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魔法の姫と世紀末世界のストレンジャー  作者: ウィル・テネブリス
魔法の姫とファンタジー世界暮らしの余所者たち
572/580

77 吊られたうねり木、グラフティングパペット(2)


*BaaaM!*


 ロリどもを信じて、ニクと一緒に怪しいそれを撃ち抜いた。

 小銃の跳ね上がりにあわせて、がしゅっと力強く矢も飛んだ。

 手ごたえはあったし、オリスの矢が突き刺さっていくの確かに見えたが。


 ――ばさっ。 


 木の化け物が襲ってくると思いきや、向こうで枝がばさばさと落ちた。

 ちょうどメカやレフレクが怪しいと思ったあの場所からだ。

 ひしめきあう木が、地震でも食らったようにふるふる震えていた。


『ガカカカカカカカカカカカ』


 軽くて澄んだ音も響く。

 笑い声みたいに聞こえるのは、俺の幽霊嫌いからくるイメージかもしれない。


 ……そこで化けの皮がはがれだした。


 目測でドラム缶ほどはあるんじゃないかという幹から、やけに太い枝がぐねりと降りてきた。

 まるで蛇みたいな動きで、二本の枝分かれが地に当たった。

 その拍子に枝葉の緑色がぼろぼろ落ちた。

 幹とは色も形も不釣り合いで、まるで違う木から盗んだような感じだ。


『ガカカカカカカカカカ』『カカカカカカカッ』『カカカカカカ……』『カカカカカカカカ!』『ガカカカカカカカカ?』


 もう隠す気もなくなったに違いない、木々だったものが立ち上がった。

 それらしく振舞っていた根元もめきめき分かれて、股の開いた二足歩行でバランスをとる。

 人間に寄った格好を作って、持ち上がっていた枝が接地するほど長い腕に化けた。

 そして――


「ガカカカカカカカカカカカカカ!」


 低くて太い幹のてっぺんで、ノルベルトより大きな頭が黒目を光らせた。

 首のないひとつながりのそれは、大きな口からトカゲモドキの抜け殻をだらりと垂らしている。

 それが五本、いや五体も動き出す。

 魔獣の死骸よりもいいご馳走を見つけたんだろう、食べかけを捨ててずんずんと人の走り方を始めた。


「――オリス、あれってなんの冗談だ。まさかお前らゲームの中であんなやべえのと戦ってたのか?」

「……正直、あれは作中に出てきたものと比べてかなり異なる。もっとファンシーな走り方だったし、あんな血に飢えた獣如き様相ではなかった」

「もう何度目か分からないけどしつこく言ってやる、呪われてんぞここ」

「貴方の言葉を借りるなら『思ってたんと違う』といったところ。あれはもはや我々の知るグラフティングパペットではない」


 あまりにも気味の悪さに手も思考もバグって固まった。

 オーガの横幅があって、しかも俺と同じぐらい背がある木の人形だぞ?

 地べたまで伸びた腕の先だっておかしい。

 人の手のようなものが分かれ出てる――まるで()()()さながらに。

 しかもだ、片腕には樹皮をまとった大剣みたいな形が軽々と握られてる。


「木が走ってる……!? ご主人、あいつら一斉に来る……!」

「ついでに武器も持ってやがるぞ!? ここのお住まいのフランメリア国民じゃないよな!?」


 そいつらがペースをどしどしやかましく早めた直後、ニクの槍が持ち上がる。


*BAAAAAAAM!*


 308口径の仕込み銃がまっすぐ来る木の化け物に当たったようだ。

 誰かに吊られたような大ぶりの動きが怯むも、木の根でできた足は止まらない。

 ああ、なるほど、『グラフティング・パペット』の名は正しいみたいだ。

 いったい誰に操られてるのやら、接木の操り人形がぎくしゃく襲ってきた!


