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103 バロール引っ越しサービス

 招かれてやってきたヴァルハラ・ビルディングの地下は広かった。

 それは駐車場の面積に恵まれてるとか言う理由じゃなく、シンプルに表で堂々とできないような後ろめたいことをするためだ。


「……すごいわね、これ。どんだけ広いのよ」


 フランメリアの面々と共にエレベーターで下り、最初に見えた光景に口にしたのは金髪のエルフだ。

 コンクリートの淡い色がもてなす『浅く広く』の世界が広がっていた。

 地下の駐車スペースはもちろんだが、それ以上の設備が広く地下空間を彩っている。


「ただでさえ地上で驚いてるってのに、こんなトコまでご立派なこったな」

「不死者の街ほどじゃねえだろ、いやそれにしたって人が住んでるところの真下で誰がここまでやるかって話だが」


 スピロスさんとプラトンさんが誇る牛&獣ボディによる縦横の幅ですら目立たないほどだった。

 整列させられた照明がビルの地下に隠された数々の施設を明るくしている。


 ――例えば大掛かりなワークショップ。車の修理から武器の製造、弾薬の再装填まで事欠かない設備が揃ってる。

 ――もっと例えようか。奥行きのある射撃場があって、ヴァルハラの住人たちがお好みの銃で狙ってた。

 ――まだ足りないって? 室内戦闘を模した訓練設備や、ストレンジャーの脳みそには理解が及ばぬ装置でいっぱいのラボもあるんだ。


「どうよ? これがヴァルハラ・ビルディングの地下エリアだ。表沙汰にしたくないようなことは大体ここで済ませられるから安心してくれ」


 そんな場所を率先して歩けるのもデュオが深く絡んでるからなんだろう。

 突撃銃を握ってトレーニングに明け暮れてたガラの悪い連中の目につけば、最初はバケモンに、次はデュオに興味が向かう。


「見ろよ、フランメリアの奴らがとうとう来たぞ」

「ってことはおっ始めるつもりだな。どうも社長、楽しんでらっしゃるようで」

「ハックソウの宣伝は刺激が効いてたぜ、給料入ったら買おうと思う」

「ようお前ら、お勤め中失礼。今日もクソ真面目に特訓に明け暮れてやがるな」


 ここの連中もだいぶ肝が据わってるに違いない。

 フランメリアの見てくれに驚いたのは一瞬で、すぐ興味は銃と標的に戻った。


「……あれってエグゾか?」


 雑多な足踏みが奥へと進めば、今度は自分の視界に慣れた体躯が目につく。

 壁際にエグゾアーマーが何台もあった。装甲を施された実戦的なものだ。


「――ようこそユニークな顔ぶれども、それに社長殿。ここはヴァルハラの民の後ろめたい部分だ、事情は聞いてるから好きに使えよ」


 そんなもののそば、誰かが溶接マスクを持ち上げながらそう声をかけてきた。

 後ろめたいもののひとつでもある戦闘用の外骨格は芸術性のある塗装と装甲によって良くおめかしされてるようだ。


「まあこんな得体のしれないやつらに譲りたくはねえかな。ここは俺たちの台所だ、汚すんじゃねえぞお客様」

「何言ってやがる、少なくともお前がスナックの袋をまきちらかしてるのとはわけが違うんだ。きれいに使ってくれるお客様らしいぞ」

「俺だって大事に使ってるぜ? なんたってここは我が作業場兼ゴミ箱だからな」

「俺の仕事場であることも忘れるなよ。ヘンゼルとグレーテルみてえにゴミで道しるべを作るな、どこで迷ってやがる」

「お前が迷ったら使うといい、仕事仲間のよしみで使用料はタダにしてやる」


 お勤めの男どもはこれが日常だと言わんばかりに溶接トーチの光を振りまいてる。

 すぐに射撃場からも銃声が反響してきた。荒事に向けた備えは抜群らしい。


「プレッパーズ的には落ち着ける場所だよな」

『うん、確かにこんな感じだったよね……』

