18 嵐の前のビーフシチュー
「――なるほどな、多大な信頼を得ているわけか。やがてここ収めるご身分に近いとなれば、いろいろと考えられる点はあるな」
夕暮れ時。テーブルを囲んでいるとクリューサが話を飲み込んだ。
ちょうど向こうも情報収集を済ませてきたようで、俺たちは何があったのかを伝え終えたところだ。
「選挙が待ちきれず一足先にリーダー気分で『疑わしきは罰せよ』でもやってるんじゃないか?」
「お前の言うように出世欲がある人間であればそれはあり得るがな。あいつが運び屋たちを罰して『誰がリーダー』なのか今のうちに示したいならともかく、実際のところそういった事柄にはあまり熱心ではないようだ」
「っていうとなんだ、自分の未来のための第一歩じゃないのか?」
「ああ、選挙とやらに立候補したのも周りの推薦があってからこそだ。積極的なものではないし、住民からの信頼ゆえにしぶしぶといったところだ」
「運び屋に名誉絡みの難癖をつけたってわけじゃなさそうか」
「しかも本人はここに来てからずっと郊外での狩りに勤しむような、きわめてストイックな人種ときた。ドラッグには目を瞑るとして禁欲的な男だ」
「そっちもいろいろと集めてきたらしいな」
「いろいろと収穫はあったぞ」
この様子だと帰ってきた他の連中の話も楽しみだ。
キッチンではくつくつと煮込まれる鍋が濃い香りを発して、その見張りに立たされた店主が心配そうにこっちを見ている。
『あ、それからディアンジェロさんは独り身だって保安官サンが言ってました。身近なところに香水を使う人はいないらしいんですけど……』
全員が適当な席について身を休めながらの中、ミコが話を付け足した。
「ミコ、その点についても調べてきたぞ。この町には娼婦を扱うような場所もなければ、あいつの人生に付き合う酔狂な異性が存在しないようだ」
『……やっぱりおかしいですよね、香水の匂いがするなんて』
「その件だがな。ニクの気のせいというわけでもなさそうだ」
『クリューサ先生、何か分かったんですか?』
「以前、ここの住民がたまたま狩りの帰りに出くわしたディアンジェロと会ったそうだ。その時、たしかに香水の匂いがしたとのことだ」
『狩りから戻ってきたのに……?』
「ああ。もっと言えばあいつはわざわざ出発前に住民たちに挨拶していくような礼儀正しいやつだ、だから出発前になかった匂いが確かに存在しているわけだ」
話がつながってきたが、物語の怪しさが一段と増したのは言うまでもない。
「でもいいニュースかもな、発生源が追える」
俺は隣の席で少し誇らしげに尻尾をはたはたさせるニクを見た。
「……ん。任せて、においはしっかり覚えてる」
「そういうことだ、貴重な手がかりになった。そして人柄についてはお前たちの言う通り、あいつが口を開けば鶴の一声といったところだ」
「あいつが住民とトラブルを起こしたことは?」
「ゼロだ。まあ一日の殆どを狩りに費やしてるのもあるが、どこもかしこもいい印象ばかりだな」
「俺と違ってよくできた人間だ。そんなご立派な人間だってこと以外に何か分かったか?」
住民とトラブルを起こす性分じゃないのは確かか。目に見える分には。
この街でとても愛されてる人間なのがよく伝わってきたところで。
「あるぞ、街の東側についてだ」
クラウディアがやってきた。茹でたじゃがいもを食べてる。
相変わらず良く食う姿に呆れつつだが、クリューサが地図を広げた。
この町の周辺がよく描かれてる。ところどころ印があって、雑な牛や豚のイラストがおすすめスポットを表現しており。
「この地図はどうしたんだ?」