「うわっきも……こいつがグラフティングパペットとか冗談だろ!? 」

「皆、焦らず固まって迎撃して。原作通り腕から生えた木の剣に気を付けて」

「ひゃー!? レフレクの知ってるグラパペさんじゃありませんっ!? ホラーゲームですっ!? 【フォトン・ボルト】っ!」

「くそっ! お前ら、状況開始だ! あとこれ考えた奴は一回地獄に落ちろ!」



 週に一回生贄を求めそうな妖怪が五体もやってくるが、幸い動きは愚直だ。

 押し寄せる幹を狙って撃つ。合間に矢が挟まって射貫く。レフレクの光弾がどこかの誰かに当たる。

 効果ありだ。俺たちの迎撃にひどい見てくれ揃いの一体が転んだ。


「ひゃっハーーーー! 久々のグラフティングパペットだァー! 【ウォータースパイク】!」


 メーアの詠唱も横に入って、ひとまとまりの突進に太い水の杭が刺さる。

 脱落した仲間を追い越したやつを貫いたようだ、樹皮がぐっさり穿たれた。

 【ガカッ!?】とまた一体ダウン、けれども腕は動いてしぶとさを表してる。


「マジで木かよ……! 銃が効いてんのか分かりづらいな!?」


 一方で現代火器の恩恵なんてかすむようなものだ。

 当たってる手ごたえはあれど、貫通力不足か衝撃が物足りないのか目立った効果が見当たらない。

 弾をばらまけば最後の一発だ、手近なやつの頭部らしい場所を狙って撃つ。


「ガカッ……!? カカカカカカカカカカッ」


 遠くで間違いなく当たった。なのに仰け反っただけで足が止まらない。

 308口径を脳天に食らって生きてるとかなんの冗談だ。

 小銃をあきらめて足元に放り込むと、オリスがするりと一歩前に出て。


「植物系の魔獣はしぶとい、それゆえ足止めには強い衝撃力も必要。けれど動きは単純で目的もまっすぐだから捌きやすい」


 冷静で淡々とそう述べながら、ぎぎっと絞った弦を放った。

 アーツ特有の強張った構え方だ、びゅお゛っと強烈な一発がすっ飛ぶ。


「ガカカカカカっ」


 ヘッドショット食らいたてのそいつに()()()になった。

 俺のフォローをしてくれたらしい、途端に身体が締まって派手に転んだ。

 【フォトン・ボルト!】と光魔法も次々飛んで勢いを押し殺していく。


「それ、エーテルブルーインの時も使ってたよな!? どんなアーツだ!」

「弓スキル30の【アーマーハント】というもの、便利だけど疲れるから好ましくはない」

「俺も覚えようかと思う、ありがとう!」


 目に映る敵は三体、それから立て直して続くもう一体のあわせて四体だ。

 少し駆け込めばお互いがぶつかりあうところまで達した、マチェーテを抜いてどう切り込むか一瞬迷うも。


「仲良しなところ悪いけど白兵戦突入だよー、お先いってきまーす」

「一番槍はワタシだゾ! ミンナ続ケ!」

()()の間合いに気を付けてください! あの動きから察するに見た目以上に勢いがありますよっ!」

「おっお任せくださいだんなさま!? ここはあたしが……!」


 そんな俺を差し置いて、頼もしいロリ四名が続々と駆け返した。

 槍を突き構えるメーアが先をいって、トゥールとホオズキが追いかけ、最後にメカが続く仕掛け方だ。

 どうするか悩んだ、ニクと目を合わせてすぐに横へ回り込むことにした。


「レフレク、マナが切れましたー……」

「オリスの頭の上にいろ! 横からいくぞニク!」

「ん、他にもいるかもしれないから気を付けて」

「私も貴方に続く。このまま援護兼周囲の警戒」


 オリスのレフレク添えも背後に連れて、メーアたちから小さく離れた。

 別動隊四名で動けば、あいつらの戦いぶりもさっそく始まったみたいだ。 

 槍の間合いに入ったグラフティングパペットが木の剣を重たくぶん回すが。


「見かけはすごいガ、ワタシたちの知ってる雑魚みたいだナ!」


 えらく余裕な一番槍が高々とジャンプ、回避ついでにそいつの胸に飛び込んだ。

 そこに滑るような突きが捻じって伸びる――胸元をぐさりと貫いた。

 このアーツは知ってる、シナダ先輩が使ってた【イグノアストライク】だ。


「ガカカカカカカカカッ……!?」


 しかも効いたみたいだ、強引にぶち抜かれたせいでそいつが急に動きを失う。

 また一体仕留めたのもつかの間、次は二体が自前の剣を振りかぶってくる。


「お久しぶりだねーグラパペくん。ちゃーんとゲームに忠実なところ残ってたのかな……っと!」


 が、それよりずっと早い身のこなしでトゥールが間に潜り込んだ。

