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20.男装にたぎる男(???視点)

諸君、男装の女の子は好きか?

わかるわかる。このタイトルに惹かれてきたんだ、きっと君は同志だろう。しかし男装が好きと言ってもその方向性は様々だ。

男装の麗人の凛々しさに憧れるもの、男装によって完成された理想の男性に憧れるもの、異性装そのものの倒錯的な魅力に惹かれるもの、男装を解いたときに現れる女の子らしさに萌えるもの。


俺はギャップ萌えの志だ。十代の頃はツンデレやクーデレが好きだった。しかし人気があるがゆえの過剰供給と定型化、さらにはデレ後のサービス過多で、次第に「はいはい、どーせデレるんでしょ、知ってる」「いやキャラ変は好きだけどそこまですると原型なくない?」という心境に陥り、次第に別のジャンルに移っていった。


次に食指を伸ばしたのは逆転ものだった。主従の逆転、年齢差による立場の逆転、SとMの逆転。これはなかなかジャンルが広く、しばらくは楽しめた。ていうか今も好きだ。しかしジャンルとして括られていないので、探すのに少々手間がかかる。


そして出会ったのが男装だった。近年では男の娘ほどではないが男装もかなりポピュラーになりつつある。二次元作品ならかなりの確率で男装キャラがいる。そうして出会った一人のキャラクターに俺は落ちた。そしてそこから男装キャラ探しが始まった。


しかしこの道は非常に険しかった。男装キャラはたいてい脇役であり、女性人気は高いが男性にはあまり受けないらしい。出番が少なく、男性ファンが喜ぶようなグッズ展開がされていない。例外的に受けるのは、男装とは名ばかり、すぐに女バレしてしまう設定もワキも甘い巨乳の美少女ばかりだった。


違う、そうじゃない。


男装の良さはもちろん中身の女の子だが、女バレまでの紆余曲折や振る舞いの落差が重要なのだ。あれだけ男らしかったのに、かっこよかったのに、凛々しかったのに、女として、そして恋する乙女として振る舞うときにはとんでもなく可愛い。そこがいいんだ。最初からかわいい子が好きなら、男装させないでくれ。


という、俺の思いをどこで発散すればよいのか。

俺は考えた。そして個人サイトを立ちあげた。

そこで男装キャラの素晴らしさを語り、作品を紹介した。

すると同好の志が現れ、情報交換ができるようになった。嬉しかった。そしてこれまであまり目を向けて来なかった、三次元の男装についても情報が集まり、実写作品や男装アイドルについても知った。

男装アイドルは少し俺の嗜好とは離れていたが、三次元の存在感が良かった。


さて、ここで俺のもう一つの嗜好について話しておこう。

俺は一途な子が好きだ。できることならたった一人の男を生涯愛し、他の男には隙すら見せない、そういう子が好きだ。

だから本来、アイドルは好きではないのだが、男装アイドルについては逆なのだ。アレはあくまで仕事で、同性に好かれるための愛想。仕事を離れ男装を解いて、好きな男の前でだけ照れや恥じらい、可愛らしさを見せる。その相手が自分であれば最高だが、この際贅沢は言っていられない。なにせ供給が少ないのだ。相手がクソみたいな男でなければそれでいい。あとは脳内で補完する。


そんな俺の琴線に触れたのが、男装女子とふつうの男子のユニット、Alice blueだった。

聞けば真白くん、本人の希望で女装NG、相方の颯真くんとは10年来の親友とか。

クオリティの高い男装、振る舞い、それでいて女の子に騒がれてもあまり反応しないクールさ、相方との異常に近い距離、あきらかに美少女になれる顔立ち。

ツンデレの要素も持ち、普段は颯真くんに鋭いツッコミを入れる毒舌キャラ。なのに食事の心配をされるという関係性。

相方の颯真くんも良い。アイドルとは思えぬ素朴さ、実直さ。イケメンなのに男からの妬みの対象にならない、稀有な存在だ。何より幼馴染というのがたまらなく良い。それだけで関係の強さが伺える。


もはや最高の燃料だった。同志にも猛烈にプッシュした。

しかし同志たちはやはり、女の子としての可愛らしさが垣間見えないと反応してくれなかった。

そこがいいんだが、わからないなら仕方ない。諦める、のではない。わからせてやる。


そしてアイコラやディープフェイク動画を作成してプレゼンした。途端に反応がもらえた。嬉しかった。そうだろうそうだろう。いいだろう、このギャップ。

しかしこれはあくまで、俺たちの想像の中の真白くん。本当のあの子を知っているのは颯真くんだけ。それが良い。それで良い。


圧倒的に女性ファンばかりの中で、男目線でコメントするのはなかなか難しい。なので表には出ず、あくまで身内でひっそり愛でていた。優秀な同志が台詞やシチュエーションを文章にしてくれたり、いわゆる二次創作的な遊びもしていた。

そしてどうしてもコメントしたいときは、ネカマとなって不自然でないよう最新の注意を払ってコメントしてきた。


そしてこの秋にはリアルのイベントがある。現場はきっと若い女の子たちの黄色い声援でいっぱいだろう。まず間違いなく居た堪れない。しかし会いたい。この目で見たい。どれだけ完璧に男装をしているのか確かめたい。颯真くんとの絆を見せつけられたい。


残念ながら現場に向かえるほどの勇気と熱量を持った同志はいない。一人……一人か。だがいいんだ、来年には解散してしまうかもしれない、一期一会の彼らとの接触の機会、逃す訳にはいかない。


こういうとき、女性アイドルのイベントと男性アイドルのイベントでは毛色が違ったりするのだろうか。この場合は男性アイドル扱いだよな?よし、大手美少年タレント事務所の様子でも調べておくか……。

いやその前に、二人に認知されたときに興奮していたら気持ち悪い思いをさせてしまう。冷静に、にこやかに、爽やかに、生の二人の前で振る舞えるよう心を鍛えておかねば……。

まさかの箱推し(?)

作者の気持悪い癖の一部を語っていただきました。ナマモノの扱いには気をつけよう。

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