「きっとお前たちならわかってくれると思ったぜ、お二人さん。共感できる相手がいると嬉しいねえ」


 俺たちからすれば見慣れたというか、慣れ親しんだ光景だった。 

 あいにくストレンジャーは荒野の下に墓場の如く眠るシェルターと、過酷な山々によって鍛えられた存在だからだ。


「おお、待たせたのおぬしら。改良終わったぞ」


 デュオに足並みを揃えた一団が進むうち、ドワーフの太い声が呼びかけてくる。

 そこは床も壁も天井すらも人工的な灰色で続く工房だ。

 作業台だの旋盤だの電気炉だのの充実具合に小さな爺さんは満足した顔ぶれでいた。


「ここ最高だなオイ!? 欲しいもん大体あんだぞ!?」

「わしらドワーフにとって至れり尽くせりな環境じゃなあ、故郷を思い出すわい」

「おかげで仕事が捗ったってもんよ。お前さんらの装備は一通り弄繰り回してやったから適当に持ってけ」


 伝統的な革エプロン姿はひと汗かいてスッキリした様子だ。

 太く短い腕が示す向こうではテーブルの上に並ぶ武器が多様性を見せていた。


「さて、ここがヴァルハラ・ビルディングの地下区画だ。ご覧の通りだと思うが室内戦闘のトレーニング、手先が器用なやつのための作業場、なんでもありだ。話はつけてあるからお前ら好きに使えよ」


 仕事の終わったドワーフたちを背に、社長は少し自慢げに説明してくれた。


「……すごいや、ここってこんな大層な物が地下にあったんだね」

「なんでも揃ってるわね……旋盤、砥石、リロードベンチ、エグゾアーマー・ステーションまであるわよ? 引っ越しして正解ね」


 「どこでこんなもん揃えやがった?」と周りを見渡すボレアスやサムもそうだが、エミリオはただただ圧巻されている。

 ヴィラ? 相変わらずだ。いい引っ越しができたらしい。


「……薬品製造のラボまであるようだな。後ろめたいものでも作ってるのか?」


 もちろんクリューサも食いつく。

 ガラス張りの窓から見えるケミカルな作業場の様子に目は釘付けだ。

 中では防護服を着た誰かが慎重に試験管を吟味してたが。


「心配すんなよお医者さん、ここじゃ合法さ」


 デュオはただにやっと返すだけだった。

 そこにどれだけの意味が込められてるのかは謎だが、不健康なお医者様が「そうか」と少し嬉しそうにするだけはあるらしい。


「それで『引っ越し』とやらの段取りはどうするのだ?」


 一通りの地下の様子を眺めたところ、ノルベルトが問いかけた。

 そう、ここに呼ばれたのは何もヴァルハラの裏側を自慢しに来たわけじゃない。

 明日の早朝、街に潜伏中の傭兵に逆に押し掛けるという仕事のためだ。


「へへっ。ブルートフォース、やる気じゃねえか?」

「うむ、実に楽しそうだからな?」

「乗ってくれるなんて嬉しいね。じゃあまずは――」


 質問への返答は移動しながらになった。

 そこからやや離れると、外へ通じる出入口近くに何台かのトラックがある。

 荷台側面に電子公告用のモニターが薄く張り付く、ごく普通の商業用のものだ。


「俺たちは親切な傭兵君から同業者の居場所を洗いざらい吐いてもらった。そしてバロール・カンパニーの管轄エリアにけっこうな数が待ち伏せてるのが分かったんだよな」


 そんなトラックのそばにデュオが立つ。

 しれっと付き添うヌイスが端末をいじれば、荷台のモニターにあの地図が浮かぶ。

 街には傭兵の居場所が点々としてる。どうもスカベンジャーの住まいに近いらしい。


「そこを逆に痛めつけてやって、向こうは態勢を整えてるって話だよな確か?」


 浮かび上がる敵の位置に、腕を組んでた赤髪の竜男が話を加えた。

 社長は「そうだ」と頷いてから。


「だから手を打たれる前にこっちから出向いてぶちのめす。どうもフォート・モハヴィの一件と縁のあるスカベンジャーに付きまとってらっしゃるようだからな、殆ど動いちゃいねえ」


