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66 ニシズミ社からの問いかけ

「お~、なんかでっかいトレーラーが走ってるっす!」


 呼び出しを食らって外に出た矢先、ロアベアが驚くものが基地の前を走っていた。

 北へ続く広い道路を上っていく車列だ。軍用を思わせる深い緑の車両たちが、もったりと走っているところだった。

 だが中でも目を引くのは横にも縦にも規格外にデカいトレーラーだ。

 そんじょそこらのトラックじゃ話にならない物持ちのよさが、大きな何かを運んでるようだ。


「あれはニシズミ社のウォーカー用トランスポーターだ。お前らが寝てる間にフォート・モハヴィへ向かって、ずっと行方不明だった貨物をああして取り戻したところさ」


 そこにダネル少尉がそういって、積み荷に関する疑問はすぐに解けた。

 気になる何かには黒いシートが被せられてるところだが、良く見るとうっすらウォーカーの姿がにじみ出てた。

 そんな様子は二台四台八台と豪快な列で走り、合間合間に挟まる雑多な車両が事の大きさを仰々しく飾ってる。


『いっぱい走ってるけど……あれって全部ウォーカーが乗ってるんだよね? たった一晩でどうやって回収したんだろう……?』

「ありゃどう見てもウォーカーどもの帰宅風景だろうな。じゃあなんだ、あいつら人が安眠してる間に徹夜で頑張ってらっしゃったのか?」


 記憶が正しければ俺たちが目にした(そしてぶち壊した)ウォーカーは、今走ってるトレーラーの分だけはあったはずだ。

 テュマーが痛い目にあって散らばったとはいえ、街の各地に残されたそれらを一つ一つ拾い上げるなんて楽な作業じゃないだろう。

 そこに新調した双眼鏡を手にクラウディアが「なるほどな」と口にした。


「イチ、その疑問だが問題はなさそうだぞ」

「どうした?」

「そういう生業の奴らがいたじゃないか。奴らの手を借りたのか」


 突然の納得に俺もつられて真似をしてみた。

 途方もなく続く列の中で、灰色の格好を乗せたトラックやらが混じってる。

 むき出しの物資の上で休む姿は間違いなくスカベンジャーたちだ。そうか、あいつらが協力してくれたらしいな。


「その手の仕事が得意な連中がちょうどよくいたわけか、合理的なこった」

「あそこに見えるはスカベンジャーどもではないか、ではあのゴーレムの回収に一役買ったのだな」

「みんなお疲れのようっすね~、荷台でぐったりしてるっす」


 ストレンジャーからメイドまで双眼鏡で眺めてると、そのうち一つの車両がゆるやかに道を曲がってきた。

 グレーの八輪装甲車だ。どうも何か御用がありそうな様子のまま、飾り気のない姿でお近づきになろうとしてる。


「おやおや、さっそくいらっしゃったようだね。見てごらん、あれがニシズミ社の兵隊さんだよ」


 そいつらの行く先を見守ってると、突然耳元に軽やかな声が挟まる。

 知らない声だ。誰かと振り返ればウェイストランド色のコートを着た見知らぬおっさんがそこにいた。

 オールバックのこげ茶色のもときりっとした顔の中年男性だ。穏やかな口調と笑みだが誰だこのおっさん。


『ひゃっ……!? ど、どちらさまでしょうか……!?』

「そのニシズミ社っていうのは戦える奴を抱えてるみたいだな、護衛もつけられるほどに」

「その通り。北の企業というのは荒事もこなさねば成り立たぬものだ、企業同士の争いなど日常茶飯事、時には我々シド・レンジャーズが介入するときも珍しくはない。つまりお得意さんだよ、仲良くしようね?」

