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5 明かされるロッサの能力<対ビオリンゴンテ戦⑤>


5 対ビオリンゴンテ戦⑤




「し、失礼しました!リベルラ様!」


 ギルド内で僕を馬鹿にしていた人達が、皆で頭を下げてくる。


「ああ、もう良いよ……気にしてないし」


「はい!ありがとうございますリベルラ様!」


 もう一度皆で頭を下げてくる。


「後であのバカで汚らしい人間どもはたっぷり痛めつけてやりましょう」


 イマノリさんが耳打ちしてきた。


「えっ?」


 僕は驚いてイマノリさんを見ると、うっすら微笑んでこっちを見ていた。


「いや、まじで驚いた!こんなにすごい人だったなんて!」


「でもなんで、今まで知られなかったんだ?」


「おい、それがよ、なんでもマンヒ様のスキル盗賊の極意で、リベルラ様のスキルの効果を盗んでいたらしいぞ!」


「何だって!?」


「じゃ、じゃあ何か。マンヒ様は今まで俺たちを、いや、天帝陛下さえも、全員を騙してたってのか!?」


「そうなるぜ!」


 冒険者達が捕らえられているマンヒを睨む。


「い、いやっ違う!騙してねぇ!」


「俺もそんな効果だって知らなかったんだ!」


「そんなことあるか!」


「うわぁっ!――」


 マンヒが投げ倒された。


 なんか大変なことになってるぞ、マンヒの奴……。


「嘘ついてんじゃねぇぞ!」


「おいマンヒ、てめぇは最低だ!」


「こいつを詐欺と不敬罪で捕まえるべきだ!」


「そうだ!そしたらこいつは懲役五十年にはなる!丁度良い!爺さんになるまで牢屋の中にいてもら

おうぜ!」


 マンヒが冒険者達に囲まれる。


「ちっ違う!俺は騙して何でない!そ、そうだよなロッサ!俺も知らずに奪ってたんだ、そう説明したよなっ」


 マンヒがこっちを見てる……。


 僕にすがってきている……。


「なっロッサ、お前は知ってるよな?お前を騙してないし、天帝陛下に対して嘘も行ってないの知ってるよな?じゃないとお前を追放なんかするわけないもんな?」


「いや、こいつは知っていたよ」


 僕はこちらを弱弱しい目で見つめるマンヒを指さし、言い放った。


「皆も、僕もこいつに騙されていたんだ!天帝陛下も、ギルドも、何もかも欺いた重罪人だ!こいつに正義の鉄槌を下すんだ!痛めつけてから捕まえて縛り、牢屋にぶち込んどけ!」


「了解いたしました!リベルラ様!」


 僕の命令に、周りの冒険者たちが敬礼で答える。


 マンヒが驚愕した表情になって僕を見てきていた。


「ロッ、ロッサ!お前!お前ぇぇぇ!」


 マンヒが殴る蹴るの暴行を受けながら、僕を殺気に満ちた目で見つめてくる。


 ふんっいい気味だ……。


 冤罪で牢に入れられてろ、お前が僕にしたことだ、因果応報だよ。


「くそぉぉぉっ!ロッサぁぁぁぁ!」


 あーあ……。


 マンヒが必死に抵抗している。


 その度にもっと強く痛めつけられていく……。


 見ていて痛々しい……。


 僕の補正で強化された冒険者達に、マンヒが当然敵うわけもない。


 あっという間にボコボコにされて、気絶したマンヒは紐で縛られた。


「さて、ともかく皆、そんなバカはそこらに放っておけ!」


「はい!リベルラ様!」


 まったくビオリンゴンテと戦っている最中だってのに!


 縛られたマンヒが捨ておかれ、冒険者たちが隊列を組み直した。


「リベルラ様、やっと自身の力にお気づきになられましたね、顔つきが違いますわ」


「うん?そう?」


 自分の顔を確かめるようにさすってみた。


「ガギャアアァァァァァァァァアアアアアアアアアァァァァァアァァァ!!!」


 ビオリンゴンテが咆哮する。


すると使役しているモンスター達が、背中の森からうじゃうじゃと現れてきた。


 一体何匹いるんだ……?


