ひらがな9文字だけを使った掌編小説です 『旦那が苦に、はいした』
※「た、ん、な、か、く、に、は、い、し」の9文字だけを使った小説です。
濁音は有りという事でお許しください。
旦那の浮気に勘づいた妻のお話です。
ということで、よろしくお願いします。
はい。下 へスクロールを…
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『旦那が苦に、〝はい〟した』
ん? なんだか…、
言い方が…、
旦那が何か…隠した?
単に勘なんだが、話し方がなんだか…。
旦那がガタガタ言いだした。
確信した。
他人にはない、家内には簡単なんだ。
逃がしはしない。威嚇し、質した。
……。
吐いた。
確かに、はい。――した。
は? 仕方がないだ?
恥は無いんか、恥は。はしたない。
叩くしかない。
叩く。叩く。
何回だ? 七回か!
叩く。叩く。叩く。
なに? 妊娠した?
シバく。シバく。シバく。
たいがいにしな!
はん? 挽回したい?
無いな。無い無い。バカバカしい。
階段にガンガンした。
痛い? 痛いか?
硬い杯か何か、バンバンした。
歯が破壊、鼻が破壊、肺が破壊。
甚大に人体が破壊し、――廃した。
バタン……死んだ……。
死体、遺体。
言いたくないが、単に犯人。
ただただ犯人だ。
隠したい。
棚に入んない。板が阻んだ。
仕方なく死体、解体した。
何回か、解体した。
解体した死体、死角に隠し、片し、――排した……
・・・
・・・
新潟にいた。
なんだかんだ淫売した。
しがない時代だ。
心外だが、したたかに、
淫売した……
・・・
難波にいた。
淫売が芳しくないし、玄人した。
売人はしない。
玄人、だんだん――敗した。
いかん、配牌が固い。完敗した。
牌にバイバイした。
しがない時代だ。
仕方なしに、淫売した。半額にした……
・・・
晩に、泣いた。
馬鹿だ…。
自覚し、悔い、泣いた。
石、高くし、花。
墓にした。
遺灰はないが、墓だ。
悲しい中、はにかんだ。
失くした旦那にただ、――拝した……
( 完 )
ありがとうございました。
楽しんで頂けたでしょうか。感想お待ちしています。
難波というのは大阪の繁華街なんですが、これは全国区なんでしょうか。これしか思いつかなかったんですよね。それと、玄人は麻雀の博打うちの事なんですが、私も坊や哲の知識しかありません。
変なところが有れば教えて欲しいです。
読みにくかったと思いますが、9文字なのでご愛嬌と、寛大に受け入れて頂けたら幸いです。