3 明かされるロッサの能力<対ビオリンゴンテ戦➂>
3 対ビオリンゴンテ戦➂
「つまり……どうゆう事なんだよ、説明してくれよ!」
僕はイマノリに説明を求めた。
「私から説明しましょう」
レイさん?
マンヒの後ろに立っていたレイさんが前に出てくる。
「なんだよお前、引っ込んでろよ!」
「てめぇが引っ込んでろ!」
「えっ?」
……なんだ?
レイさんがマンヒを怒鳴り付けた!?
あまりの事にマンヒがあっけにとられている!?
「リベルラ様」
僕の名前を様付けで呼んで、レイさんが跪いてきた。
「マンヒの持つスキル、盗賊の極意の効果を先ほど、ギルド長のポファルで確かめてみたの。というのも、リベルラがいなくなってから、ダンジョン探索をした私達のパーティは、今まで体験した事のない苦戦を強いられたからなのよ。急に盗賊の極意のスキルの効果が出なくなっちゃったの」
「なんだって?」
僕はマンヒを見る。
「なぜ効果が出なかったのかを判明させるためにギルド長にお願いした次第なの。そしたら、盗賊の極意のスキルの効果は、パーティメンバーのスキルやステータスを奪うというもので、つまり、パーティを組んでいた時、リベルラ様の持つスキル効果をマンヒが奪っていたのよ、それで私達は今までうまくやれてたの」
「そんなことが……」
……それは本当なのか……じゃあ、ということは……。
「そしてリベルラ様、これからは私もリベルラ様のパーティに加え――」
「――リベルラ様!」
イマノリさんがレイさんを遮って話しかけてきた。
「効果が薄かった分けは、こやつの盗賊の極意で盗まれたがゆえに、覇王の紋章の効果が十分発揮されなかったのでしょう。だからこの馬鹿は、俺の時はこんな効果はなかった、とかほざいているのですわ」
とマンヒを横目で、蔑みながら言う。
マンヒの顔が引きつっていた。
「マンヒ、この事をずっと知ってて隠してたのか?」
「知らねぇよ、俺もさっき知ったんだよっ。こんなバカなことがあってたまるか!いいか!俺は――」
「――マンヒ殿、ちょっと良いですかな!」
ギルド長がマンヒの肩を掴み静止させた。
「それどころじゃありません!リベルラ様、ビオリンゴンテが態勢を整えました」
「ギルド長、今俺が話してんだ!引っ込んでろ!」
「てめぇが引っ込んでろ!」
「えっ?」
……なんだ?
ギルド長が怒鳴りつけた?
マンヒが怒鳴り付けられたショックで口をパクパクしている……。
「リベルラ様、今までの無礼をお許しください!」
とギルド長が跪いてくる。
ついでに僕の事を様付きで呼んでいる……。
「どんどん魔法攻撃を打ちまくっていてください、リベルラ様!もはやラクマカの街を救えるのは、天帝候補たるスキルを持つ、リベルラ様しかおりません!」
「なっ!なにぃ!天帝候補ぉぉぉ!」
マンヒが絶叫する。
周りにいた冒険者達もざわつきだした。
「おい、聞いたか、今の?!」
「ホントなのか、信じられん!」
「バカ!今のステータス見なかったのか、本物だよ!」
「じゃあ次期天帝は、あの人!?」
「俺、さっき失礼なこと言っちゃったぞ……どうしよう……」
……僕が天帝候補?
ホントになれるのか?
今の力は、僕の力なのか?
いや、何を疑っているんだ……。
さっきのバリンと、ステータスを見たろう!
僕は恵まれて生まれてきていたのか!
僕に才能はあったんだ!
「任しくださいギルド長!」
僕は力強くそう言った。
「おおっ!ありがとうございますリベルラ様!」
「さっ、リベルラ様が参りますわよ!直ちに軍全体に伝えなさい!」
イマノリさんがギルド長に命令する。
「はっ直ちにリベルラ様をリーダーいたします。おい!そこのバカ!信託の腕輪をリベルラ様にお渡ししろ!」
ギルド長がマンヒの胸ぐらを掴みかかった。
「はぁ!?なんで俺が!?違うロッサ!お前なんかがリーダーであってたまるか!」
マンヒが剣を抜き、
「どけ!あんな亀野郎、俺が直接しばいてやるよ!」
とギルド長を振り切って、前線へと駆けて行った。
「くっ、あのバカ!今すぐリベルラ様がリーダーであると全冒険者に通達し、マンヒを止めます!」
「早くお願いよ、ギルド長殿」
「はい!おい魔通で前線の全指揮官に連絡だ!」
ギルド長がそう言って去っていく。
「さてとリベルラ様」
とイマノリさんが腕を掴んできて、
「私達も前線へ向かいますわよ」
「えっここで魔法攻撃をしてたら良いんじゃない?」
腕を引っ張るイマノリさんに抵抗しながら言った。
「……リベルラ様、良い加減にしてください。ご自分の覚醒した力をまだ分かっていらっしゃらないのですか?」
「いや、近接戦は大の苦手で。さすがに自信とかそんな――ってぎゃああああぁぁぁ!」
腕が急に引っ張られたと思った瞬間、猛烈な風が僕の体に吹く。
イマノリさんが僕の腕を掴んだまま、前線に向け飛んだのだ。
周りの景気が猛スピードで移り変わっていった。
あんなに遠かったビオリンゴンテの元へ、一瞬目前まで到達する。
「さっ着きましたわ」
「ははは」
すごいな……。
イマノリさんの能力も僕のスキルで高まっているらしい。
ビオリンゴンテの大きな顔を見上げる。
正面に来たのか……。
目だけでも、そこらのモンスターよりでかいや……。
「なっなんだっこいつらっ、どこから現れた!?」
「空だ、飛んだ来たぞ!」
「何者だこいつら?」
「こいつ、ギルド追放ものじゃないのか!?」
周りが僕達を見てざわつく。
そんな中、
「スキル発動、挑発」
そんな言葉が横から聞こえた。
「イマノリっ今、何のスキルを使――」
「グガアアァァアァ!グアアァァァァ!ッ」
ビオリンゴンテが怒り狂い、僕とイマノリさんを、その大きな瞳でにらみつけてくる。
スキル「挑発」は敵を怒らせ敵の全能力を一時的に上げるかわりに、注意をこちら一点に向け事の出来る、そんなスキルだ。
「な、何考えてんだあの女!?」
「いきなり現れたと思ったら、うわぁぁぁ!来るぞぉ!」
「逃げろおぉぉ!今まで以上の攻撃が来るぞぉぉ!」
周りの冒険者が一斉に逃げ出した。
「グガアアァァアァ!」
雄叫びと共にビオリンゴンテが僕に噛みつかんと大口を開けて迫る。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」
僕は成す術なく、その鋭い牙にはさまれてしまった。
「ギャガアアハァァァァァァァッ!」
悲鳴が戦場に響き渡る。
何があったかと見上げると、僕を噛んだ牙が粉砕していた。
ビオリンゴンテがたまらず後退していく。
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