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6 明かされるロッサの能力<対ビオリンゴンテ戦⑥>


6 対ビオリンゴンテ戦⑥




「ビオリンゴンテには攻撃が通じない!?」


「くそ!後はコイツだけだってのに!」


「だめだ桁違い過ぎる!何なんだこの化物は!」


 冒険者たちは苦戦していた。


 ビオリンゴンテに全部隊が全力の攻撃を繰り返しているにもかかわらず、かすり傷ぐらいしか付かない。


「さすがにビオリンゴンテには苦戦しますわね……」


「覇王の紋章の恩恵があったとしても、駄目なのか……」


 僕は戦慄した。


 やはり、こいつは魔獣の中でも、討伐対象として最高ランクと言って良いモンスターだ。


 ……まぁ無理もない……。


 いけると思っていたのが間違いだった……。


「リベルラ様、もはや部隊にいくら攻撃させても無駄ですわ……」


 イマノリさんも同じことを考えていたらしい。


「そうだね、やはりここは騎士団に任せよう、なんとか防御陣営を築く」


「……ん?何をおっしゃっているのです?」


 イマノリさんが不思議そうな顔をして僕を見る。


「ここでリベルラ様の出番ではございませんか!さっ単独突撃の準備をしてくださいまし、そしてビオリンゴンテを屠ってくださいませ!」


「……へ?」


 僕も不思議そうな顔をしてイマノリさんを見た。


「皆のもの!ビオリンゴンテはリベルラ様に任せて引けぇ!」


 イマノリさんが命令を叫ぶ。


「えっリ、リベルラ様が直接!?」


「リベルラ様お願いいたします!」


「皆、リベルラ様が出るぞ!援護しろ!」


「うおおおおぉぉぉぉ!リベルラ様ぁぁぁぁ!」


 皆が僕の名前を連呼し、邪魔にならないよう後退し始めた。


「えっちょっと、何勝手に言ってんの!」


「スキル発動、挑発!」


「ガギャガグオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」


 ビオリンゴンテが咆哮する。


「えっちょっと、何やったの今!?」


「さっリベルラ様だけを狙うよう、妾が挑発スキルをあの亀に重ね掛けしておきましたわ」


 イマノリさんがウインクをしてきた。


「ガギャガグオオオオオオオオオオオオ!」


 叫びをあげたビオリンゴンテを見ると、あの巨体が、信じられない事に、飛んでいた。


 そして着地と共に大地が鳴動し、地割れが起こる。


「こりゃ挑発しすぎましたわ、めっちゃ怒っとりますやん、しっぱいしっぱい」


 一方で隆起し一方で陥没する地面に、イマノリさんもたまらず尻もち付いて僕にてへっとしながら言った。


 冒険者達も風圧で吹っ飛ばされた者もいる。


「ガギャガグオオオオオオオオオオオオ!」


 ビオリンゴンテは、僕を踏みつぶそうと右脚を持ち上げ、振り下ろした。


 ――やばい!


 このままでは皆踏みつぶされてしまう!