 突然の猫ッ娘に意識がかき回されて、ずどどんっ、と地面がむなしく叩かれた。

 その間にメーアが片割れを突いて離脱、ささやかな嫌がらせに敵が一瞬ゆるむ。 


「……ありがとねメーア、もーらいっ!」


 生じた隙に"ワーキャット"らしい足踏みが斬りつけた。

 二刀で胴体にあたる幹を素早く刻んで、樹皮に抉り跡をどんどん刻んでいく。

 相手が退きながらも枝状の手をぶん回せば、その腕をすぱっと切り上げる。

 片腕がなくなれば体勢を崩したところに足を断って――あー、とにかく強い。


「作中でお見掛けした時よりずっと面妖ですが、見た目に騙されてはいけませんね……っ!」


 もう片方はホオズキの刀が抑え込んでいた。

 木の魔獣の剣もどきと、鬼ッ娘の身の丈ほどの長い得物がガンガン打ち合う。

 袈裟斬りを払いのけ、まっすぐな叩きつけを斜めに流し、しまいにやけくその横薙ぎが襲い掛かるも。


「――はぁぁぁぁッ!」


 待ちかねていたとばかりにホオズキが縦に一閃した。見失うほどの斬撃だ。

 あいつらしい銀色の刀身が走ったかと思えば、木の剣が半ばから跳ね落ちた。

 動きといい結果と言い、今の動きもまたアーツだ。


「ガカカカカカカカカカッ」


 突然50%オフになった木剣の持ち主が一瞬戸惑うも、眼前にはホオズキの次の構えが待ってる。

 鬼ッ娘の大ぶりの一撃が幹に刀を走らせた――こっちもお手頃カットだ。

 ぴったりな連携に三匹があっという間だが、『カカカカカッ!』と転んだ出遅れも襲い掛かり。


「ホオズキさん! あとはあたしがっ……たあああああああああっ!」


 入れ替わるように押し入ったメカが大斧で迎え撃つ。

 大きな得物同士がそこでぶつかった。ごきんっと鈍い破壊音も響いた。

 結果はすぐ目に見えた。一つ目メイドの馬鹿力が木の剣も腕も叩き斬って圧倒してる。

 最後に「えええええいっ!」と可愛い雄たけびが二撃目を入れて伐採だ、考えてみれば斧と木の相性はいい。


「……俺たちいらないんじゃないか、これって」

「ん……あっという間だった?」


 瞬く間な撃破劇を見せられて、ニクと一緒に呆気にとられた――その時だ。


『ガカカカカカカカカカッ!』『カカカカカカッ、カカカカカッ』『ガカカカカカカカ――!』


 不吉な音を嫌に感じた、今度は横からだ。

 まさかと思えばもう遅い、木々の間からガタガタ走る人影が何体も向かってくる。


「おいおいおいおかわりとか誰が頼んだっ!?」


 追加のグラフティングパペットどもが駆けつけてやがった。

 森の風景を抜けた抜け駆けが、木の剣を俺に叩きつけて――


 がきんっ。


 切れ味最悪の剣はすぐそこにあったが、幸いにもニクが横槍を入れた。

 グッドボーイだ。でもかなり重たそうだ、ダウナー顔を険しくして抑えてる。


「……う、お……? し……、仕留めるぞ!」

「ん、分かった」


 お互い目つきを一瞬交わしてすぐに動いた。

 ニクが縫い留めるそれを抜けて、マチェーテ片手に回り込むが。


「お兄ちゃん、援護する」

「マナ補充完了ですッ! ふおおおおおおおお【フォトン・アロー】!」


 オリスの矢が後ろを通り抜け、続くように光の魔法が間近の敵を打ち据えた。

 二人の援護に押されるように刀身を振りかぶる――狙いは力を込める右腕だ。


「そりゃどうも――おらぁぁぁぁぁっ!」


 伐採タイムだ、こっちに気づいて持ち上がる太枝をぶっ叩く。

 刀身の重みに湿気た木材を切ったような手触りが伝ってきた。

 マチェーテの適材適所はここだったようだ、ぶっつり木剣ごといった。


「ガカカカカカッ……!?」

「ありがと、あとはぼくがやる」


 木剣のバランスが崩れたその時、ニクがトドメの作業に入る。 

 頑なにじとっとした顔つきがグラフティングパペットの懐まで迫った。


「たぶん、ここ……!」


 飛び込むような殴りが迎え撃つも、強かに育ったニクに当たるはずもない。

 空振りの余波で無防備に突き出た()()に身体ごと穂先が突っ込み。


「ガッ、カ、カカカカカカカカカカカカッ」


 どすんっと押し倒されるほどに深々刺し抜かれて、さぞ効いたような身の震え方だ。

 念入りに抉られれば完全に静かになった。なるほど、胸が弱いようだ。


「ご主人、胸元に手ごたえがあった。頭よりここがいい」

「いいこと聞いた、アドバイスどうも」


 ニクはふんすふんすしながら得意げに槍を引っこ抜いてきた、撫でてやった。