「北に行けば行くほど物騒な話が増えてく気がするよ。ところでおっちゃん誰?」


 そいつが言うにはこの世界じゃ企業同士の争いは銃弾をもって血を流すような努力のぶつけあいだそうだ。

 北は物騒だな。それで、突然耳元でささやいてきた見知らぬコート姿は何者だ。


「そいつはフォボス中尉だ、ストレンジャー」


 とてもレンジャーとは思えない優しい笑みを浮かべるそいつを見ていると、近くにいたダネル少尉が紹介してくれた。

 いきなり俺たちにお近づきになった挙句、当たり前のように混じってるそいつは。


「これは失礼、そこの少尉の言うように私はシド・レンジャーズの者だよ。楽しそうだからつい君たちに混ざっちゃったが怪しいものではない、安心してくれないかい?」


 やっぱりレンジャーらしからぬ軽妙な声で、良く言えば親し気のある、悪く言えば馴れ馴れしく挨拶をしてきた、


「そうか、お前がいるってことはそう言う仕事(・・・・・・)か中尉?」

「そうだぞダネル少尉。少々込み入った話でな、私なりの質疑応答が求められてるようなんだ」


 二人のレンジャーがそうやり取りすると、中尉殿が手を差し出してきた。

 握手だそうだ。いきなりのそれに躊躇うと「ん?」と小さく首をかしげてくる。


「初めまして、ストレンジャー上等兵だ」

「楽しい噂をいっぱい耳にしていたよ。こうしてお目に書かれて光栄だ、イチ上等兵(・・・・・)


 手袋同士の握手が決まるが、そいつは突然俺の名前を口にした。

 こうしてコードじゃない方を知ってるってことは、情報源はともかくそれなりにこっちのことを理解してくれてる証拠らしいな。


「その呼び方をご存じならいろいろ詳しそうだな」

「ああすまない、私はそういう仕事をしててね。でもその方が親しみが湧くだろう?」

「レンジャーにコード以外の名前で呼ばれるなんて新鮮だからな、好印象だと思ってくれ。で、俺のことはどこまで知ってるんだ?」

「ウェイストランドの異変の原因から君の好物までさ、イチ上等兵。なに心配はいらないぞ、敵に回してはいけないというところまでも当然知っているからね」


 中尉殿はそういいながら、コートの内側をごそごそした。

 事情をここまで知ってるってことは、大方ボスあたりと通じてる感じか?

