2 覇王の紋章の説明と、一方その頃マンヒパーティは②
5 覇王の紋章の説明と、一方その頃マンヒパーティは②
「ぎゃあああああああああああああああああ!?」
マンヒが激痛が走る腹部を見下ろす。
「あ、あがああああああああ!?いでえ!?いでえ!?いでえ!?」
モンスターの体当たりが腹部を直撃したのである。
「どうしてっ!?相手は……ただのキテーなのに!?」
キテーとは、スライム同様レベルの低い簡単に倒せる、二頭身の白い猫の姿をした、女子にとてもかわいく人気があるモンスターだ。
「ダメージなんて受けるはずないんだ!いや攻撃を食らうことが間違いだ!いつもは何もなく避けれていたのにぃ!?」
マンヒは激痛で涙が流れて前が見えない。
その時、
「危なーい!」
シールダーのセミアが盾を構えマンヒの前に飛び出し、キテーの体当たりを間一髪で防ぐ。
「ノロマめ!怪我してから来たって意味ないだろう!」
「す、すまない……これでも必死なんだ……」
マンヒは文句を言いつつも、ホッとする。
セミアの盾はレアアイテムの大精霊の盾という、国に持っているものは数えるほどしかいない、防御力抜群の防具であった。
キテ―が体当たりを盾に繰り返ししてきていくるのを、セミナは踏ん張って防ぐ。
「これは何かの間違いだ。たまたまクリーンヒットしてしまっただけだ。二度とこんな不運は訪れることはない。ただの偶然。そう偶然だ」
マンヒが良い聞かすように早口で言った。
「そうですよねマンヒ様、今、回復しますわ」
レイがチュナ(回復魔法)をマンヒにかける。
「ぐっ、ぐあぁぁ……マンヒ様、早く……加勢、してください……」
「おいっ何やってんだよ!セミア!」
マンヒはキテ―に押されているセミアを怒鳴った。
「キテーごときに何を負けてんだよ!」
「違う……いつもなら、これくらいの攻撃、難なく受け止められていたのにっ」
キテーは見かけはすごく可愛い姿をしているが実は気性が荒い。
その何の感情もあらわさない小さい目に口のない顔は、その気性の粗さを隠し油断させるためであったりする。
「ぐあああああぁぁぁぁ!」
キテーの体当たりが、セミアに会心の一撃を食らわした。
セミアが吹き飛ばされる。
レイが助けに行こうとすると、
「おい、俺の回復をやめるな!今気づいたがキテーの毒が、毒が回っている!」
「だって、セミアが……」
「うるせぇ!早くしろ!ほっとけ!」
マンヒは毒状態になって、回復したHPが徐々に減っていっていた。
「俺今、毒状態なんだよっ早く、回復しろぉぉぉ!」
「えっ?でもおかしい、盗賊の極意のスキルで状態異常にはならないんじゃ……」
「ノーノ、早く行け、俺の回復時間を稼げ!」
「行けますマンヒ様!くらええええええ!」
拳闘士のノーノがキテーに飛び掛かる。
ノーノは今まで、攻撃力を二倍にするスキル、力溜めを行なっていた。
全力の飛び蹴りが炸裂し、キテーの顔面に直撃する。
キテーはノーノの蹴りによって岩肌へと叩きつけられ、絶命した。
「終わった……」
「やったー、見た、マンヒ様、ノーノやりましたっ」
ノーノがぴょんぴょん跳ねて喜ぶ。
喜んでいるのはノーノ一人だけだった。
レイがマンヒの解毒を済ませると、倒れているセミアの回復を向かう。
「このでくの坊が!何のためにお前みたいなのを連れてきてやってると思ってるんだ!盾すら満足にこなせねえのかよ!」
倒れているセミアに駆け寄り、マンヒが怒鳴り散らした。
それにセミアが激怒する。
「黙れ!お前こそいきなりやられてたではないか!痛がって寝ころんでた自分のことは棚に上げて!」
「何だと!?お前誰に向かって口をきいてるか分かってんのか!?」
「そんな事わかってい――」
「――もうやめて!」
レイが二人の間に入り、
「回復できないじゃないの、ねっ?」
「ふんっ回復したら今度はちゃんと盾になれよ」
マンヒは吐き捨てるようにそう言うと、ノーノの元へ行き、
「ノーノ、どっかの馬鹿と違って、よくやった!」
「ありがとっ、マンヒ様っ」
ノーノがマンヒに抱き着く。
◇
「覇王の紋章にはあと「守りの心得」効果が発動されます」
「守りの心得?」
あまり聞きなれないスキル効果に僕は聞き返した。
「守備時の動作が良くなり、相手の攻撃が当たらなくなる、もしくはクリーンヒットしなくなる防御効果ですわ」
「……そういえば、今まで会心の一撃を食らったことないです、僕」
「そうでしょう、それが守りの心得効果ですわ。「戦闘時、全ステータスの上昇効果」により強化された防御力がさらに強固なものになります」
「……うーん……」
僕は首をひねった。
「いかがなさいました、リベルラ様?」
「でも、僕が組んでたパーティの連中全員、食らったところなんて見たことあったかなって……」
多分見たことない。
そんなめったに起こらない事だからじゃ……「守りの心得」効果なんてホントにあるのかなぁ。
「まぁ、では皆さん方全員お強かったのですわね」
「……うーん……」
「あと毒・火炎・冷気・電撃・呪詛・暗黒などなどを、まとめて防いでしまう「全状態異常耐性付与」が付きます」
「すごいなぁ、リベルラ様」
「さすがです、リベルラ様」
扉の悪魔が同時に感嘆の声を上げた。
さっきどこかに行ったと思ってたら、手にショートケーキを持っている。
「……えっと、ライガさんとフウガさんでしたっけ」
「リベルラ様、こいつらにさん付けなんて止めてください」
「そうです、おいら達には名前は呼び捨て、敬語もいりません。我が指導者様」
と、二人が頭を下げてきた。
「そう、じゃあライガ&フウガ、ショートケーキとか用意しなくて良いから」
「えっ食べないんですか?」
「そんな紫色の色のは食べたくないよ、白いのにしてよ」
「マジですか?」
「変わってますね、我が指導者様は」




