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74 バーベキューはお好き?

「さあて……こっから本番だ。リム様は車の中で大人しくしてろよ」

「分かりましたわ。ふふっ、皆さまのお口にあえばいいのですけれど」

「きっと気に入るさ。行くぞ野郎ども、仕事に取り掛かるぞ」


 死体が血の一滴すら残さず溶かされたのを確認して、車が進んだ。

 やがて見えてきた。忌まわしいあいつらのキャンプが。

 廃材と土嚢に囲まれた拠点で、機関銃を据えられた見張り台が幾つもある。


「そこの車、止まれ!」


 贈り物を乗せた装甲車に見張りが立ちふさがる。

 入口へと続く道を妨げるそいつはカルト信者にしてはいい装備だ。

 全身に金属鎧、手には使い込まれた突撃銃、装備が良すぎないか?


「貴様らは誰だ? ここに何の用だ?」

「ニルソンの連中から物資奪ってきたんすよ、同志!」


 そんな相手に向けて頭上で赤毛の機関銃手が言った。

 すぐに銃座から「おい、手紙貸せ」とこっちに向けられる。

 ツーショットがさっきの手紙を渡してしばらくすると。


「……西側担当のやつらか。このところ連絡がなかったようだが何故だ?」

「あいつらに襲われて死にかけてました! 大変でしたよほんと!」


 銃座担当のやつがとんでもないことを言い始めたぞ。

 まあ俺たちが襲ったのは事実だ、皆殺しになったが。


「まああんたらの加護で助かりましたよ、お礼にお布施を持ってきました」

「……そうか。いい心がけだ、先へ進め!」

「ありがとうございます! 血と肉の神の御加護があらんことを!」

「良く来た兄弟! 医療サービスを受けたければ呪術師のところへいけ!」


 こうして見張りは快く道をあけてくれた。

 車が進むと赤毛の男が車内に「馬鹿じゃねぇの」と悪態をついてきた。


「こいつら嫌いだ。みんなひき肉にしてやりてえ」

「まあ落ち着けよアーバクル、あとで俺がぜーんぶ消毒してやるよ」

「言ったな? そいつで一人残らず消し炭にしちまえ、ぜーんぶな」


 すぐ隣で放火魔な友人が火炎放射器のノズルにカートリッジを込めた。

 エアタンクと銃のパーツとゴムホースで作られたそれは、白文字で『ヒドラブレス』と添えられている。


「ヒドラブレスか、いい名前だな」


 手作り感あふれるそれに一言コメントしてやると、


「へへへ、タンクの撃墜数が見えるか? こいつは今まで五十人近く焼いたんだ」


 ヒドラショックはマスク越しの低い声で白い印を自慢してきた。

 そこに「今からスコア更新だな」と運転手が付け加えてきて。


「……諸君、ちょいと周りを見てくれ。こりゃすごいぞ」


 いよいよ防護壁の内側に入ると信じられない光景が待ち構えていた。

 テントや小屋が乱立し、たくさんの信者をとどめるための設備がそろっている。


「おい見ろよ、すげえ数の武器だ。どっからこんなに集めやがった?」


 そして内部にある物資の数も異常だ。隣で熱い男が興奮するぐらいには。

 覗き窓から最初に見えたのは奥に押し込まれた大量の兵器だ。

 大きな砲身を持つリベットまみれの戦車、南に向けた迫撃砲たち、三脚に乗せられた機銃だってある。


『ねえ、武器でいっぱいだよ……? 本当に戦争でも始めるみたい……』

「ボスの言う通りだけど多すぎるだろ……ヒドラ、ありゃなんだ?」


 本格的な品々を見てると、その中で異質なものを見つけてしまった。 

 ただのトラックだ。ただし荷台には何かの発射装置がある。

 レールが並行に並べられて、大型のロケット弾が何発も乗せられていた。


「あったな、あれだ。多連装ロケット砲ってやつだ、見た感じ100㎜か」