 疑問が浮かぶもトルティーヤチップスの袋を「お近づきの印」と差し出してくれたので、まあいいとしよう。


『……わたしのことも、ですか?』


 さっそく開けてぼりぼり食べると、そいつのにこにこ顔にミコの疑問も飛ぶ。


「もちろんだよお嬢さん。大丈夫、君たちの害になるようなことはしないし、無事に向こうの世界を見れるように後押しをしろと頼まれているからね」

「ボスからか?」

「秘密だぞ♡ 知りたいかい?」

「あんたがそういう仕事なら無理強いはしない方がよさそうだな」

「理解が早くて助かるぞイチ上等兵。その理解力を大切にするんだよ」


 誰が、とはいわないが相手は優しい声色で答えた。

 今のところは人のいいおっさんだが、こんな変人だらけの場所にいるんだから何かしら一癖あるとは思った方がよさそうだな。


「お集まりの皆さん、ニシズミの連中が来てんぞ。楽しい事情聴取の時間がやってまいりましたよっと……」


 そんなところに基地の奥から角刈りの上等兵がやってくるも。


「げっ、中尉殿じゃないっすか。あんたが来たってことは……」

「おおタロン上等兵、いいところにきた。私と一緒にお仕事でもしないか?」

「いやあ、ちょっと今回は遠慮しようかと。ああでもそこに別の上等兵がいるんで、そいつに任せたらいいんじゃ?」


 フォボス中尉を一目見るなりくるっと逃げようとした。だけどすぐに捕まってしまったようだ。

 二人はそんな物言いをさっと交わすと、なぜだか俺の方を見てきて。


「なるほどそれは面白い。実にいいアイデアだぞタロン上等兵」


 何かこう、不穏さを感じる笑みでにこぉ……としてきた。

 やっぱり何かしらヤバい人物だと思う。しかし当の中尉殿は他の面々にも気さく挨拶をして「やあ」とニコニコ笑顔を振りまいてる。


「おお、これがヴェアヴォルフか。本当に獣のような手足と耳と尻尾があるじゃないか」

「……ん、耳と尻尾は触らないで欲しい」

「そこの大きいのは噂のオーガか。スティングでは良く戦ったそうだな?」

「俺様はノルベルト、コードはブルートフォースだ。よろしく頼むぞ」

「首が取れるメイドとはこのことか! 本当に取れるのかい?」

「アヒヒヒッ♡ メイドのロアベアさんっすよ、コードは『エクスキューショナー』っす」

「君が噂の魔女だね。空飛ぶ杖に乗る料理上手な女の子というのは君のことか」

「ふふ、ごきげんようフォボス様。私は飢渇の魔女リーリム、好物はじゃがいも、特技はじゃがいも、リムちゃんって呼んでね?」

「確かヴェガスから来た医師がいたと聞いたが、そちらの耳長のお嬢さんが連れ回しているのがそうかい?」

「私はクラウディアだぞ。クリューサはすごく眠たいらしいから私が運んでやることにした」

「……引きずってるの間違いだ、馬鹿者が。人が気持ちよく休んでいたところを引っ張り出しやがって」


 持ち前の明るさで次々挨拶を交わすと、フォボス中尉は満足そうに頷いた。

 面白い顔ぶれを見ていい経験になったようだ。キリっと整った顔には好奇心を満たされた表情が実っていて。


「――これで揃ったようだな。お前たち、ついてきてくれるか?」


 そこにとうとう、奥からマガフ中佐が筋骨隆々な女性を連れてやってきた。

 これでキャンプ・キーロウの濃い面子が集結したわけだ。


「準備ができたみたいだな。ゲストのお前たちには悪いが、どうかこの基地のために一仕事付き合ってやってくれ」


 そうダネル少尉が歩きだしたところに、俺たちはゆっくりとついていった。



 そこは大学だったころの名残を残す会議室だった。

 ミーティング用の大きなテーブルには既に何人か座っており、タブレット端末やらをいじって何かを確認している。

 しかしそいつらの見てくれはやはりこの世界らしいと思う。

 黒いスーツの奴らが肩のホルスターもろともこっちを怪訝に見ており、その背後で都市型迷彩の戦闘服姿が銃を手に守ってる具合だ。


「……失礼、マガフ中佐。早速ですがその男が噂のストレンジャーですか?」


 そんな場にぞろぞろおしかけるなり、スーツ姿の一人が声をかけてきた。


「ああそうだぞ。こいつがホワイト・ウィークスを単身でぶちのめし、奪ったウォーカーをさらに奪って暴れ回り、ついでにいえばお前たちの所有物に傷をつけた奴なんだが」


 厳しい顔をするそいつらに、あろうことかマガフ中佐は気だるく物申した。

 なんて紹介するんだこいつ。そんな言葉に代表格であろうスーツの男は、まじまじとこっちを見てくる。


「初めましてストレンジャー。私はニシズミ社の者です、いくつかあなたからご確認したい点があるのですが」

「ああどうも。説教つきじゃないなら何でも答えるぞ」

「ご安心ください、命が惜しければ不愉快にさせるなと念を押されてきましたので」

「それは俺の機嫌を損ねたらヤバイって意味でか?」

「ご想像にお任せしますよ」


 ところがいざ話してみると、割と話ができそうなタイプだ。

 後ろの警備兵たちはしきりにこっちを見てくるが、とにかく、すすめられて俺たちは席についた。


「まず先に言わせてくれ、あんたらの所有物をことごとくぶち壊して申し訳ない」


 そんなスーツ姿の正面に座るなり、俺はさっそく一言謝った。

 たいして向こうはそんなに気にしてない様子だ。頷きながら端末をちらちら見ている。


「その件についてですが、結論から申し上げますと我々は一切被害を被っておりません。むしろ好ましいものです」


 ところがお返しの言葉は「気にするな」だって?

