あんハッピー☆寿司クッキー(さくさく食感)
「プリンが釣れたよ!」
わたし(笑)は太平洋に来ていた。マグロ漁船にたのみこんで数ヶ月の大冒険。
苦労もあったけど、ついに……
「ついにプリンが!」
「なにを言っているのですか……卵山たまご(笑)先輩」
生きのいい鮮魚のように跳ねるカスタードプリンを抱きしめて登校したわたしを、3年年下の後輩の佐倉さくら(冥王星生まれ)は冷たい目で見た。
「先輩、こないだ卒業したばかりのはずでは?わたしは近所にいたから知ってますけど、あなたはもう大学生でしょ?」
「大丈夫、留年してるから!」
「大丈夫、じゃないですよ!」
さくらは隣りにいたお嬢様、雪月夜つくよ(こんにゃく好き)の持っていた高級巨大こんにゃくを床に叩きつけた。
「なんてこと、わたくしのおこんにゃくが!」
つくよは床に叩きつけられて粉砕したこんにゃくを、たくさんの少年執事たちに拾い集めさせた。そしてきれいなハンカチを持って泣いた。
「こんにゃくより、プリンだよ!プリンの時代だよ!」
「超高級カスタードこんにゃくの時代は?」
「ないよ!」
わたしはサバサイズのバケツプリンを逃さないように抱きしめたまま言った。しかし、プリンは逃げ出してしまった。
「プリンが!プールへ落ちちゃった!飼い方まちがえた!」
勢いよくはねていくプリン。
プリンはプールで溶けて広がり、プールは黄色くなった。
「(まさか、かさ増し?)」
わたしはにっこりして、プールに近寄った。
水泳部はプールの中で泳いでいたが、プールが黄色くなったにつれ、水面を叩いて騒ぎ出した。
「粉砕!粉砕!粉砕!」
プリンになったプールは水泳部に粉砕され、食べやすくなった。
「校則違反です。プリンになったプールで粉砕の儀式をしてはなりません」と、さくら。
「じゃあこんにゃくになったら?」
「粉砕していいです」
つくよの質問に、さくらは眼鏡を直しながら言った。
「プリンが……」
わたしはプールにちくわを突き刺した。
ちくわはプールのプリンをすべて吸い上げ、プールは空になった。
さくらとつくよ、そしてわたし(笑)は地に手をつき、膝をついた。
絶望だ。
わたしたちは高校を辞め、海岸近くの寿司屋でクッキーを焼き始めた。
「板前さん、マグロください」
「うちはクッキー一筋だよ!アザラシ以外入店お断りだよ!」
「うわあああ!」
お客さんは爆発した。チワワと化したお客さんは、ぷるぷるしながらつぶらな瞳で大気圏に突入した。
「まいどあり!」
わたしたちはロケットランチャーでそれを撃墜した。三人はズッ友だ。
帰りにみんなで写真を撮り、動画をとり、出前寿司をとった。
「やっぱり寿司は出前だね」
「クッキーは?」
「こんにゃくクッキー一択ですわ!」
つくよはこんにゃくクッキーパークの大仏カーニバルのダンサーになった。さくらは大学入試を受けて落ち、ついに太平洋に出た。
「まさかわたしが、太平洋のプリンになるなんて……立派なプリンになれるよう、頑張ります!泳げないけど……」
「まあまあ、わたしはちなみに公務員だよ(笑)」
わたしはピースを自分にむけて言った。そしてアザラシのきぐるみを着て、銀行の前でおどった。
「公務員(公的な務めなんかより遊園地のスタッフ増員のためにプリクラ食べよう)」
「こんにゃく」
わたしは爆発した。
すみませんでした。