「もうやるしかない!」


力任せに飛び上がり、


「おらぁっ!」


 振り下ろしてくる足の裏目掛け、全力の飛び蹴りを食らわす。


 すってんころりん、と巨体が転んだ。


 大地が鳴動し、さっきよりも大規模か地割れが起こる。


「ぎゃああぅぁぁぁぁ!」


「リベルラ様もう少し考えて攻撃してぇぇぇ!」


「脚がぁぁぁ、今ので怪我した痛いぃぃぃぃぃぃ!」


 冒険者達が次々に悲鳴を上げた。


「リベルラ様!もう少し被害を少なくなるようお願いいたしますわ!」


「皆ごめんっ、こんなつもりじゃ……」


「ガギャアアアアアアアアアァァァァ!」


 ビオリンゴンテが叫び声をあげ起き上がる。


 僕は決意した。


「これ以上被害が広がらない様に、すぐ終わらせないと!」


「ぐおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉん!?」


 自分に何が起こったのか分からなかったのか、ビオリンゴンテは戸惑いの咆哮を上げた。


 もはや戦意を失っているのが見て取れた。


「今がチャンスだ!終わらしてやる!」


 僕は剣を構え、気合を入れる。


 柄を握りしめ、ビオリンゴンテを睨みつけた。


 突然、光が目に差す。


 僕の体が光っていた。


「ああ、あれは覇王竜!リベルラ様、本気になったのですわね!」


 瞬間、金色の竜が突如天空に現れた。


「奇跡だ……」


「これは本当に現実の光景なのか……」


「これがリベルラ様の……天帝となる者の力……」


 なんだありゃ……。


 僕は、空に現れた竜をぽかんと見つめる。


「力を望む我がマスターよ、我が神の力を、一時的に行使する事を認めてやろう」


「……」


「……おい」


 竜が不機嫌そうに僕を呼んだ。


「はい、なんですか?」


「行使する事を認めてやろうっていっているのだ、早く使って」


「……、……どうやって?」


 僕が聞き返すと、竜は深いため息をついた。


「……何か技名叫べ、それでこっちで忖度してあの亀を倒してやるから」


「技名……」


「何でも良い、最近の術式反転でも懐かしの邪王なんとか黒龍波でも、なんでも良いから早く言って寒いんだから。あっでもまんまは駄目だぞ、著作権ってのがあるからな」


「うぅん、急にそんなこと言われても……スカイラブハリケ、あっこれじゃまんま駄目だから……」


「じゃあ」


 竜が手を叩いて、


「スカイラブドラゴーンに変えよう」


 そう提案してきた。


「はぁ……じゃあそれで……」


「なんでちょっと不服そうなんだ」


「いえ、別に不服じゃないです、はい、すいません、、すぐやります」


 僕は再びコケているビオリンゴンテに剣を構え、


「ス、スカイっラブ、ドラゴーン……」


「恥ずかしがるな!技をする僕まで恥ずかしいだろ!」


 竜が顔を真っ赤にして怒ってくる。


 それにビオリンゴンテが驚いて後ずさりした。


「ふざけんなマスター!こっちは寒いんだぞ!恥ずかしさを見せるな!」


「す、すいません……もう一度やります」


 と、僕は気合を込め、


「スカイラブドラゴーン!」


 と全力で叫んで、ビオリンゴンテに剣を振り下ろした。


 竜の口が開かれる。


 青白い焔が放たれた。


 コケたビオリンゴンテの巨体を飲み込こんでいく。


 跡形もなく、一瞬にしてビオリンゴンテが消滅した。


 ついでに、ポン!というコミカルな音を立てて、覇王竜が姿を消す。


「嘘だろ……ビオリンゴンテが……」


「あれが、マンヒパーティーを活躍させてきた、リベルラ様の力だってのか……」


「……技名……叫ぶ必要あったのか?」


 冒険者達は、あっけにとられていた。


 無理もない、僕もこんな簡単にあの巨体が消え去るとは思わず、あっけにとられている……。


「きゃあああ!さすがやでぇリベルラ様わぁ!」


 イマノリさんが僕に抱き着いてきて我に返った。


「もう惚れてまうわ、こんなんされたらぁ」


「方言、イマノリ、方言出てるっ、良い加減にないとバレちゃうよっ」


 イマノリさんを引きはがす。


 その時、冒険者達が一斉に勝ち鬨を上げた。


 皆も我に返ったのか、皆が皆、抱き合い喜び始める。


 広がる砂漠には、もうモンスターの影は一つもない。


 勝ったのだ。


 イマノリさんが尚も抱き着いてくる中、僕はその地平線と、共に戦った冒険者達をただ望んでいた。






「面白かった!」


「……つまんなかった」


と思ったら……


下にある☆☆☆☆☆から、作品への評価をお願いいたします。


つまらなかったら☆を少なく、面白かったら☆を多く、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ついでにブックマークもいただけると本当にうれしいです!


何卒よろしくお願いいたします!

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