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魔法の姫と世紀末世界のストレンジャー  作者: ウィル・テネブリス
世紀末世界のストレンジャー
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117 わんこにご褒美を

 テーブルの上にはナイフとフォークと、それから皿があった。

 そこには網目状の焼き色が刻まれた骨付き肉がずっしり乗っていた。

 器からはみ出る大きさのステーキは今から食べてくれる誰かを待ち望んでる。


「……じゅるり」


 それに対してお行儀よくしている黒い犬っ娘が一人。

 膝に両手を乗せて、背筋もぴんと伸ばして、感情の弱い柔らかい表情でじっとこっちを見る姿はまるで「待て」だ。


「……おい。お前らが何をしてるか知らんが、冷めるから早く食え」


 カウンターの方から、そんな特別な一品を作ってくれたハーヴェスターが口をはさむが微動だにしない。

 いや食えよ、と思ったけどロアベアがひょこひょこやって来た。


「ごはん中に何のプレイしてんすか」

「昼飯のはずだったんだ……!」

『犬の頃の習性が残ってるよ……。とりあえず早く食べさせてあげよう?』

「ニク、食べていいからな?」


 とうとうよだれが出てきたので「待て」を解くとニクはがっついた。骨を掴んでがぶっと。

 でも不思議なことに、それでいて食べ方がきれいだ。

 ひとかけらも無駄にしないとばかりにがじがじする姿は、確かにかつての愛犬が重なるけども。


「やっぱり姿は変わってもあの食べ盛りなニクなのね。ヒトに近づいたことによって生態的にどのような変化があるのか気になるところだけど、人間的なものよりも元となったイヌ科動物の習性の方が強いのかしら?」

「俺は身体的にヒト属へと限りなく近づいたというのに、元は犬だったこいつが我々のようにごく当たり前に二足で歩き、道具も使うほどの知識と技術を既に得ていたことの方が気になるが」

「確かにそれは気になるところね。例えばだけど、犬だったころから私たちの姿をよく観察していて、そういった知識をずっと蓄えていたから……っていうのはどうかしら?」

「犬の賢さについては良く知ってはいるが、しかし知識だけでそうやすやすと人の営みを完璧に模造するのは容易くないはずだ。個人的な所見で言わせてもらえば、あまりこのようなことは口にしたくはないが件の霊薬とやらの作用で精神的な部分を新たな姿に適用させたという可能性が……」


 ミステリアスな女の子(仮)がワイルドにかぶりつく姿は、当然周囲の目を引いてしまっている。

 焼肉と格闘中のニクに人が集まってる、特にクリューサとメディックが。


「おお、ニクは相変わらずよく食べるな。野菜もちゃんと食べるんだぞ」


 当の本人は目もくれずだが、クラウディアが細長いにんじんを差し入れるとおいしそうにかりかりした。


「……いっぱい食べて、強くなろう、ね?」

「こうしてみるとやはりあの食べ盛りな犬なのだな。妙な気分だ」


 左右に座ったサンディにも撫でられて嬉しそうだ、アレクもそんな姿にどこかあの犬を思い出してるんだろう。

 ……と思ったらばりばりむしゃむしゃ響いてきた。

 見るとそこには骨をかみ砕くダウナーな女の子が!


「ばりばり」

『……骨食べてる……』

「お前……骨食って大丈夫なのか……?」

「おいしいから大丈夫だよ」


 そういう問題なんだろうか?