 スーツを着た連中以外はみんな困惑ものだ。会社の所有物ぶっ壊されて好意的なのはおかしな話だぞ。


「それは「お前の罪は帳消しにしてやる」なのか「失ったもの以上に得られたものがあった」なのか、どっちなんだ?」


 そこへダネル少尉が割り込む。

 質問に対しては後者の方なんだろうか、男はとうとう軽く笑って。


「この場合は後者の方でしょう。確かに我々は貨物を奪われ、そちらのストレンジャー様に()()()()()()()()()()ましたが、むしろそれが良い結果をもたらしました」


 今回の件について好ましそうな態度でこっちを見て来た。


「なるほど、じゃあさっそく質問させてくれ。俺なんかしました?」

「実に。まず軽くこちらの背景を説明させていただきますと、我がニシズミ社は他の企業と争い続けております」

「企業とか言うのが良く分からないけど、ライバルに恵まれてることは知ってるぞ」

「ええ。バロール・カンパニーとラーベ社という二つの企業が戦前しぶとく続いておられるのですが、この場合はラーベ社というものが厄介なものでして」

「ラーベ社ね。で、そいつといざこざがあったのか?」

「その通りです。どんな企業かお聞きになられますか?」

「聞いてほしそうだからな、簡単に教えてくれ」

「どのようなものを扱ってるのかはさておき、ラーベ社は安価で手軽な製品を手掛ける粗製乱造のエキスパートです。お分かりになられましたか?」

「あんたらが嫌ってるのが良く分かったよ」


 意外と話してみるとノリがいいなこいつ。

 スーツの男はさも恨めしそうに教えてくれたが、そんな厄介な相手がいることを伝えると。


「その実態ときたら語り切れぬほどあるのですが、どうも以前、ニシズミ社の銃器を違法に模造した事件がきっかけで会社が傾いたそうです。まあ、そこまで追い込んだのは我々なのですが」


 またにっこりと笑顔で話してくれた。北はこんなやつばっかなのか。


「なんだか見えてきたぞ。もしかしてそれが原因で逆恨みされたって話か?」

「ええ、その通りなのです。我々の指摘がたまたま、運悪く公の場に晒されて会社の信頼が地獄まっしぐらと言いますか」

「そして今回の一件につながってると」

「繋がっています。ラーベ社がホワイト・ウィークスだとかいうロクデナシ集団と協力して貨物を盗むほどには」


 そうして話してくれたのはこんな事実だ。企業同士のいざこざが詰まってやがった。


「それで、そこから何を得られたのか気になるところだな」


 そのスーツ姿の様子にマガフ中佐がだらりともちかける。

 目前の男はタブレット端末を離さぬまま。


「単純な話ですよ。犯人を特定し、ラーベ社の手引きが発覚して彼らの面目が潰れ、厄介な連中を片付ける手間が省け、おまけに――」


 俺を見て満面の笑みを浮かべてきた。


「おまけになんだって?」

「あなたのおかげで失われた貨物が戻ってきた挙句に、貴重なデータが取れましたからね」

「ウォーカーでウォーカー潰したってくだりだな?」


 その理由はもしやあの運ばれていったウォーカーかと尋ねると、スーツ男は頷いた。


「ウォーカー同士の戦い、それもウェイストランドの市街地でそんなことが起きましたからね。人間、車両、ウォーカー、テュマー、あらゆる対象が募った場所で実戦を経験するなんて稀有なものですよ」

「なるほど、それがあんたらの収穫か」

「実に。大破したウォーカーの状態や、スカベンジャーたちの証言もありましたから疑いようがありません。なんでも単騎で多数を撃破したとか、格闘戦を始めただとか。そんな活躍なんて妄想の中だけで赦されるものですよ!」