「私が狩人たちから借りてきたんだ。街から東へ離れたところは見ての通り大きな廃墟なんだが、そこにフランメリアの魔物やミュータントが生息していていい狩場になってるらしい」
「狩人の連中は食糧も水も物資も行き届いた今、手つかずの廃墟を漁る仕事を兼ねているようだ。隣の雑貨屋で取り扱う商品の仕入れ先でもあるそうだが」
地図からして、あの時目にした廃墟は改めてみると町よりもずっと大きい。
この人間味溢れる街を八つほど並べてやっと匹敵するような規模だ。
そこに化け物が巣食い豊富な物資が眠っているとなれば、人によっては危険地帯かもしれないしチャンスに恵まれた宝物庫かもしれない。
「街より何倍もでかい廃墟と隣り合わせか。で、この囲いはなんだ?」
その表記で気になる点があった、街に割と近いところが丸で囲ってある。
「私が書いたんだぞ。そこには運び屋たちが住み着いてるそうだ」
「なるほど、宿泊先に恵まれてなさそうだからなあいつら」
「ここで寝泊まりして「くるま」の部品とやらを探してると聞いたぞ。最近は自分たちの狩場にこそこそ入ってきてとても怪しいとも言っていたな」
「何かトラブルはあったのか?」
「お互い衝突を避けているようだが、イチたちの話にあったナイツという監視者との関りもとれてきたんだ」
「行方不明者がどうしてそんな場所に関わってくるんだ」
「狩人たちから事情を聴いたんだが、失踪前は運び屋たちが「がそりん」をここで探してたらしいんだ。ナイツはそれを怪しんで一人で素行を探るだとか意気込んでいたそうだぞ。つまりこの狩場が最後に訪れた場所かもしれん」
「最悪な組み合わせだなクラウディア。お前が言ってるのがマジなら正義感こじらせてトラブルが起きそうな場所にソロプレイか」
『ナイツさん、一人でこんな場所に行っちゃったの……?』
「だが聞いた話だと酒を飲んで上機嫌になっていたとか、スティングで戦いが起きていると聞いて浮かれていたとか、本気でやるようには見えなかったと言っていたぞ」
クラウディアにそう言われて改めて地図を見た。
途端に街の東が胡散臭くなってきた。そこに暮らす運び屋たちも込みで。
『あの、クラウディアさん? この地図のことなんですが……』
地図に書き込まれた『危険地域注意!』だのをどうにか読み取ってると、急にミコが疑問を向けた。
「む、なんだミコ」
『それって狩人の人たちが使ってる地図ですよね?』
「そうだぞ? どうかしたのか?」
『確かディアンジェロさんが地図を作るのに携わってるって言ってたんですけど、これがそうなのかなって』
「そういえばみんな口にしていたぞ。これもあいつの賜物だとかなんとか」
クラウディアの情報から『いちクン、近づけてくれる?』と頼まれた。
その通りにして刀身を地図に突きつけると。
『本当に細かく書かれてるけど……いちクン、見てほしいところがあるの』
「どうしたんだ? なんかあったのか?」
『この街を仕切ってる十字路があるよね? そのまま少し東へ道路を辿った先なんだけど……』
狩場にフォーカスした地図を見ていると、俺たちがずっと歩いて来た道は街の十字路に行き当たる形だ。
西へ行けば今俺たちが居る街並みへ、まっすぐ行けばテュマーの待つ廃墟へ、そして東へ進むとまさに狩場へ向かうのだが。
「……まさかこのいきなり現れた放射能マークが気になるのか?」
どうも街からやや離れた道路沿いの建物に『汚染地域』とある。
事情は謎だが放射能耐性がない人間はお断りのようだ。
『うん。なんだか違和感があるの』
「どんな?」
『東側の廃墟のあちこちに同じ注意が幾つもあるんだけど、ここだけ孤立してるのがおかしいなって』
「戦前の人間のことだから変なところをカリカリ言わせたっておかしくはないけどな。でもまあ他と比べるとここだけ浮いてるよな」