 ヘッドショットよりもっと心に響く場所があるなら話は早い、だったらこいつだ。

 三連散弾銃を折って弾を込めた――ヘキサミンお手製のスラグ弾だ、飛ぶぞ。


「お兄ちゃん! 次が来た……!」


 装填した直後にオリスの矢がそばを抜けた。

 追えば敵の援軍の距離感がもうすぐそこだ、矢羽根つきの接ぎ木が飾られてだいぶ足が難儀してる。

 なので逆にこっちから迫った、まだ勢いの強い一体と面と向かいにいく。


「ガカカカカカカカッ!」


 黒い目が合って「いかにも」な敵意を感じた。

 狙いもちびエルフから俺に移ったか、迷いもなく植物由来の剣が薙ぎにくる。


「――お邪魔してるぞ、ご挨拶だ!」


 三本の銃身を片手でそこへ持ち上げた。

 ざっくりした照準に切りかかる魔獣の姿が乗った――トリガを引く。


*zBaaaaaaaaaam!*


 至近距離からの一粒弾はさぞ痛いに決まってる、木の魔獣が小躍りした。

 頭があって両腕があるなら、その間を狙ってぶち抜いてやればいいだけだ。

 そこがニクのいった胸元なんだろう、枝を引きつらせながら崩れた。


「だんなさま、今いきますっ! このぉぉぉ……!」


 銃口で「次」を狙うと、後ろからものすごい勢いでメカが駆け抜けた。

 狙いの先にいた追加の魔獣は割り込むメイドにびっくりだ。

 矢を生やされた挙句に、迫る斧刃で顔ごと薪割りにされたようだ。

 するとメイドの肉薄に『ガカカカカカッ』と威嚇が飛ぶのを感じた、横からだ。


「メカ、交代だ!」


 そこに散弾銃を向けた。

 メカが「はいっ!」と尻を揺らしながら下がったところに剣が落ちるも。


*zZBaaaaaaaaaaaaamM!*


 がら空きの胸に向かってスラグ弾二連射だ。

 威力も殺意も二倍だ、これには流石の木の悪霊もあの世に成仏した。


「わー、仲間来ちゃってる……なんかわたし、この森がほったらかしにされてる理由分かってきちゃったかも……」


 トゥールもすばしっこく駆けつけて残った敵を駆逐しにいった。

 不運な生き残りが出迎えるが、ひょいと避けた挙句に両足へ滑り込む。

 そこでぐるりと身を回しての回転斬りが、魔獣の足さばきを崩してぶっ倒す。

 仕上げは『ガカカッ!?』と仰向けの敵に圧し掛かってぐっさりだ。


「ああ、豊かすぎて手に負えなかったんだろうさ。そんな感じがする」

「これで襲ってきたのは全部かなー? 初めて見た瞬間うわーってなったけど、大した相手じゃなかったね?」

「エーエルブルーインよかマシだ。でも人間の新米に勧めるのはやめたほうがいい、遊びにきた分だけ森のおやつになるぞ」

「そうだねー……魔獣慣れしてないと、ちょっと危ないかも?」


 トゥールのトドメがきっかけになったのか、そこで奇妙な音は静まった。

 周りには生気が抜けた倒木がごろごろしてるだけだ。

 意外と大したことはなかったな。すぐに緊張感も解れて――


『ヲオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!』


 きたっていうのに、野太い唸り声が俺たちを追いかけてる気がした。

 この仲良くできなさそうな調子はよく知ってるやつだ、確かこいつは。


「――皆さん、森の奥からエーテルブルーインが来ていますっ!」


 記憶はっきりさせようとしてると、ホオズキの注意が答えになってしまった。

 そうだ、このいけ好かない声はあの『白クマモドキ』の魔獣だ。


「前言撤回だ、帰ったら地図に要注意って書き足してやる!」

「ご主人、ぼくたちのほうにまっすぐ来てる。やるしかないみたい」

「うそー……そんなのもいるとかわたし聞いてないんだけど、まあこの土地っていろんな魔獣がいるらしいしね?」

「あれもいるとは予想外気極まりない展開。総員、固まりながら迎え撃って」

「えっ、エーテルブルーインもいるんですか……!? あっあたしが前に出ますから、お任せください!」

「ぴゃー!? れ、連戦は辛いですっ! でもレフレク頑張りますっ!」

「ホオズキ! ミンナのところに戻るゾ!」

「ただの美味しい場所じゃないのがはっきりしましたね……! 数は少ないです、囲まれないようにっ!」


 チーム・ロリと一緒に寄り集まると、北方向に白毛姿が揺れていた。

 ぱっと見て熊だが、黒い角や牙丸出しの裂けた大口にそんな親しみ深さはない。

 それが六匹以上も群れて寄ってきてる――大嫌いなエーテルブルーインだ!