「単純に質問させてもらうとだな、あれってやばいのか?」

「シンプルに言うとうちらには超効く。あんなの全部ぶち込まれたらやべえぞ」

「つまりプレッパータウンが危ないってことでいいんだな?」

「地上は全滅だろうな。一体どっからあんなの持ってきやがったんだ」

「だったら調達先について聞いたほうがいいんじゃないか?」

「そうだな、答えてくれる親切な奴を探そうぜ」


 要するに我が家が地味にやばいってことだ。

 そうこうしているうちに車が停まった、始めようか。


「おはよう! アルテリーの諸君!」


 車から飛び出すと、ツーショットが両手を広げてご挨拶に向かう。

 その先にいたのはもちろんアルテリーの信者たちだ。


「……あぁ? なんだテメェ?」

「おい、うるせえぞ……朝から大声出すんじゃねぇよ」


 まだ寝起きなのか、何人かが眠たそうにこっちを見てきた。

 しだいに他のやつらもこっちの存在に気付く。

 テント、小屋、車両の中から、数十人分はあろう視線が向かってくる。


「我々はあのくそったれのニルソンを襲撃し、物資を手に入れた! これも血と肉の神とやらのご加護のおかげだ!」


 謎のスピーチが始まると「なにいってんだこいつ」みたいな顔つきをされた。

 後ろを見ると、二人の女性が車からタンクをごろごろ転がしてきた。


「そこであなたたちにご布施がしたい! やつらから手に入れた戦利品をどうか受け取ってくれ!」


 当然、武器を手にした連中の視線が一気に集まる。

 だがツーショットはひるむことなく馬鹿みたいに大声を出して。


「同志よ! 彼らに食料を!」


 そう呼ぶと、装甲車から箱を抱えた放火魔がのそのそ出てきた。バーベキューソースのうまそうな香りがする。


「あー……どこに置きましょうか、リーダー」

「奥だ、彼らの取りやすい場所に置いてやれ」

「うっす。そこの黒いの、手伝え」

「…………了解、周りに気をつけろよ」


 ……黒いのっていうのは俺のことか。言われた通り一緒にサンドイッチを運んだ。


「おい、なんだお前たちは? 勝手に入ってくるんじゃねえよ」

「ははっ、なんだその格好は! 宇宙人か?」

「なんかうまそうな匂いしねえか……?」


 二人で運んでいくついでに、周りを良く見た。

 確かに周りは信者だらけだが、テントの方にはまだ結構人がいる。

 開きっぱなしの中には数人の男たちがすし詰め状態で寝ていた。


(……ヒドラ、こいつらよく眠ってるな?)

(ああ、のんきに休んでやがる。テントは任せていいか?)

(任せろ。今までの借りを返してくる)

(ようやく仕返しできるな。派手にやっちまえ)


 信者たちの輪をかき分けながらさらに進んだ。

 やっぱりここにいる連中はどう見ても前より身なりがよすぎる。

 もうこいつらは人肉で自己表現するだけの狂人じゃない、それなりに戦える連中になってしまったようだ。


「――待て! 一体何の騒ぎだ!」


 そんな奴らの前に水と食料を運ぶと、群れから一人が飛び出してきた。

 すごい格好の男だ。装飾だらけの鞘や金細工の小物で下品に主張している。


「私は審問官のトリシュ、お前たちは同盟軍の者たちか?」


 興奮気味な高い声でそいつが尋ねてくる。

 スケルトンみたいなマスクで顔が隠れているが、ご機嫌はかなり悪そうだ。


「……そうです、審問官どの。感謝の気持ちを伝えに来ました」


 俺は周りによく見えるように捧げものを示した。

 ついでにヒドラショックを小突いて「下がれ」と伝える。


「感謝の気持ち? 連絡もなしにいきなり来て何様のつもりだ!」

「いいじゃないですか、俺たちの出世がかかってるんですから」


 ……ツーショット風に言うならこうか?