……集中してみてみると違和感があった。
この地図は危険な場所を事細かに示しているが、ここだけ取ってつけたような唐突さがある。
「ミコ、あいつを疑ってるのか?」
『……うん。絶対に何かあるよ』
「お前がそこまで言うとマジかもな。狩場も調べないといけなさそうだ」
「怪しいものだな。街を出て間もないところで突拍子もなく汚染地域というのは気にかかる」
「ちなみに私は狩人たちに同行して狩場の様子を見学させてもらったんだ、実際の姿とかなりあてはまっていたぞ。よくできた地図だな」
俺は二人が持ってきた地図をしっかりと頭に叩き込んだ。
ついでにPDAで撮影しておくと、そこに横からメイドの生首がどんと重なり。
「あっ、うちからの報告っす。ディアンジェロ様は狩りに必要な物資をお隣の雑貨屋で揃えてるそうっすよ」
お行儀よく立つ胴体の隣でメインカメラが伝え始めた。
カウンターの向こで宿のおっちゃんが自分の視力を疑ってる。
「てことは、ドラッグだのなんだのそこで仕入れてるかもしれないか」
「そっすねえ、でも東の廃墟にいって自分で調達することもあるんじゃないんすかね。狩人って物資のサルベージもやってるんすよね?」
「自分で拾えればタダだしな。最後にいつ店に行ったかまでは分かるか?」
「昨日も来てたらしいっすよ? 店主の方に聞こうと思ったんすけど、無一文の身でお尋ねするのはどうかと思ったんで無理だったっす」
「気遣いができて偉いぞロアベア、でもカジノで全財産溶かしたことは永久に覚えてやる本当にお前はこの馬鹿野郎」
「そんな~……いつもより辛辣っすねイチ様」
「街に来て早々にチップ溶かす散財ぶりは見事だよ、うん」
地図の上に緑髪をさらっと広げるファッキ……お馬鹿メイドの生首が言うには、あいつはすぐお隣の常連だってことか。
お仕置き代わりに頬を挟んでむにむにしまくるとして。
「おあ゛~……いふぃふぁま、おふぉふぇふか? あふぃふぃふぃっ♡」
『いちクン落ち着いて? ロアベアさんがあらぬ顔になっちゃってるよ……』
「なるほどね、調達したっていうのは香水もかしら?」
ずっと話に耳を傾けていた女王様が、そんな言葉をはめてきた。
何時もとは違う鋭い声で俺たちの共通認識は「ディアンジェロが怪しい」に染まっていく。
それだけ材料が多いんだ。信頼されてる人物なのは分かっちゃいる。
「……みんな、一体どうしてか彼を疑っているようだな。まさかとは思うが今回の件はディアンジェロさんに良からぬゆかりがある、などとは言わないよな?」
間近で見せられた宿のおっちゃんからすればたまったもんじゃないだろう。
街の重要人物を疑われて快くなさそうだ。鍋の番を任されながら。
「正直、俺だってここまでのみんなの為になってくれてるなら疑いたくはないさ。何も見えぬ悪事を暴こうとかそういうのじゃない、この町がどうなってるか知りたいだけだ」
気分を害したことには変わりない、俺は申し訳なく思いつつ答えた。
怪しいものはあれど、町に貢献した事実も信頼されてる有様もディアンジェロそのものだ。問題はその背景だ。
「そうだぞ店主よ。けっして考えるものがあったからと彼を訝しむわけではないのだ。街の者と運び屋の間にあるわだかまりを解く手がかりがディアンジェロ殿にあると思っているのだが」
物思いにふけっていたノルベルトも加わって、強面な巨漢は「そうか」と少し納得したようだ。
「運び屋たちが来てからというものの、のどかだった街もこの様相だ。どうか無事に収めてまた平穏な日常が戻ることを祈らせてくれ」
壁の聖書と十字架にかけてそう頼んで、店主は鍋をかき混ぜた。
それにしてもうまそうな湯気だ。濃厚で複雑なソースの香りがする。