 後ろに控える数台のトラックの姿を案内した。

 このなんてことない車両で引っ越し業者さながらに働けってことらしいが。


「偵察チームに頼んで撮影した現場の様子があるよ、あんまり気の良くなるものじゃないが見てくれたまえ」


 その時ヌイスがまた手元をいじれば、荷台のモニタに景色が浮かんだ。

 どこかの住宅街、人様の家にこそこそと出入りする怪しい集団が何十回分のシチュエーションで表現されており。


「……最悪だ。俺たちの家にお邪魔してるように見えるんだけど……?」

「堂々と泥棒してるみたいね。でも良かったわ、財産は全部口座の中よ」

「くそっ、俺の家に何勝手に入ってやがる!? 勝手に酒飲んでねえか!?」

「人様の行方を探し求めてきたようだがただの空き巣にしか見えないぞ」


 心当たりのあるスカベンジャーがめいめい悲鳴を上げたのは言うまでもない。

 行方を追ってるのか、身辺情報を探ってるのか、どうであれ刺客どもは不法侵入するに至ったらしい。


「更にだ、向こうはこういうことに慣れた業者を雇ってやがるのさ。引っ越し業者に偽装したコソ泥どもだ、目ぼしいものは洗いざらい勝手に持ち出す手癖の悪い連中でな」


 更に表示された画像が変わった、誰かの家の前にトラックが停まってる。

 作業服を着たそれらしい姿が何人も人様の家に押し掛けてるようだ。

 そばには家主とばかりに傭兵ども見守り、夜の暗がりに紛れて夜逃げさながらに目ぼしいものを持ち帰ろうとしており。


「おい、ブルヘッドじゃ企業が空き巣を推奨してるのか? どう見ても俺には空き巣の犯罪現場にしか見えないぞ」


 スカベンジャーの誰かのお家から金庫が運ばれる様子に目がついた。

 装甲のないエグゾまで使って力づくで持ち帰ってやがる。実に楽しそうだ。


「なんでそんなことするかって疑問かもしれねえが難しい話じゃないさ。ラーベ社は妨げるやつに対してこういうことをする、傭兵どもは中世の蛮族のごとく略奪ボーナスになるからだ。そしてそれを咎めるやつもいないとなれば普通なことだろ?」

「ああ、スティングでも一つの軍隊が総大泥棒やってやがったからな。じゃあなんだ、企業が絡んでればレイダーさながらに振舞ってもしょうがないって?」

「考えてみろよストレンジャー。邪魔してくれたお礼にそいつの財産や家族を奪う、雇った傭兵は臨時収入がもらえる、手伝った連中もおこぼれ(・・・・)をいただける。あいつらにとっての稼ぎ時なんだぜ?」