 両手を広げて図太い態度を作ってそう伝えると、


「……ゴマすりに必死な連中め、それくらいで立場が良くなると思うなよ。それで、何を献上しに来た?」


 当たったようだ。気に食わなさそうな態度だけれども。


「あいつらから奪った食料です。ここにいる人数分はあるかと」

「……それから水の補給も」


 そこでリム様のとっておきを見せた。遅れて双子も水を運んできた。

 屈強な姉ちゃん二人は「頼んだよ」とこっちに目配りした。


「食料? それだけか?」

「ええ、でも最高にうまいんですよ。ちょっと冷めてますけど」


 審問官とやらが「見せてみろ」といってきた。

 すかさず無造作に一つ掴んで、目の前で包みを開ける。


「ほら、あいつらこんなの食ってたんですよ!」


 魔女特製のバーベキューサンドを見せつけた。

 さほど興味のなさそうだった相手が食いついてくる。周りの連中も匂いと審問官の動揺につられて集まってきた。


「……なんだ、それは。ただの食い物ではないか」

「バーベキューサンドです。うまいですよ、ほら」


 釘付けになった視線の先で豪快に、下品にかぶりつく。

 具は味付けした肉だけ、それも冷めてしまってるが死ぬほどうまい。


「…………毒は、入ってないのか?」

「入ってたら俺も死んでますよ。さあ、おひとつどうぞ」


 自称審問官がおそるおそる拾って、包みを開けた。

 ソースの香りが漂うとついにマスクを外して、パンと肉をかじり。


「……こ、これは……一体なんだ!? うますぎるぞ!?」


 イっていた目に生気が宿るレベルで感動しはじめた。

 当然そんな反応をしてしまえば周りの連中の意識が集まる。 

 仲間のいる方を見た、ツーショットが「仕上げだ」とサイン。


「審問官どの、我々だけがおいしい思いをするのはフェアじゃないでしょう。この糧は皆等しく共有するべきでは?」

「……う、うむ。そうだ。確かにそうだ。お前たち、食事の時間だ!」

「い、いいのか? 食ってもいいのかよ!?」

「おっ……俺にもくれ! やっと、やっと飯が食えるぞ!」

「おいそいつは俺のだ! 奪うんじゃねえ!」


 審問官の一言が決め手となって、周りの連中が箱に集まってきた。

 テントの方では眠ってたやつが目覚め始めてる――やるか。

 

「実はまだ他にも献上品があるんですが、準備させてもらっても?」

「ああ、好きにしろ! なんだこの味は……うますぎるッ!」

「ヒャッハー水だぁ! 久々のきれいな水だぜぇ!」


 食い物に群がる信者たちから車の方へと戻った。

 銃座についていたやつもいない、あいつらはデコイに引っ掛かってくれてる。


「――ヒドラ、出番だぞ」


 じゅうぶんに離れてから俺は群れる人間を指差した。

 小銃手二人が配置につく、装填済みの五十口径が向けられる。

 ツーショットが自動式の小銃に手をやる、ニクが低く唸った。


「おっ……おっ……!」


 そして火炎放射器を手にしたヒドラショックが急に震えだす。

 あいつはもう我慢できないといった感じに全身をぶるぶるさせて。


「汚物は消毒だぜェェェェェェェーーーーーーッ!!」


 群がる信者たちにノズルを向けて、トリガを引いた。

 ところがぱつっと音がして先端から煙が出るだけだ。

 不発かと思った瞬間――燃えさかる炎の線が勢いよく絞り出された!