「リベルラ様が余計な事をしていますので、こいつに回復時間を与えてしまいましたわ」


「ごめんごめん、でも挑発スキルのせいで真っ向勝負するつもりだな、あれ全部」


「そうですわね、リベルラ様の力で強化された挑発ですので、妾らの親兄弟まで殺さないと気がすまなくなっておりますわ、うふふ」


 イマノリさんが僕を見て嬉しそうに微笑んだ。


「何を笑ってるのさ」


「ふふふ、ステキになられましたリベルラ様を見られてうれしいのでございます。さて作戦を提案いたします」


 と急に真面目な顔になって、


「全モンスターが正面にいる我々しか認識していませんので、両脚に配置している部隊をこちらに合流させましょう、あの亀は顔面を攻撃した方が効果的ですので、全冒険者に正面攻撃をするよう指示いたします、ただモンスターの駆除を優先、デカいだけの亀だけにしてこちらの攻撃を有利にいたしましょう」


「ふーん」


 イマノリさんの作戦に反対する所もない。


「よし、それで行こう」


 僕はイマノリさんに微笑む。


「リベルラ様、戦いの始まりを皆にお告げ下さいませ!」


「よし!」


 僕は剣を抜き去る。


「行くぞ、みんな!ラクマカの街を守るぞ!」


 剣を天に掲げ叫んだ。


「はいリベルラ様!直ちに作戦を全部隊に伝えて参ります!」


「行くぞ、みんな!リベルラ様に続けぇ!」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


 前線部隊が咆哮する。


「ガギャアアァァァァァァァァアアアアアアアアアァァァァァアァァァ!!!」


 ビオリンゴンテが、僕らに呼応して咆哮した。


 僕らは突撃する。


 強化がうまくいったらしい。


 モンスターの大軍も、ただの一撃で葬り去れるとあれば、そして、どんな攻撃もこっちには痛くもかゆくもないとすれば、物の数ではない。


 戦況は一変した。


 次々と駆逐されていくモンスターの大軍。


 怒り狂うビオリンゴンテも顔面を攻撃され、たまらず一歩一歩後退していく。


「勝てる!勝てるぞ!」


「ああ、リベルラ様のおかげだな!」


 皆の士気も上がっていた。


 良かった……この街は大丈夫そうだ。


「リベルラ様の御加護があるぞ!」


「リベルラ様バンザァァァァァァァアアアアイ!」


 ……ん?


「えっ!?ちょっと待った!?」


 飛び掛かってきたキマイラの尻尾の蛇を切断しながら、僕は我が耳を疑った。


「リベルラ様バンザァァァァァァァアアアアイ!」


「時期天帝、リベルラ様バンザァァァァァァァアアアアイ!」


 と皆が叫び出している。


 皆が皆、こんな事を叫んで戦い始めてしまっているのだ。


「なんてことを叫んでいるんだ……後で言って止めさせないと」


「本当のことではありませんか、恥ずかしがることなんてありませんわ」


 イマノリさんが嬉しそうに言ってくる。


「……うーん、別にリーダーになっただけなのに困るなぁ……」


「これだけの事をしているのに……もう、自己評価が低すぎます」


「……そうかなぁ」


「この戦いも終わりそうですわ、さっこの活躍で一気に名前を上げますわよ」


「うん、そうだね」


 辺りを見渡しても、辺りには一匹もいない。


 もう使役しているモンスターは壊滅したらしい、地面がモンスターの死体で埋まっている。


「さぁ大詰めです!皆のもの!残っているのはビオリンゴンテだけですわ!全軍突撃!」




「面白かった!」


「……つまんなかった」


と思ったら……


下にある☆☆☆☆☆から、作品への評価をお願いいたします。


つまらなかったら☆を少なく、面白かったら☆を多く、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ついでにブックマークもいただけると本当にうれしいです!


何卒よろしくお願いいたします!

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