「おいおいおいマジで来てるぞ!? いつの間に出やがったあのクソ熊!?」

「おそらく騒ぎを聞きつけたか、餌を感じ取ったかの二択――距離が近すぎる、応戦して!」


 ひどい再会の仕方だ。森の深みから俺たちに迷わずまっしぐらである。

 木々を難なく抜けて、大胆な歩幅で土地を知り尽くしたような自由な足取りだ。

 そのせいで備える間もなく詰められた。急いで散弾銃にスラグ弾を込める。


「ヲォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」「ヴォオオオオオオオオオオオオ!」「ヲオオオオオオオオ!」


 向こうのクソみたいな元気さがそこまでやってくる――


「いいだろウ、かかってこイ! 【ウォータースパイク】!」

「レフレクもいきますー! ふおおおおおおおっ【フォトン・ボルト】!」


 それを出迎えたのはメーアとレフレクの攻撃魔法だ。

 水の杭に串刺しにされ、光の塊にぶっ叩かれた二匹が群れの勢いを削ぐ。


「そろそろ矢が尽きる、私の援護はこれで完売」


 オリスの矢も残念そうに援護を後押しした。

 魔法で空いた隙へと、名残惜しい一本が【アーマーハント】で後ろをぶち抜く。

 用心不足だったのか裂けた口を射貫いたらしい、『ウォヴォッ』と断末魔がした。


「あたしが先に引きつけますっ!」

「行くよみんなっ! ちょっと厄介だから、二人一組で確実に仕留めるよ!」

「うう、これの相手は苦手なのですが……メーア、手伝ってください!」

「こんなに出てこられても困るゾ! 戦利品でもういっぱいダ!」


 前衛のロリ四人がそこへ二人一組に突っ込み返していく。

 この前の遭遇で慣れたのもあるんだろう、ためらいのない動きだ。

 メカとトゥールが、ホオズキとメーアが、牽制で乱れる集まりに切り込んだ。


「……お前らばっか突っ込ませるのも、偉そうで嫌な話だな!」

「戦い方はあの時で知ったから大丈夫、行こうご主人」


 俺もぶちのめしにいってやる、ニクを連れて走り抜けた。

 エーテルブルーインの接近に合わせると、一匹こっちに食いつく。


「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」


 威嚇を込めて向き合ってきた、そのまま斜め横に下がって誘導する。

 一歩、二歩と引けば相手は数倍の勢いだ、どしどし迫って爪が持ち上がる――


*がぎんっ!*


 でも残念、お前の動きはなんとなく覚えてる。

 そのなんとなくでマチェーテを軌道にあてがって弾く。

 潰されるような重みがびりびり流れてきたが、爪先がむなしく地面を叩いた。


「ヴォッ……!?」

「うおっ……!? こんなの防いでたのかよ、うちのヒロインども……!?」


 思った以上の衝撃だが、この怯んだ一瞬を逃さない。

 太さも横幅も人間以上の化け物へとまっすぐ飛び込んだ。

 噛みつこうとばかりに大口も開くが、それより早く身体を丸めて胸を刺し抜く。


「――ヲ゛ヲ゛ヲ゛オオオオオオオオオオオオオッ!」


 たぶん急所に触れた、あのまとわりつくような手ごたえが伝わった。

 それでもじたばた暴れて巨体が当たる。革鎧越しの脇腹にごづっと爪先が触れた。

 こっちだって意地だ、刺さった刀身を捻じり押してやり返す。


「無茶は駄目、ぼくに任せて」


 にぶく殺し合ってると、耳元に穂先の重さをびゅっと感じた。

 ニクの()()が顔のない頭を脳天からぶっ叩いた。

 後は任せよう。刃先を抜いて下がると至近距離からの仕込み銃が仕事を果たした。


「逃がしま……せんっ!」

「トドメおねがーい……! 次は君だね、かもーん♡」


 目の前でエーテルブルーインが「ぺしゃんこ」になると、メカの大暴れが目に飛び込む。

 トゥールに回り込まれては斬りつけられ、戸惑うところに斧の全力スイングが胴体を斜め二つに分割だ。


「流石ニッ、アーツ連発ハッ、疲れル……!」

「ヴォヲォオオオオオオオオオオオオオッ!」


 そんな場面に駆けつけるとメーアが敵とやり合ってる場面だった。

 槍と魔法で一体仕留めたらしいが、声の余裕のなさ相応に押されてた。

 爪を避けて防いで、体当たりで押されてどんどん退いてるようだ。


「メーア、一旦下がって! あとはわたしにお任せ!」

「ごめン! あと任せタ!」


 助けようと手が伸びたが、トゥールが素早く割り込んで胸元をぐっさりいった。

 エーテルブルーインはまさに不意を突かれた様子だ、小さく暴れながら倒れる。


「くっ、こっちに二匹も……! 誰か手を貸していただけませんか!?」


 そうなるとホオズキは――二匹のクマモドキの攻撃をどうにか防いでた。

 乱戦を抜けたやつにちょっかいをかけられたみたいだ、爪の連打に押されてる。

 こういう時のストレンジャーだ。クナイを抜いて横から駆け付ける。


「――いいぞ、手加減はどうする? レギュラー? マックス?」


 実にちょうどよかった、差し込む日光がそいつらの影を作ってる。

 カタナとじゃれつく方の足元に投擲、【シャドウスティング】だ。


「ご支援、助かります……!」


 影を刺されてぴたりと止まる、ホオズキが脇腹を斬り突いてケリをつけた。

 

