無理!

……と、放課後を迎えて、ますます鬱々とした気分になっていた俺に、例の友人が声を掛けてきた。


「その……今さ、颯真が悩んでるのって、友達をそーゆー目で見ちゃってうまくいかない、ってことだよな」

「……そうだよ悪いか……悪いな……真白は悪くないもんな……悪いのは俺だな……いやお前もか……」

「そこちょっと責任感じてるからお節介させてもらうんだけどさ」


この煩悩を止める方法を知っているなら大歓迎だ。しかしそんなもん一介の男子高校生が知ってるとは思えん。俺たち煩悩にふりまわされてなんぼじゃん。え、俺だけ?


「真白と付き合うってナシなの?」

「……は?」

「いやだから、彼女なら問題ないわけじゃん?」


あまりに予想外の提案に、思考がストップした。真白と?俺が?


「…………いやいや、あるだろ。そもそも俺らアイドルやってんだし、そんな」

「まぁそーなんだけど、お前ンとこの社長なら許しそうだし、ファンどうこうより真白との関係修復のほうが大事そうかなって」


いわれてみればそんな気もするけど、違う気もする。何が違うって、だって俺と真白は……。


「……いや、真白が良いって言うとは思えないし、俺は、まぁ……真白のことは好きだけど、そういう好きじゃないし」


そこだよな。多分さ、真白は口には出さないだろうけど、俺のこと好きではいてくれると思うんだ。じゃなきゃこんなに一緒にいられないし。それは俺も同じで、でも多分二人とも、恋人とか異性とか付き合うとか、そういう「好き」じゃないんだよな。

肝心の気持ちがないのに付き合うとか、それはない。

付き合うことで煩悩の罪悪感を無くしたいって考えは、我儘すぎると思う。


「駄目かぁ……まぁ、そうか」

「あぁ。まぁ、それ以外の解決策ならいつでもくれって感じだけど」

「いやー……俺も思い付かない……あ」


思いついた感じ?マジで?


「いっそ真白にめちゃくちゃ怒られるってのは?そしたら妄想しにくくなるんじゃない?」


こいつは真白の本気を知らない。いやマジで怖いんだぞ!存在を否定される勢いなんだぞ!


「何だその肉を切らせて骨を断つ的発想。ていうかそれ、真白に正直に話すってことだよな?無理無理、その時点で無理」

「いや、真白ならもう気づいてる……とかも、ありえるぞ?颯真カオに出ちゃうだろ」

「のぉ……」


それはマジでやばい……し、ありえる……。

今朝の挙動不審、真白はどう捉えたんだ……?エロ妄想まで見当ついてるのか……?それをあえて放置されてる……?だめだ、考えてもわかんないし、気付かれてるとしたら気まず過ぎる。


「……じゃあさ、今の話じゃなくて、もしこうなったらどうする?って感じで振ってみるのは?」

「そうだな……それなら、いけるかも」

「うん。頑張れ。なんとか活動継続してくれ!」


なんでそんなに応援してくれんの?という疑問はさっきもぶつけて、興味本位と返事をもらったので、ここはツッコまない。まぁ、応援してくれてるの自体は本当だろうし、嬉しいことだし。




というわけて、帰路真白に話をしようと……思ったけどやっぱ聞きにくいよな!でもその間も俺の挙動不審は続いているわけで、他の打開策は思い付かない。

ええいままよ!


「あのさ、もし、もしもだけど、俺がというか、身近な男が真白のこと……こう、恋愛的な?そういう目線で好きとか、エッチな意味合いで見てるとしたら、どう思う……?」


非常に漠然とした、かつ直球な質問になった。いや、他に言いようが見つからないというか、俺に限定して聞くのは怖いと言うか、例の友人への対応を知りたいとか、そんなんもあったんだけど。

真白はぱちぱちと瞬きをしてから、視線を斜め上に向けて考え込んだ。


「うーん……まずお前とそれ以外で違うと思うんだけど」


違うんだ。そうか、そうなのか……まぁ、横並びでないことを喜ぶべき、なのか……?わからん。答えを聞くまで判断つかん。


「まず最初に思うのは『趣味悪いな』だとして……うん、それだけ、かもしれない」

「……だけ?」

「うん。とくに嬉しくも悲しくもない……というか、嬉しいと哀しいがちょっとずつあってプラマイ0というか」

「そ、そうか……」


とりあえず、めちゃくちゃ嫌とかじゃないらしくて、ほっとした。そっか、まぁ好意は好意だもんな。普段から(女子の)好意と悪意を浴びてる真白にとって、それが男からのものでもそんなに変わらないってことか。


「……ってのが、颯真以外の場合だな」

「んぐっ、お、俺の場合、は……?」


そうでした例外でした!どうかこう、ソフトな感じ?いや何がソフトかわからんけどとりあえずめっちゃ嫌われるとかじゃありませんように……!


「いや、まずどうした?ってなるし、何で?ってなるよな。今までがこんなんだし、急変しすぎだろ。好みも知ってるし、ありえないと思ってるし……」


ありえない……いや、うん……うん……?


「ありえない……こともないと、思うけど」

「そうか?だとしたらますます何で?だな」


うわぁぁあ、心底わけわからんって顔してる。俺にそういうの芽生えないと信じ込んでる。いや、わかるぞ。たしかにそうなんだよ、そうだったんだよ。あるわけないじゃんって、俺も思ってたんだけど。

……今となっては、どうなるかわからない、というのが、正直なところで。


「まぁ……うん、わかった。もしそんなことになっても、嫌われるとか、顔も見たくないとか、そういうのじゃなければ、うん」


というか、これちゃんと、恋愛だけじゃなくてエッチな見方って部分も考慮して答えてるよな?大丈夫だよな?そこんとこ、すでに該当しちゃってる奴がっていうか俺も掠ってるんだけど。

……確認しづらいんだよぉ……!


などと俺がまだもやもやしている間に、真白は真白でなんか考え込んでいたらしい。いつもの溌剌とした声ではなく、棘も毒もない声でぼそりと付け加えた。


「まぁ多分、嫌ではないよ。……うん」


何でそんな事聞くんだとか、そういうツッコミはなく、真白は今夜の配信の話をし始めた。俺としても欲しい回答をもらえて安心したので、それ以上の深堀りはしなかった。

ツッコミがないということは、そんなことを聞いてくる理由に心当たりがあるということなんだけど、俺は気付いていなかった。ある意味鈍感で良かったかもしれない。


いつもより少し距離をあけて、目線を合わせずに、配信の打ち合わせをしながら真白の家に向かう。

今日は真白の家で夕飯を食べて、配信やってから帰る予定だ。


配信用の部屋で置いてあった服に着替え、自室に向かった真白の着替えを待っている間に、俺は気付いてしまった。


「いやこれ、なんも解決してないな?」

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