4 明かされるロッサの能力<対ビオリンゴンテ戦④>
4 対ビオリンゴンテ戦④
「な、何が起こったんだ?」
「あいつを噛んだ途端……」
「ビオリンゴンテの歯が!?」
周りの冒険者達がドッと騒ぐ。
皆が僕を見ていた。
「おいあんた!一体何したんだよ!」
「えっ何もしてないけど……」
僕は戸惑いながら答える。
こっちが聞きたいくらいだよ……ただ立ってただけなんだから……。
「何もしてないって……ああっまたビオリンゴンテが後退して行く!」
「おお、やった!痛がってるぞ!」
皆と同じように僕もビオリンゴンテを仰ぎ見たら、苦悶の表情を浮かべて痛がっていた。
僕を……噛んだせいなのか……?
「おいあんた!よくやった!でもどこの誰だ?」
「えっ?リベルラです、けど……」
「おい、こいつさっき、追放された奴じゃね?」
冒険者の一人が僕を指さし言った。
「そうだ、マンヒパーティの奴だ!」
「ちょっと待て、じゃあ、あの女の言ってたことは本当だったのか?」
と、そこに赤い布を腕に巻いたの男がこっちにやってくる。
「皆聞け!今よりリーダーに変更だ!」
赤い布を腕に巻いたの男は僕を見て、
「あなたが、リベルラさんで、宜しいですか?」
「そ、そうですが……」
「先ほどの力、この目で見ました。我等、リベルラ様の手足となって戦いましょう!」
指揮官の男が、周りの冒険者に向け、
「この方が新たなリーダーだ!新たなリーダーはリベルラ・ロッサ!あと命令無視をしているマンヒ様を見たら捕まえろ!捕まえリベルラさんにリーダー譲渡させる!」
「了解いたしました!」
周りの冒険者達が、一斉に敬礼する。
「グガアアァァアァ!」
ビオリンゴンテが叫び声をあげた。
どうやら戦意を取り戻したらしい。
「モンスター達が!」
ビオリンゴンテの叫びに呼応して、使役するモンスター達が僕たちに襲い掛かってくる。
「来ますわよ!リベルラ様お願いしますわ!」
「えっ、どうすれば?」
「ガアアァァアァ!」
オーガ襲い掛かってきた。
太く逞しい腕で、巨大な斧を僕目掛け振り下ろす。
……あれ?
おかしいな?
……まるでスローモーションのように見える……。
僕は剣を抜いて、振り下ろした。
「ふぎゃあああぃぃぃあああいいいぁぁぁぁぁ!」
オーガが腕を切断され、絶叫の悲鳴を上げる。
「さすがですわ!リベルラ様!」
「す、すげぇ!」
「あのオーガが一撃で!?」
剣には緑色の血がついていた。
僕が……斬ったんだ……。
僕は剣を見つめた。
すごい、ホントに、僕の力で……。
その時、
「ぼーっとするな!お前ら!」
と、聞きなじんだ声が後ろからして振り向く。
やっぱマンヒだ……。
「俺に任せろ!」
そう言ってマンヒが襲い掛かってきていたキマイラに向かって飛び、剣を振りかぶる。
キマイラが大きく息を吸い込んだ。
と、特大の火弾をその口から放出される。
「ぎゃあああああぁぁ!」
飛んでいたマンヒが回避もできずに撃墜されていった。
「あれ、マンヒ様だ!」
「えっ!?何だよ、あれ!?」
「弱っ!?」
「マンヒ様じゃだめだ!」
「そうだ!捕まえて、リーダーをリベルラさんに変えさせるんだ!」
そう叫んで冒険者達がマンヒへ走っていく。
「リベルラ様!モンスター達が来ます!」
イマノリがぼぉっとマンヒを見ていた僕に叫んだ。
「えっ?ああっ!?」
見ると空一面にモンスターがいて、空が見えない。
「なんかこっちに集まってきてない?」
「はい、挑発の効果も高まっているようでございます、ビオリンゴンテだけに挑発したつもりだったのに、周りのモンスター全員に掛かってますわ。どうりでモンスター達が一斉に来るわけですわ、うふっ、しっぱい、しっぱい、ですわっ」
イマノリさんがてへっとして頭を搔く。
「……何してんですか……」
「大丈夫でございます。リベルラ様、めんどくさいザコ集団への対処は妾におまかせあれ」
イマノリさんが両手を空に突き出し、魔力を練り始める。
何をするのかとみていると、指を広げ重ね合わせ、網目状を作って、
「はぁぁぁぁぁ、ホラノー!」
叫んだと同時、火球が突き出した両手から飛び出した。
ただその火球は、細かく分散する炎弾となっている。
炎弾はモンスターを貫通して次々と撃ち落としていった。
「なんだあれは!?」
「見たか、初めて見たぞ、あんなホラノー!?」
「知らないのか!?指で網目を作って一つの火球を小さな球に分けているんだよ」
「ただ、そんな方法を取れるのは大司教クラスだぞ……」
「てっ皆投げろ!大変だ!撃ち落とされたモンスターの下敷きになるぞ!」
次々に落ちてくるモンスター達をみんな必死に避ける。
そんな中、
「捕まえました!」
と言う声がして振り向くと、冒険者達に両腕をがっしり捕まえられマンヒがシールダー達の盾の傘の下で守られながら、僕の元へ運ばれてきた。
「何しやがる!殺すぞ!ロッサてめぇ調子乗るなよ!俺の力を見せてやるよ!俺にできないもんなどあるものか!」
元気だなぁ……。
「マンヒ様の神託の腕輪です、リベルラさん、お付けください!」
「おい、それ俺のだぞ、ロッサなんかに渡したら勝てなくなるぞ!」
とか言ってるマンヒを無視し、
「わかりました、皆さん僕について来てください!」
僕は左にはすでに自分のがあったので、右腕に神託の腕輪を付ける。
「おお、すごい……」
「何だこの、体から溢れるパワーは」
「マンヒ様の時もすごかったが、これは、段違いだ!」
リーダー補正で、戦場にいる冒険者全員が強化されていった。
「おい、自分にポファルを掛けてステータスを見てみろ!すげぇぞ!」
皆がどれくらい強化されたか確認しようとしている……もう良いよ、めんどくさいのに……。
「ステータスがカンスト!?」
「こんなのありえんのかよ!?」
「スキルも見ろ!?」
「1つ目にダメージ半減!」
「最高ランクの補正ばかりだ!」
「2つ目はダメージ二倍!」
「いや、もうカンストしてんだから補正なんていらねぇだろ!」
「3つ目に、ダメージ反射!」
「ばかりじゃねぇ、全部最高ランクの補正だぞ!これ!」
「4つ目に、魔力耐性」
「おお!まだあるのか!これなら勝てる!」
「5つ目に、超回避」
「えーと、まだあるんだな、これなら勝てるぞ」
「6つ目に、追加効果、毒」
「えっと……助かる、これなら勝てる……」
「7つ目に、二段ジャンプ」
「あの……もう勝てるからいらない……」
「8つ目に、攻撃時体力回復付与」
「……いくつあんの、これ?」
「9つ目に、クリティカル率アップ付与」
「10個目に――」
冒険者たちが唖然として、数えるのをやめてしまった。
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