 犬の頃よりも数倍早いペースで骨をぺろっと食べ尽くすと、ニクは尻尾を振りながら。


「ハーヴェスターさま」

「なんだ」

「おいしかった。ありがとう」

「そうか」


 わざわざカウンターの向こうにいるハーヴェスターに一言送って戻ってくる。

 料理中の不愛想な男の姿が少し喜んでるように見えた。

 犬っ娘の方もとても満足した様子で口角を上げていて。


「ご主人」


 こっちに来た。上目遣いで「ん」と促される。

 撫でてやった。この際周りの目は気にしないが、言葉が通じるようになってから積極的になってる気がする。

 にしても不思議な感触だ、人間のさらさらな髪と柔らかい犬毛が混じってる。


「んもーこの姿になってからアグレッシブになってる……」

「んへへへ……♡」

『ふふっ、いちクンに撫でられるのが本当に好きなんだね?』


 やめどきが分からないスキンシップを取っていると、なんだか窓の外から騒がしさが伝わってきた。

 覗くと宿から少し離れたところで戦車が停まっていた。

 そこでドワーフの爺さんたちやエルフといった連中が取り囲んでいて。


 「あははははははっ! あ、あんたっ、足届いてなっ、あはははははっ!?」


 ハッチの上で金髪エルフの美少女が爆笑していた。

 そこでは砲塔からひょっこり顔を出したドワーフがかなーり悔しそうに「ぐぬぬ」と顔を作っており。


「――くそっ! 盲点じゃった、足が届かん!」

「あはははははははは足がっ足が届かないんだって!! そりゃドワーフってタルみたいな身体してふふふふふふっ」

「おいどうしたんだエルフ女」

「こ、こいつっ、あっ足が短すぎてせ、戦車動かせないんだってふふふふっ」

「なにわらっとんじゃ長耳ィ! 今に見ておれ! ドワーフ用に改良してくれるわこんなん!」

「俺たちの技術力舐めんじゃねえぞコラァ! ついでに火力倍にしてやらぁ!」

「ああ……ドワーフってちっちゃいからな、とりあえず他人の特徴笑うのはやめような? 樽とか言うんじゃねえよ失礼だろ?」

「だって、足全然届いてっ、あひゃはははははははっ!」


 騒ぎに駆けつけた一般通過オークに見守られながら、その場で改修作業が始まっていた。

 ばちばちと溶接音が響くそれから目を離すと。


「――よおし、できたぞデカいの!」


 カウンターの奥からいきなりヒドラが現れた。

 握りしめたタグと共に、おそらくノルベルトのことを呼んだらしい。


「俺様を呼んだか、ヒドラよ」

「やっとできたぜ。ほらやるよ」

「おお、タグができたのだな! さっそく着けてみようではないか」


 食後のドクターソーダを楽しんでいたオーガにもタグが配られたようだ。

 サイズもぴったりだ。新たな名前を得た旅の仲間は満面の笑みでいる。


「良い着け心地だな。この『ぶるーとふぉーす』とはどういう意味なのだ?」

「力づくで押しとおるって意味だぜ。そういうの嫌いか?」

「実にオーガらしいな! いや気に入ったぞ、心に馴染む名だ!」

「そりゃよかったぜ。つーか悪いな遅れちまって、伝統的に合金を使う習わしだったんだが中々手に入んなくてよ」

「いや、気にしなくてよいぞ。こだわりは捨ててはならないものだろう? 芸術と同じだ」

「芸術……分かってんじゃねえかよブルートフォース、気に入った」


 晴れてプレッパーズとしての名をもらったノルベルトが見せびらかしに来た。


「これで俺様も同じだな。ストレンジャー」

「ようこそブルートフォース、またよろしく頼む」

『ノルベルト君も貰ったんだ。ふふっ、よかったね?』