 相手は興味津々なありさまだ。

 段々興奮を帯びてくる様子に、後ろの護衛どもはお手上げの様子である。


「俺みたいな素人でああなったんだ、あいつらにウォーカーのセンスがなかっただけじゃないか?」

「やっぱり! それで、その時の状況などを説明していただきたいのですが」

「それで許してくれるなら喜んで。まずあれは俺一人でやったことじゃない」

「一人ではない? というと?」

「後ろにもう一人乗ってた。ラザロって男だ、知ってるか?」


 さっそく説明してやったが、ラザロの名前を告げると男は少し考えこむ。

 好ましくない反応が来るのか? 不安を感じていると相手は口を開くなり。


「ホワイト・ウィークスだった男のことですね、その男なら存じてます」

「ラザロを知ってるってことは、もう接触済みか?」

「ええ、我々が保護しています」


 今あいつがどうなってるかを話してくれた。

 保護ね。その言い方だと乱暴する方な意味合いも籠ってそうだが。


「なあ、あいつは悪いやつじゃないぞ? ホワイト・ウィークスを裏切って協力してくれたやつだ」

「ご安心ください。レンジャーたち、というかあなたの口添えもあって我が社に匿っていますから」

「匿ってるって?」

「彼はウォーカーの操縦法と整備の仕方を確かに覚えていますからね。そんな人材を外に漏らしては厄介かと思いまして」


 男はにやっとした。

 ひどい目には合ってなさそうだが、それなりに何かをしたことは間違いなさそうだ。


「今どうしてるんだ?」

「あなたのアドバイス通りですよ。ウォーカーの扱い方を知ってしまい、それでいて腕があるなら生かしてもらうだけ、つまり我が社のウォーカーの整備士として雇っています」


 そうか、あいつは無事なんだな。

 それに就職先も見つかったそうじゃないか。良かったなラザロ。


『……良かった。ラザロさんはちゃんと無事だったんだね』


 思わずミコもそういったぐらいだ。謎の女の子の声に周りが「?」となったが。


「それが聞けて良かった、無事なんだなあいつは」

「それに、彼がいろいろと話してくれたおかげで内情が明らかになりました。企業同士の争いには欠かせない銀の銃弾が生まれたわけです」

「だからあいつが生きてる限り、憎たらしい奴らにホワイト・ウィークスの件を突き出せるってわけか」

「その通り。確かに我々は数多のウォーカーを傷物にはされましたが、ただでは転んでいなかったのですよ」


 そこまで言うと、スーツの男はゆったりと構えだして。


「さて、本題に入りましょう。わが社はラーベ社へしかるべき対応をするため、先日フォート・モハヴィで起きた出来事を是非あなたがたの口から教えて欲しいのですが……よろしいでしょうか?」


 タブレット端末を手にうきうきしながら問いかけて来た。


「待ってたよ、どこから話せばいい?」

「そうですね、まずホワイト・ウィークスが現地でどのような活動をしていたか、その規模や装備について話していただければ。皆さまからの証言が欲しいのです」

「オーケー、話すよ。他に知りたいことは?」

「もちろんあります。ウォーカー同士での交戦はどのように行われたのか教えていただきたいのですが、それから腕部を使った打撃の際のコックピット内部への影響、相手のウォーカーの様子なども見聞きした限り話していただけますか?」

「ワーオ、いっぱい。ところでそんなに聞いてどうするんだ?」

「どうするって、新しいウォーカーを開発するに決まっているでしょう? かの企業にここまでなめられたのは確かに腹立たしいものですが、こんな貴重なデータは我が社にとって新しい刺激になるのですからね」


 どんな奴かと思えば、こいつもロボット好きな人間だったらしい。

 俺は操縦桿の感覚を手ぶりで伝えつつ、あの時あったことを一つ一つ教えていく。


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