「あっ――ああああああッ!? あああああーーーーッ!?」

「あ、づっ! いいいいいいいいっ! ひ、火がァァァァ!」

「はっ!? あ、あ、ぎゃああああぁぁぁぁっ!」

「熱い! 熱い! だれかだれか助け――!」


 火炎放射器で人が焼かれるなんて、一体どれだけ非常識な光景だろう。

 思った以上にまっすぐ飛ぶ炎は固まった人間なんて余裕で捕まえる。

 振り回された火の線が周りにいる奴ごと焼き払って、多少離れていようがまとわりつく炎は確実に人を火だるまにする。

 不意に撃たれたらどうやっても避けられないのだ、これは。むごすぎる。


「……なっ!? なんだとぉ……」


 幸いにも離れていた審問官が状況を理解できずにこっちを見ていた。

 すぐに気づいた、そいつは「マナディフェン――」といいかけるが。


「ふぎゅっ」


 突然目の前の審問官の頭が弾けた。

 遅れて遠くからぱぁん、と銃声が響く――ボスたちの狙撃だ。


「状況開始だ野郎ども! 自由にやれ!」


 火あぶりにされる信者たちを前に、陽気なツーショットの声が飛ぶ。

 報復の時間だ。無差別放火する仲間越しにグレネードランチャーを向けた。


「おはようカルトども、この前は世話になったな!」


 狙いはテントだ、飛び起きた人の姿が見えた、トリガを引く。


*Pom!*


 40㎜弾ならではの砲声のあと、小規模の爆発がテントをずたずたにした。

 すぐに銃身を折って熱々の薬莢を取り出し装填、次のテントを吹き飛ばすと。


「ボルターの怪め! よくも兄貴を殺してくれたな! てめえがしたみてえに腹に風穴開けてやるぜェ!」


 別のテントからバイク用ヘルメットをかぶった男が飛び出てきた。

 姿を現すなりこっちに向かって散弾銃を向けてくるのだが、


「グルゥッ!」

「ひっ!? な、なんだこの犬はうがっっ!?」


 横から現れたニクが腕に噛みつく。

 悲鳴を上げる男を問答無用で押し倒すと、食らいついた腕をぶんぶん振り回し。


「いっ、でぇぇっ! やめろっ! 俺の腕っ! は、離しやがれェェ!?」

「ウォンッ!」


 手放した銃をくわえてこっちに走ってきた。

 グッドボーイだ、弾を込めたグレネードランチャーを構える。


「よう、食後のデザートはどうだ?」

「やっ……やめてくれっ! 分かった降参ださっき言ったことは忘れ」


 相手が尻持ちをついて命乞いを始めたが知ったことか、至近距離から射撃。

 グレネード弾がぼすっと腹に命中、爆発することはなかったが「おぼっ!」とかいってじたばたのたうち回る。


「うひゃはははは始まった始まったァァ! たまらねえぜぇぇッ!」


 そばでハイになった機銃手が50口径をそこら中に撃ちまくる。

 遠くで戦車に乗り込もうとしたやつがばちっと弾けるのが見えた。


「――マナディフェンド!」


 そこへ防御魔法をまとった槍兵が機銃の射線外から突っ込んでくる。

 仲間の小銃が集中してぶっ放されるが、ぺきっと音を立てて弾かれる。

 狙いは……まずい、ヒドラか!


「……それならっ!」


 ミコに任せるか、ニクにやらせるか、いや俺だ!

 誰よりも早くベルトから即席ナイフを抜いて構える。

 影が見えた――ここだ。走り寄る信者の足元めがけてぶん投げた。


「この悪魔め! 死ねぇぇぇぇ――――えっ?」


 伸びた影にずぶりと刺さった。

 穂先を叩きこもうとしたそいつの動きがぴたりと止まる――成功だ。

 『シャドウスティング』だ。信者が片足を上げたまぬけな姿で止まった。


「うっ……動けん! う、うごけ! くそっどうなって」

「おいおいどうなって――まあいいか。よお旦那、とびきり熱いのはどうだ?」


 そこへ火炎放射器のノズルが突っ込まれる、大きく空いた口の中だ。

 ぼふっと腹の中に炎を流し込まれるのが見えた、いやなもの見ちまった。


「はっはー! イカれてるなぁ! 一人も逃すなよ!」

「引火して爆発とかしないよな!?」

「したらその時だぜ、ところでさっきの手品はどうしたんだ!」

「ついこの前ニンジャになった!」


 ツーショットの小銃にあわせて、車の陰に向けて40㎜を放つ。

 向こう側で榴弾が炸裂、遮蔽物にいたやつがいい感じに吹っ飛ぶ。

 大体は火だるまになったみたいだが敵は立て直してきてるようだ。


『――セイクリッドプロテクション!』


 と、そこへミコの詠唱が始まった。

 何かの呪文の先は荒れ狂う機関銃手だったようだ。

 周りに青くて透き通った盾みたいなものが三枚ほどまとわりついた。


「逃げれるなら逃げてみやがれ! 俺とガルフィから逃げられると思うなよクソども! うひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」