「ヲオオオオオオオオオオオオオオオオッ……!」


 これで残り一匹、邪魔が入って不機嫌そうなやつが俺に勢いを変えるが。


「マックスだな。いいか良く聞け、こんなクソみたいな森もうごめんだ」


*zBaaaaaaaaaaaM!*


 腰だめに抜いた三連散弾銃を掴んで、そいつの腹にスラグ弾をご馳走した。

 12ゲージの抑止力にびくっと身動きが仰け反ったその瞬間だ。


「差し入れだ、ごゆっくり!」


 破片スリーブなしのフレキシブル・グレネードを抜いた。

 ピンもレバーも弾き飛ばして、開いた大口へと――殴るように捻じり込む!


「ウォヴォッ……!?」


 突然の異物を召し上がれ。そいつの腹を蹴って後ろへ飛んだ。

 ホオズキと倒れれば『ヴォンッ』ともいい難い爆発が後ろで立ち込めた。

 振り向けば上半身が割れた風船さながらだ――気に入ってくれたみたいだ。


「…………流石にもう終わったよな? このノリで白き民来るみたいな流れはやめてくれよ?」


 地に尻をつけたまま、まだ得物を手に見回した。

 そこにあるのはクソ賑やかになったユルズ森だ、死骸が景観を損ねてた。

 チーム・ロリが疲れを浮かべて身構えたままだけど、幸いにしておかわりは来ない。


「うふふふ……♡ 颯爽と駆けつけてくれるなんて素敵です、お兄様……♡」


 ようやく戦いの空気が静まったようだ、ホオズキがぎゅっと抱き着いてくる。

 上目遣いの赤目がねっとりしてるし、お兄様呼ばわりされた気がするけど撫でてやった。

 聞き間違いじゃなさそうだけど、怖いので心の内で(お兄様?)と戸惑おう。


「困った味方にはさっさと駆けつけろって教育されてるもんでな。間に合ったようで何より」

「まさか、エーテルブルーインも襲って来るなんて思っていませんでした……こうも立て続けに襲われるなんて初めてです」

「これで気軽に遊びに来れる場所じゃなくなったな。どこから来たか分かるか?」

「先ほども森の奥から現れましたね、北の方からでした」

「奥がやばいってのもよく分かった。魔獣だらけなんじゃないかこのクソ森」


 ホオズキが言うにはさっきの魔獣も奥からやってきた類か。

 どんどんこの森に対する心象が悪くなってくが、ひとまず立って動いた。

 するとニクが「ん」と拾った小銃を持ってきて、オリスもとことこやってくる。


「爆破するとはなんたる力業、流石は我らのお兄ちゃん。ホオズキ、二匹同時に襲われていたけれども無事?」

「また不覚を取ってしまいましたが、お兄様に助けていただきました。前衛のくせにこのような体たらくで申し訳がありません」

(お兄様?)

「やむを得ないことだと思う。あれだけの数が立て続けに来た上に、こっちのエーテルブルーインは隙を見せた相手から狙うような厭らしいきらいがある。ここは全員何事もなく勝利したことを喜ぶべき」

「そうですか、皆さんが無事でよかったです。お兄様がいなければ、今頃私たちはどうなっていたんでしょうか……」

(お兄様?)