「まとめるとこうだ。街はテュマーの脅威にさらされ運び屋が疑われてるがグレーゾーン、失踪者はおそらく一週間もミュータントだらけの狩場にいる可能性大、そして素行のよろしいディアンジェロは普段と様子がおかしく不審、その上で正式に調査する権限を与えられた――さあどうするみんな」
その上で手札を広げると、どうしてもディアンジェロの怪しさが際立つ。
運び屋は情報に深みがない。トラブルを起こす道理もない。
失踪した人間は? 野外で一週間も姿をくらました場合、俺だったら死亡判定だ。
もし死んだとしたら死因はなんだ? ミュータントに食われた? 人里近くまで迷い込んでしまったテュマーか? それとも――
「……提案だ、私は狩場を調べたいぞ」
全員がそれぞれの考えに浸る中、クラウディアが名乗り出た。
「狩場か。ちょうど運び屋たちもいるだろうしな」
「ん。そうなるとぼくの出番……?」
「そうだぞ二人とも。ニクがいれば香水の行方も失踪した監視者の足取りも追えるだろう」
「だとさ、ニク。いけそうか?」
「大丈夫、どこまでもおいかけるから」
なるほど、ニクがいれば確かに重要な部分を二つも探れるはずだ。
そうなると重要なのは東側か? それに汚染地域も気になる。
『わたしはディアンジェロさんの普段の様子をもう少し観察するべきかなっておもうんだけど……』
地図に目星をつけてるとミコも提案してきた。
ノルベルトも「その通りだ」とばかりに頷いていて。
「ご本人のか?」
『うん。挙動不審だったのがやっぱり気になるし、普段どんな暮らし方をしているのか知った方がいいと思うの』
「俺様も同感だぞミコ。秘密を探る、などと偉そうなことを言うつもりはないが、どのような背景があるのか確かめておきたい」
「そうだな、何をするにせよあいつの素行は知った方がよさそうだ」
ディアンジェロの素行についてもある程度探りを入れておこう。
さてそうなると――残ったロアベアとクリューサと女王は。
「うち思うんすけど、雑貨屋あたりも調べておくのもいいんじゃないすかね~? あひひひっ」
「別にそこの店主まで疑うわけではないが、もし購入したものでも判明すればいくらか足掛かりになるだろうな」
「そうね、私も雑貨屋に答えがあると思うもの」
すぐ隣の雑貨屋だ。まだやってるか分からないが、有力な情報がある気がする。
「狩場に雑貨屋、そして本人か。調べるとしたらこの3つだろうな」
それぞれの考えをまとめ上げて生まれたのは三つの選択肢か。
失踪者の行方が分かるかもしれない狩場、ディアンジェロ御用達のお隣の店、そして最近様子のおかしい張本人だ。
じゃあどうやって調べていく、とみんなが悩みはじめたとき。
「みなさま~! 晩御飯できましたわよ~!」
キッチンからリム様がスポーンした。
元気な幼い声に不相応な大皿をどすんとカウンターに置いて、そこに焼き立てのパンの山が積み上げられており。
「ふふ、お疲れ様です皆さま。でも考え過ぎは毒ですわ、今夜はポテトパンとクレイバッファローシチューを作りましたので食えオラッ!」
「……初めてこんな料理を作ってみたが、口に合うか心配だ」
「大丈夫ですわおっちゃん、丁重に作れば怖いものなどないのです!」
いつものテンションでご馳走が並んだ、今日もまたうまそうだ。
カウンターには「自分でとれオラッ」とばかりに食器が並んでる。セルフスタイルで食べ放題だ。
空気を読まないロリ姿とうまそうな香りのせいで、俺たちはようやく思考が止まって。
「……まあ、あの魔女の言う通りだ。今は頭に栄養を補給するとしよう」
意外なことにクリューサが一番に取りに行った。
あいつ、まさかリム様の料理が気に入ったのか?