『……やってることはただの空き巣ですよね、どんな理由があっても』


 報復の一環なんだろう。家主不在の間に強硬手段で家のもの全部掻っ攫うらしい。

 それに便乗する業者とやらもさぞ大喜びなはずだ、現に写真に写る作業服は金品を抱えてブルヘッドの倫理観を物語ってる。


「……じゃ、じゃあ、こいつら人様の家のもの全部持ってくっていうのかい?」


 持っていかれたくないものがありそうなエミリオは顔真っ青である。


「くそっ! ざけんじゃねえぞ!? どこまで手回してるか知らんが、俺ん家のもん全部持ってくつもりかよ!?」

「情報収集ついでに空き巣か。立派な連中を雇ったみたいだな、しかも接収されるようものなら都合が悪い情報をちょうど残したままだ」


 ボレアスやサムは呆れてはいるし怒ってもいる。

 そりゃ空き巣なんてされて気持ちのいい奴はいないだろう、みんなが口々に勤務態度のひどさについて言い出す中。


「そりゃ家財は情報だ、ついでに傭兵連中にはいい小遣い稼ぎになるだろ? 何してもおたくらへの報復になるんだから向こうは気軽なもんだぜ?」


 デュオは写真に見える姿に鼻で笑ってた。

 誰かの家にそれなりの武装をした連中が付きまとってるご様子だ。


「そこでだ、俺たちは運送業者という体で接近する。誰かさんの言う立派な空き巣連中になりすますのさ」


 そして明るい強盗現場から話は変わった。

 地下にいたヴァルハラの野郎どもが何かを運んできた――作業服だ。

 それはちょうど荷台側面のモニタにいらっしゃる『業者』とやらにそっくりで。


「なるほど、ではその皆様の家々から略奪する連中に紛れてしまおうというわけですな。そしてなお職務に勤しむ方に接近してしまえと」


 眼鏡エルフのアキが地図を見上げた。

 数台のトラックが分散して向かい、荷物の回収に伺うルートがある。

 なんならその帰り道も丁重なもので、事が終わったら入り組んだ街中を進んでヴァルハラまで直帰だ。


「んで、俺たちがぶち殺して『無駄だ』って伝えりゃいいんだな? 任せろよ」


 そこへ赤髪な竜系男子がニヤっと続けた。

 まったくその通りだとデュオは地図を背に頷いていて。


「こうしてヴァルハラ・ビルディングに逃げ込んだのを知って向こうは悠長にやってやがるからな、おたくらがのうのうと帰って来るなんて思ってないだろうさ。台無しにしてやるなら今がチャンスだ」

「……お、おい、ちょっと質問だ。この地図にあるのはエミリオとボレアス、それからサムの家ぐらいだぞ? 俺たちの家はノーカウント、救いの手が差し伸べられてないように見えるんだが」