「今日もお兄ちゃんが大活躍で私は嬉しい。それよりもこの調子だと次に何が出るか分からない、早急にここから退散した方が良いと思われる」


 チビエルフなリーダーがそう触れ回ると、近く戦利品がいろいろ転がってた。

 二度と動かぬ奇抜な木の幹に、相変わらずぺしゃんこに伏す抜け殻だ。

 全部売りさばけば金になりそうだが、かさばるものばかりでそんな余裕がない。


「次々来てびっくりしたゾ……! エーテルブルーインが来るなんテ、話と違うじゃないカ! 倒したけド!」

「こんな広くていろいろある森なんだから、そりゃー他にもいるんじゃないかなー? いっぱい倒してそこらじゅう素材だらけだね、持ち帰れそうにないけどさ」

「ほ、本物のグラフティングパペット、初めて見ました……! 怖かったけど、意外と苦戦はしませんでしたね……?」

「れ、レフレク、魔法の使い過ぎで疲れましたー……」


 果敢に戦ってたトゥールやらメーアやらメカやらレフレクも再び勢ぞろいだ。

 落ち着いたところで魔獣の残骸と対面した。

 持て余すほどの数が不吉に森を飾ってる――トラックが恋しくなるほどに。


「じゃあ、次の話題はこの死体の山をどうするかってあたりだな。見て分かる通り、俺たちで全部持ち帰るって選択肢はなしだ」

「ここは無理せず持ち帰れるものだけを選ぶ。価値のあるものだけを選んで、なるべく身軽で余裕のある帰路につきたい」


 マチェーテを離さずそこへ近づくと、糸の切れた木の化け物があった。

 手足代わりの枝もだらりとしてるし、黒い目つきもこと切れてる。

 だけど妙な匂いがした。誰が言ったかゴムみたいな刺激臭がある。


「……木なのにどうやって歩いてるんだろう。武器みたいなのも持ってるし、変な生き物」


 ニクもくんくん興味を示しにきたようだ、ひと嗅ぎしてすごく嫌そうだ。


「フランメリアは植物まで交戦的みたいだ。援護どうも、よく倒したな」

「ん、ぎくしゃく動いてるのにけっこう早くて、ちょっと気味が悪かった」

「夜の森の中で遭遇したくない生き物のトップ入りだ。何食ったらこんな生き方するんだこの木は」


 二人でしげしげ見つめると、大人しくなったただの木の有様がよく分かった。

 スラグ弾で穿たれた胸元からどろぉ……とうすら黒い液体が流れてる。

 蹴とばすと極太の幹がずっしり伝わった、担いで持ち帰るなんて無理だろう。


「お兄ちゃん、このどくどく流れてるのがグラフティングパペットの樹液。全部流れ落ちる前に回収」


 鑑賞してる最中、オリスにそう言われて思い出した。

 そうだった、こいつの樹液をご所望するやつがいたんだった。


「そうだったな。でもすごい色だし変な匂いもするぞ、毒物だったりしないよな」

「これがスパタさまの言ってた樹液? さっき感じたゴムみたいな匂いがするんだけど」

「作中ではいろいろな生産に使える便利な素材だった。傷つけたところから流れて出てるから、早く受け取らないと森に帰ってしまう。急いで」


 オリスの言う通り、周囲はなんともいえないゴム臭さでいっぱいだ。

 突かれて斬られての死に様からあふれんばかりの樹液がそこらを汚してる。


「……なあ、この森どろどろしたものばっかじゃないか? そういう性癖でもあるのかここは」

「力強い生命力の証のようなものと思えばいい」

「そうする、アサイラムが恋しいからさっさと回収だ。問題はどうジェリカンに注ぐかってところだけど」

「死骸を傾けて傷口に枝を打ち込んで、そこを伝って落ちる樹液を集める。どれくらいとれるか分からないけれども、この流れ落ちる量からして問題はないと思う」


 慌ててジェリカンを探すとメカが「はいっ」と持ってきてくれた。

 どう回収するか悩んだけど解決方法は単純に済んだ。

 そこらの木に立てかけて、切り落としたグラフティングパペットの指を傷に刺して樹液を辿らせる。

 その先に容器を置いて完成だ――どんどん黒色が溢れて溜まってく。


「流石に私たちでこれを丸ごと持ち帰るのは無理ですね。せいぜい一部を切り取るか、枝をいただくか、樹皮を剥がす程度でしょうか……」

「確か樹皮にも使い道あったよねー、ゲームじゃ薬とかになった気がしたよ。持ち帰る余裕そんなにないけど、軽くて有用そうなものだけ頂いちゃおうか?」


 見つめに来たホオズキと、短剣に手をかけたトゥールもやってきた。

 二人はメカに伐採された死骸をいじり出したようだ。

 腕にあたる枝を斬り落としたり、幹を削って樹皮を剝がしたりと手際がいい。


「いろいろ持ち帰りたいガ、薬草やらストライクリザードの素材で鞄がぱんぱんダ。どうしよウ」

「あたしもいっぱいです……エーテルブルーインの皮もありますけど、どうしましょう?」

「皮も角も意外と重いしなア……悔しいけど諦めル、森の養分になってもらウ」