 まあ本人は気にしちゃいない、そんなこと知るかと撃ちまくってる。

 そんな彼の周りを守るようにマナ色の盾はくるくる回ってるのだが。


「あいつらの50口径を黙らせろ!」

「どけ! こいつででミンチにしてやらぁ!」


 小屋の裏からバカでかい銃を持った二人が銃座にめがけて発砲、クソうるさい銃声を響かせて機銃手を吹き飛ばそうとして。


 がきんっ。


 重い金属が弾かれるような音を立てて無力化されてしまった。

 くるくる回っていた盾が発射方向に急いで立ちふさがったのだ。

 代償として一枚はがれてしまったが、まだ二枚残ってる。


「俺は人間ボディアーマーだァァァァァッ!」


 元気に撃ちまくる男に唖然とした信者二人の頭が急にはじける、狙撃だ。

 数人ほど固まって逃げる奴らを発見、榴弾を発射して足止めした。

 すぐに南からの狙撃でダウン、ボスたちはよく分かっている。


「ミコ、今のは!?」

『防護魔法だよ! スキルが低いから三枚だけしか出せないけど……』

「燃料切れだ! 朝のカクテルもサービスだぜぇ!」


 逃げ戸惑うやつらの背中にヒドラショックが火炎瓶をぶん投げた、

 足元で割れてさらに人へと火が乗り移る。火だるま人間たちが水を求めてタンクのもとへと駆け寄ってくるが。


「ああああぁぁっ! み、みず! 水ゥゥゥ!」

「ヒドラのやつ今日もはしゃいでるわね、見てるだけで暑苦しい」

「ったく! 後先考えないから彼女もろくにできないのよあいつ!」


 小銃でめちゃくちゃに撃たれてばたばた倒れていくのが見えた。ご愁傷様。


「貴様らァ……! よくも好き勝手やってくれたなァ!」


 大体片付いてくると、そこへ大きなシルエットが現れる。

 燃えさかる地面をものともせず、機械をまとった男の姿がずんずん歩いてきた。

 エグゾアーマーだ。こうして目にするのはシェルター以来か。


「……我はアルテリー・クランの重装歩兵隊長、スウィニー!」


 そいつは分厚い装甲で全身を覆っていて、身を焼かれながらも迫ってきた。


「我らの崇高な使命を邪魔する異教徒め! ここで八つ裂きに――」


 燃え盛る男は炎の壁をかき分け、身の丈ほどはある大剣を掲げるのだが。


「……しっ!」


 ……よく見ると影があったのでナイフをぶん投げた。

 あっけなく『シャドウスティング』が決まってぴたりと動きが止まる。


「なっ……う、動かないだと……!? 馬鹿な、故障か!?」


 どうやら残りはこいつだけらしい。

 俺たちは各々獲物を向けた。


「……貴様らの強さはよく分かった、よし、ここはどうかふっ!?」


 ところが燃えさかる男に狙撃がヒット、頭がつぶれる。たぶんボスだ。

 こうして拠点は清掃されたわけだ、めでたし。

 まだ敵が残っていないか動き出そうとすると、


「ウォンッ! ウォンッ!」


 外からニクの鳴き声がした。

 息も絶え絶えな信者の足をくわえてこっちに引っ張ろうとしている。


「生け捕りも成功だな。それじゃお楽しみの尋問タイムといきますか」

「ああ、あとでご褒美やらないとな」


 一仕事終えたツーショットと一緒にそいつを捕まえに行った。


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