「できればスカベンジャーの下々の家庭も考えてほしいところだ。俺たちの家にも向かわない理由はなんだってんだ?」


 と、説明に話が割り込む――スカベンジャーの面々からだ。

 それなりの数の不安が向かう先には地図があるわけだが、確かにそうだ。

 エミリオ、ボレアス、サムだの適当な面々の家が目標になってるものの、この場にいる全員の持ち家まで回ってない気がする。


「君たち、落ち着いて聞いてくれ。ここに写ってるのはまだ猶予がある家、そうでないのは既に全部持ち去られた後だよ」


 ところがヌイスが淡々とそう告げてしまった。

 当然不満が浮き出るが、ならばと荷台の画像が変わる。

 顔を隠す連中が引っ越しに勤しむ姿。放火させられベリーウェルダン一直線な家屋。

 ひどいものだとアパートの手前、笑顔の傭兵と死屍累々のご近所様が写り込む過激な引っ越し現場の現状もある。


「……ふざけやがって!? マイホームに何してやがるあの泥棒ども!?」

「持ち去られた、というかこんがりじゃねーか。人ん家焼き討ちしやがって」

「まだ売りさばいてない商品があったんだが、なるほど手遅れってか」

「くそっ、たいしていい思い出はなかったが人のご近所づきあいを台無しにしてやがる。ここまでやってくれるなんてどんな業者だ」


 心当たりがある連中はそれもうキレてる。

 隠し撮りされた光景には一通りの悪事がぎゅっと詰まっているから仕方ない。

 こんな悲惨さを語るに事欠かない光景を全員で鑑賞してると。


「このような質問をするのは気が引けるんだが、こうして逃げてきた君たちにご家族やら身内を残してきた者はいるかい?」


 ヌイスがこの場にいる家主の心境を気にかけてきたようだ。

 「家族を惨殺された」とか「全てを奪われた」なんて奴は是非いてほしくないが。


「心配しなくていいぜ、まともな家族がいるのはエミリオぐらいだ」

「俺は置いてきたクソ家族よりも家にたんまり残した戦利品の方が気がかりだ」

「冷え切ってるね君たちは。逞しいともいうべきかな、まあそれならいいんだけども」


 ところがシリアスな返しをする奴はいない。どいつもこいつも怒り心頭だ。

 クールな白衣姿は「そ、そうか」とスカベンジャーの逞しさに感心してる。


「このマップに残った住まいはまだ進捗途中(・・・・)ってことさ。おたくらが逃げて行ったのを知って家主はもう戻ってこないと高を括ってるんだろうが」

「正直今すぐにでも行きたい気分だよ。で、何時やるんだい社長?」


 デュオのひどい説明が広まったところで、エミリオが「すぐいきたい」とばかりに話を促してくる。

 誰もがこうしてる間にも荒らされてる我が家を不安そうにしてた。


「明朝だ。流石に堂々とできねえ場所にあるから、その時間にあいつらお抱えの業者が来るらしいぜ。業者の活動地域はバロールのエリア内ぎりぎり、監視も情報収集も楽だから確実性はある」

「もっと早く……とかは言わない方がいいだろうね」

「タイミングがズレたら厄介だからなあ。だがあいつらが深夜におたくらの家に向かうのは確かだ、それより早く向かって一足お先に仕事を済ませる、それだけさ」

「……その業者っていうのはどういう奴らなんだい?」

「バロール・カンパニーの足元でこそこしてやがる連中だ。おたくらが大嫌いなホワイト・ウィークスみたいなもんさ、こういう略奪やら人さらいやらで活躍してる訳あり集団ってことだな」


 ラーベ社の奴らもまたずいぶんなやつを雇ったようだが、そんな連中を抱えるブルヘッドも相当アレだと思う。


「……その企業お抱えの大泥棒がこうして話してる間に「はい終わり」って仕事を済ませてないよな?」


 俺は最後に確かめた。向かう頃にはもぬけの殻なんてごめんだが。


「心配すんな、ヌイスがちょっと悪いことしてくれて動向を調べてくれたからな」


 デュオはそばにいる金髪白衣の格好を頼もしく見ていた。

 ご本人は難しくなさそうな顔で少し得意げだ、良く調べたらしい。


「何だったら今なお向こうのやり取りは把握してるよ、傭兵の親切な情報漏洩のおかげさ。このまま滞りがなければ、彼らとつるんでる業者とやらは安全を確かめた上でまた出勤されるみたいだ」

「なんでそう断定できるんだ?」

「くだらない話だよ。パターン化(・・・・・)してるからさ、こういう傭兵絡みの空き巣になれてるのか、彼らの出勤タイミングには法則性があるってことだね。引っ越し業者としては完璧だけど泥棒としては三流だと思うよ」

「その律儀さをまっとうな仕事に生かそうと思わなかったらしいな」

「私もそう思うよ。まあ企業の下で好き放題できる街なんだ、より稼げる方を突き詰めた結果がこれなんだろうね」

「そういうことだ。バロール引っ越しサービスのお仕事が来るまで全員待機だ、飯と休みをとっていつでも行けるように準備しとけよ」


 説明がそうやって終わると、社長の言葉に続いてヌイスが紙を配り始めた。

 人員の割り当てや使用する装備やらの情報がまとめられたものだった。

 参加者は何台分かのトラックに乗り込んだ上で、それぞれの目的的にお邪魔してお引越しを執り行う作業マニュアルだ。


「おいお前さんら! 熱心なのがいいがわしらの武器持ってくの忘れるなよ!」

「こいつすごいぞ! 飛ぶぞ! 敵の血肉と魂が!」


 みんなで書類を睨んでいると、遠くからドワーフの呼ぶ声がした。

 見れば、既に向かった何人か工房でわいわい騒がしくやってるところだ。

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