 ニヤっと笑ってタグを持ち上げたので、こっちも負けじとタグを見せたが。


「……ん、ぼくも」


 ニクもじゃらっと持ち上げた。ちゃんと首にぶら下げてたらしい。

 これでロアベア以外全員タグ持ちになってしまった……と思ってたら。


「ほら、デュラハン女。作ってやったぜ」

「お~、ありがうございますっす~♡ アヒヒヒ……」

「腕に巻くタイプにしといたからな、ボスに感謝しとけよ」


 首ありメイドにも配られていた。さっそくタグを手首に巻き付けてる。


「――ということでうちも貰っちゃったっす~」

「ボス、あれだけ言ってたのにけっきょくくれてやったのか……」

『ロアベアさんも貰ったんだ……!?』

「おお、お前ももらえたのだな侍女ロアベアよ。で、名はなんという?」

「うちは『エクスキューショナー』っす。らしいっちゃらしいっすね、アヒヒ♡」

「……ロアベアさまも貰えたんだ。よかった、みんな一緒だね」

「なんか俺だけ二つ名が地味だ……」


 これで俺たちはみんなタグつきになったわけか。

 いや、それにしても俺だけ『ストレンジャー』とか地味すぎないか?


「ボスも変わっちまったな、昔はこんなほいほいタグなんて作らせなかったんだぜ?」


 自分のコードに悩んでると、ヒドラショックも首のそれをじゃらじゃらさせてきた。


「世界が変わると人も変わるんじゃないか?」

「ははっ、そうかもしんねえな」

「そういえばヒドラ、お前それどこで作ってるんだ?」

「ああ、それはだな――」


 ふと思った、タグはどこで作ったんだろう。

 いろいろと道具が必要なはず……そう考えながら質問したはずが。


「……ストレンジャーさん、ちょっといいかい?」


 カウンターの向こうでママが手招きしてきた。

 話のタイミングにすっぽり収まるような誘いにどうしたんだと向かった。


「ママ、どうしたんだ?」

「そのことなんだけどね、ちょっとついてきてくれないかしら?」


 会話の流れに混ざってきたのは間違いないようだ。

 ママは人目を気にするように少しこそこそしながらも歩いて、カウンターの奥へと案内してくれた。

 ちょうど物置のようになってる場所だ。左右には食材やらが積まれていて。


『……あの、ママさん? どうかしたんですか?』

「あなたたちなら信用できるからね、私の秘密を共有したいだけよ」


 そんな様子に向けたミコの疑問は、その先に続く階段を示されて答えられた。

 地下室でもあるんだろうか? コンクリート製の、どこか懐かしい階段がけっこう続いている。

 降りた先には一枚の金属扉、そのそばにキーパッドがある――まさか。


「……ママ、まさかこれってシェルターか?」


 まさかと思っての問いかけに「そうよ」と返され。


「本当は誰にも教えるつもりはなかったのだけど、その通りさ。実は小さなシェルターが隠されてて――」


 ママは手で数字を叩いた。「1775だからね」とご丁重に答えまで添えて。

 するとドアが開いた。通路が少し続いていて、中はかなり清潔そうだ。

 そこには部屋が幾つかあるようで、しかも電気で明るく照らされている。

 空気だって冷たくない。暖房がついてるのか程よい心地よさで。


「あっ、ママさん修理しといたよー! これで冷暖房も使えるし、発電機も浄化システムもこの先ずっと安泰だね!」

「ついでに内装もシャワールームもわしらで綺麗にしといたぞママさん! 水脈が戻っておったから水回りを整えてやったわい!」


 向こうでにょきっとハヴォックとケヒト爺さんが現れた、どうしてここに?