「お前が私より先に飯にありつくとは珍しいな。腹ペコだったのか?」
「昼間から考えっぱなし、動きっぱなしなんだぞ。飯を挟む暇もなかったこっちの身を考えろ」
クラウディアも一目散に晩飯にありついたせいで、場の空気はすっかり解けている。
「お腹すいたっす~、無一文でもご飯にありつけるから最高っすねえ、あひひひっ♡」
「うむ、リム殿の食事が旅先で食べられるなど幸せこの上ないことよ」
ダメなメイドとオーガも離脱した、それだけうまそうなのは本当だ。
「クレイバッファローのシチューだこれ! 懐かしいわ、魔女のおばさまたちがよく作ってくれたわよね!」
「ふふ、私直伝のレシピは魔女のお茶会に根強く残ってますのよ」
「魔女に拾われた子ってほんとみんな良く食べるのよねえ、ほらいっちゃんも早く食べなさい! 男の子なんだからいっぱい食べて大きくなるのよ!」
女王様なんて無邪気に飛び込んでるぐらいだ。
どういうものが詰まってるのかはさておき、リム様の思い出深い料理をさっそく味わってる。
「……俺たちもいくか」
『ふふっ、そうだね。今日のご飯も楽しみだなあ』
「……すごく美味しそうなにおいがする。はやく行こ?」
ニクがじゅるりしながら急かしてきたので向かうことにした。
カウンター先で宿のおっちゃんが立ちながらシチューを食らっていて。
「……うまいぞ。俺がつくったなんて信じられん」
と、あの恐ろしい風貌で感極まっていた。
鍋の中はなみなみと満たされた濃いブラウンのシチューだ。
ごろっとした肉の塊を大皿いっぱいに盛って、ついでに丸くてずっしりしたパンもトレイに乗せて晩飯が出来上がった。
『とっても煮込まれてるね……お肉が揺れてる……』
「肉入れすぎだろこれ……」
「……ごちそうだ……!」
肉まみれのシチューにありつけて尻尾も耳も喜び全開のニクと着席、さっそくいただくことにする。
ずっと濃厚な香りを放ってた色の強いソースは強烈だ。甘さもかすかな酸味も塩味も、そしてほんのり苦みがあってうまい。
肉はスプーンでどろっと崩れるぐらいだ。噛まずに飲めてしまう。
「……なんだかやっと休んだ気分だな」
一口含んで猛烈に空腹が蘇った。
そういえばミュータントウサギのシチューも残したまま出発したわけだし、まともに飯を入れるのは今日初めてだ。
少しでも晴らそうとパンをかじると、さくっとしたパンの味にマッシュポテトの味がした――今日も芋だ。
『……肉がとろけてる……!』
「お肉がとろとろ……これすごくおいしい」
ほぼ液状になった柔らかい肉に、愛犬も突っ込んだ相棒も大満足だ。
スプーンをぎこちなく操るニクをそっと見張っていると。
「……おや、どういうことだ? お前が料理するだなんてどういう風の吹きまわしだ?」
後ろでドアが開いた。
同時に訪れる男の声に振り向くと、落ち着いた身なりの爺さんがおそるおそる覗いていた。
「……なんだ、爺さんか。見ての通り料理の指導を受けていたんだが」
「料理の指導だぁ? こんなハロウィン姿の連中が料理人だってのか?」
「へいらっしゃい! どなたか存じませんがご自由にどうぞですわ!」
「……まさかお前のところの客がこんな変な連中とはな。それにあの時の女王様もいるじゃないか」
「あらいらっしゃい、ご一緒にどう?」
「もちろんさ、じゃあ私も御相伴にあずかるかね」
店主やヴィクトリア様を確かめるとずかずか入ってきた。
周囲の目を気にしつつだが、シチューにありついたそいつはカウンター席に座ったようだ。