「そうですよね、かさばっちゃいますし……」

「でもなんかあれだナ、原作通りにそれほど大したことなかっタ」

「本物のグラフティングパペット、ちょっと怖かったです……メーアさんの言う通り、苦戦はしなかったんですけど……?」

「あんなの見た目だけダ。メカのケツのデカさに比べれば迫力が足りン」

「そうですね……って、なんでそこであたしのお尻が出てくるんですか!?」


 ぼとぼと溜まっていくジェリカンを睨んでると、メーアとメカが死骸を物色してた。

 しかし俺たちの物持ちはいっぱいだ。けっきょく諦めて樹液採取に集中したらしい。


「レフレク、疲れちゃいました……お肩お借りしますー……」


 ジェリカン観察は順調だ、今度は肩にレフレクが着陸した。

 くったりしてる。それもそうか、ずっと全員の頭上で魔法を連発してたし。


「ようこそ。ちっちゃいのによくやったな」

「妖精さんは魔法が得意な種族なのでー……でもこんなに撃ったの初めてで、レフレクくたくたです……」

「貴女の撃った光魔法はどれも有効打だった、見事な腕前。お兄ちゃんの肩でゆっくり休んでて」

「はーい……撫でてくれますかー?」

「んもーみんな撫でろいってくる……しょうがないなぁ」


 戦いの緊張はどこへいったのやら、俺たちの気は休まってた。

 肩乗り妖精をこしこし撫でて少し経てばいい頃合いだ。

 黒くてどろどろしてゴム臭いものが重たく溜まってる――まるで魔獣の怨念だ。


「よし、満杯。ところでこいつもエーテルブルーインの皮みたいにお祓いが必要だとか言わないよな」

「また怖がってる、思うにあなたは怖がり過ぎ」

「木が歩いて武器振り回してんだぞ、こんなのやっぱり悪霊かなんかだ」

「もう一つ追加で満タンだよー、わたしが運ぶねー?」

「だんなさま、こっちも満杯になりました! あたしが運びますね!」

「頼んだ。よーしやっと帰れる」


 もう二つも樹液でいっぱいだそうだ、フタをきつく締めて手に持った。

 するとかなり重い。そりゃそうか、20リットルが満たされれば相応だ。

 【丈夫な足腰】のPERKと怪力なメカクレメイドもあれば力技で持ち帰れる。


「ご主人、重たそうに見えるけど大丈夫?」

「ストレンジャー舐めんな。とはいえ装備軽くしといて正解だったな、疲れたら交代してくれ」


 気にかけてくれたわん娘に感謝しながら、さっそくそれを運び出した。


「調査も充分だし、戦利品も満ち溢れてる。そろそろ潮時、これよりユルズの森を離れる」

「素材がいっぱい転がってるけど仕方ないよねー……みんな帰るよ、早くここを離れよう」

「オッ? なんか樹液が抜けたら軽くなってるゾ……? メカ! オマエの斧でコイツの胴体ちょっと斬りおとセ!」

「こらっ、往生際が悪いですよメーア。もうすべきことは済んだんですから帰りますよ」

「そ、それも持ち帰るんですか……!? あたしは別にいいですけど……?」

「じゃあレフレクは肩でおにーさんを応援してますっ! がんばれっ♡ がんばれっ♡」


 周りもお帰りの雰囲気だ、持て余す魔獣どもの死骸を後にした。

 ほんとにメカが「えいっ」と死骸を鞭打って、ほんとに肩で誰かがぴょこぴょこ応援してから、森に背を向けた――


『ヴシュウウウウウウウウ』『ガカカカカカカッ』『ヴォヲォォォォォッ!』


 このまま拠点までふらふら帰れると思った矢先だ。

 割とすぐ後ろで音色豊かな鳴き声が聞こえてきた。

 どれもが最近よく知ったものだし、合間にはがさがさ森を探る音もする


「おい、今のってもしかしてこういう時聞きたくない類のあれか?」

「うわー、今のは勢ぞろいだね。しかもこの音、いっぱいいる感じだよ?」


 気のせいだと願う余地はない、トゥールがとてつもなく嫌な表情だ。


「ん……獣臭さと、ゴム臭さがこっちに近づいてる。離れた方がいいかも」


 ニクの嗅覚的にもよろしくないそうだ――つまりヤバい。

 その途端に不穏なサインは更に強くなった。

 魔獣特有の鳴き声や気配が、段々と濃くなって俺たちに伝わってくる。


「……この森は強すぎる。とても豊かだけれども、その分ここに住まう者も栄えてるということ。総員駆け足、振り返らず走って」


 オリスもこういうのだ、地図が訴えるここのヤバさはもう遺憾なく感じた。

 奇しくもその時『ガカカカカカッ』と独特な声もした、それもかなり近くで。


「じょっ冗談じゃねえ!? 用も済んだしずらかるぞお前ら! 捨て台詞は『覚えてろクソッタレ』だ! いけいけいけ!」


 そしてここの面々が一斉に駆け出すのも同じだ、逃げろ!

 樹液の重みに引っ張られつつ、魔獣たちの縄張りから逃げるように帰った。


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