「まあ、それは助かるわ! ごめんなさいね、お忙しいのにわざわざ見てもらって……大変だったでしょう?」

「戦前の技術に触れられたからね、すっごい楽しかったよ! あっダーリンだようこそ地下楽園へ!」

「やはり住まいを良くしていくのはやりがいがあるのう。ということでアバタール、きれいに使うんじゃぞ」


 二人は工具箱やらを手に和気あいあいと地上に戻っていった。


「そういうことだから、良かったらあなたも使ってちょうだい」

「……ママ、いいのか?」

「いいのよ。その代わりケヒトおじいちゃんの言う通り、きれいに使うんだよ?」

「わかった。大事に使うよ」


 ママも親しみのある顔でそういって宿に帰っていく。

 ちょっとだけ奥に進んで中を確かめてみると、いろいろな部屋があった。

 発電管理室、ランドリールーム、食糧庫、一人二人にはまだ多すぎるほどの充実ぶりだ。

 他にはちょっとした工房やシャワールームまである。本当にシェルターだ。


『……地下シェルターがあったんだね、ここって』

「なるほどな、冷蔵庫やらが使えたのもこれが理由か」


 発電室には【電子工作】スキルが上がったせいか、一目見てこう伺えた。

 ずんぐりとした発電機に黄色と黒の警告色が訴えられていて、地上の太陽光発電システムからも電力が供給されてるらしい。

 宿に電気をもたらしている機械の動力は核……電池……?


「……核電池ってなんだ」

『……核電池!?』


 とにかく、まあ、電力をよく生んでくれてるみたいだ。

 クラフトするときはここに来よう。それから後でシャワーでも浴びるか。



 夕暮れどきになるころまで、街の有様はすぐに変わったと思う。

 鬱陶しい奴が消えてせいせいしたのもあるんだろうが、スティングはすぐに敵に備え始めた。

 街の中央にかけて義勇兵たちのためのベースが作られて、そこを中心に炊事や寝泊まりがされるようになっていた。

 裏切り者たちが使っていた家屋も施設も今や俺たちのものだ、戦う者たちは今や寝床にも困らない。

 食事だってブラックガンズから輸送できるし、そもそも敵が山ほど食糧を残してくれたのでかなり余裕がある。


 ドワーフたちもドワーフたちで大活躍だ。

 武器の手入れから水道システムのちょっとした修理までやってくれてるお陰で、街の生活内容もかなり改善されてる。

 誰かが口にしてた気がする、戦争が始まった方が豊かに暮らせてる、だとか。

 だからなんだろう。例え今敵の大群がやってきたとしても、誰一人暗い顔もできないような明るさが街に満ちている。


『まだそんなに経ってないのに、この街も様変わりしちゃったね……』


 宿の前に座って街の様子を眺めてると、ミコが言った。


「フランメリアの人たちの存在がデカいんじゃないか? あの人たちが加わってからすごい勢いで変わってきたし」

『……うん、そうかもね。それにしてもすごい変化の速さだと思うけど』

「でも、ついこの前まではあれだけ絶望してたのにさ、みんな馬鹿みたいに明るくなってるから安心してるよ」

『そうだね。わたしも怖くて不安だったんだけど、おばあちゃんたちや向こうの人たちが来てくれてもうすっかり平気だよ』

「ああ、そうだな。きっと街の人たちもそう思ってるはずだ」

『でもね、こう思うの。いちクンがいるのが大きんじゃないかって?』

「俺がか」

『うん。今までの旅をここまでつないでくれたから、みんな来てくれたんじゃないかなって』

「それかまとめて道連れにしたかのどっちかだな」

『もー、そんなこといっちゃだめだよ』

「まあどっちにせよここまできたんだ、とことんやるよ。お前は?」

『いちクンについてくだけだよ?』

「よくいった。がんばろうな」

『うん、一緒に頑張ろうね?』


 こんなに落ち着いて会話ができるのは久々だと思う。

 肩の物言う短剣とこうして話せるほどの余裕がしばらくできたんだし、しばらくこうして話していたい。

 段々と暗くなる空をみて、少し肩の力を抜くと。


「……ご主人、ぼくも」


 ニクがとてとてやってきて、隣に座る。

 ぴったりくっつく黒犬っ娘は撫でてほしそうだ。わしわししてやった。


『ふふっ、ニクちゃんも一緒だったね?』

「お前もな、ニク」

「ん♡ ご主人、ぼくはどこまでも付いて行くから」


 柔らかい毛を探るように撫でると、ニクはジト顔のまま尻尾と耳で嬉しそうにしてきた。

 ……いやまあ、それはいいんだ、幸せそうですごくいい。

 手を止めるともっとしてほしそうに上目遣いをされたものの。


「ニク、大事な話がある」

『……いちクン? どうしたの?』


 少し悩んで決めた、今のうちに言っておこう。


「どうしたの?」

「その……ご主人っていうのをやめてくれないか」


 くいっと首をかしげるニクに思ってたことを告げた。

 ずっと気にしてたこと。それはご主人っていう呼び方についてだ。

 正直に言おう。周りにいろいろな人がいるのにかわいい女の子(仮)に「ご主人」とか言われる身になってほしい。

 わかってるやつは「まああいつだし」ぐらいで済ませてくれるさ。

 でもやっぱり、殆どの人はこう思ってる感じだ。「あいつ女の子になんて呼ばせてるんだ」的な目なんだ。


「……え? やめてほしい……の?」


 でも、なんでそんなショック受けてるんだよ……。

 ニクは耳をへにゃっとさせている。表情の乏しい顔もとうとう悲しみを訴えて。


「…………もしかして、だけど。ぼくのこと、嫌いになった?」


 まっっっったく予期せぬ答えが返ってきた。違う、そうじゃない。

 なんだったら目も潤んで犬要素がしおれてる。今にも泣きそうだ。


「そういう意味じゃない」

「どういう意味……?」

「聞いてくれニク、あのな、可愛い子にご主人とか呼ばせてちょっとこう……痛むんだ! あれが! こうなって!」

『いちクン、語彙力』


 どうにかボディランゲージ込みで伝えると、ニクは少ししゅんとしたまま。


「……じゃあ、なんて呼べばいいの? 教えて欲しい」


 小さな口をむっとさせて尋ねてきた。

 どう呼んでほしい? いや別に強制はしたくないし、お互いに納得のゆく呼び方を決めたい。

 「むーっ」と不満げマシマシなジト顔に悩んで、俺は決めた。


「よし、じゃあこうしてくれ。お前がこれだって思った奴を口にしてみるんだ」


 要するに「お前に任せた」ってことだ!

 ひどいぶん投げ方だと思うけどまずはニクの気持ちを汲み取ろう、そう思ったが。


「マスター」

「うーん路線変わってないな」

「あるじさま」

「なあ、もうちょっと下げられないのか……?」

「だんなさま」

「俺のこと敬わないと死ぬ病気かなにか患ってらっしゃる?」

「いちさま」

「うちと同じっすね~♡ アヒヒヒ」

「もう好きにしてくれ……」

「じゃあ、ご主人でいいよね?」

「おかえりニク」

『結局戻って来ちゃった……』


 どこからか割り込んできたメイドはともかく、原点回帰した。

 けっきょく「ご主人」呼ばわりだけどまあ、ニクが嬉しそうだからいいか。


「……ねえ。これからも、ぼくのご主人でいてくれる?」


 本人は隣で尻尾をぱたぱたさせてこっちを覗いてきた。

 少し傾げた顔はとても可愛らしい、いつも見せてくれたジャーマンシェパードの面影が確かにある。


「もちろん――これからもついてきてくれるんだよな?」


 見上げる相棒にそう返した。

 しかしそれだけじゃ物足りそうな顔をされたので、犬の耳の間をくしくし撫でて答えを作った。


「……ん♡ ずっとついてく、よろしくね?」

「改めてよろしく頼むぞ、相棒」

「かわいい相棒さんっすね~♡ よしよし~♡」

「んっ……♡ だ、だめ……っ♡ ご主人の前で、そんなことされたら……っ♡」

『ロアベアさん!? だから何でこういう時にニクちゃんの尻尾しごくのかな!?』

「そうだお前男か女かどっちなんだ!? ちょっと確かめるかー!」

『いちクンも何してるの!? だからどうしてスカートめくろうとするの!?』

「宿の前でなにやかましいことしてんだい馬鹿もん! そういうのは部屋でやりな!」

「ごめんなさいボス!!」

『ほら怒られちゃった……』


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