第08話 なろう樹海の暗闘 -教えてオリ子さん! 禁断の初晒し体験に挑まんとする軍曹①-
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新たな潜伏先を探しに旅立ったソト原とセバ山。軍曹の意に反して新兵たちは別れ際に『お気に入り登録』を行い、それぞれ独自の道を歩み始めた。
そして道中でポイント亡者の哀れな姿を目撃したソト原とセバ山は、あらためて修羅の道を極めんとする覚悟を固めたのであった。
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< -side- ネコ峰 >
戦場に旅立って行った二人の戦友たち。その姿が樹海の木々に隠れて見えなくなるまで見送ったネコ峰だった。
なろう樹海の戦場は過酷を極める。特に陰に潜みそれぞれ修羅の道を歩んでゆく戦友達とはもう二度と会えないかもしれないのだ……。
しかしっ! なろう運営様が樹海で戦う参戦者達のために、わっざわざご用意して下さっている『お気に入り登録機能』を使うことによって、たとえ遠く離れ離れとなったとしても戦友たちの『活動報告』や『新着小説』をいつでも確認ができるので大丈夫だ。
一応自分の『ユーザーマイページ』を確認するネコ峰。
そこには確かに
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お気に入りユーザ
-ソト原
-セバ山
『逆お気に入りユーザ一覧(2)』
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と表示されており、ネコ峰は少し安心することが出来たのだった。
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そして二人を見送った後、洞窟内に戻ってきたネコ峰だったが、不思議な事に曲がり角の向こうから軍曹が誰かと楽しそうに談笑している声が聞こえてきた。
軍曹 『そこで俺が言ってやったんですよ!”おまえたち!この弾幕は俺が引き受けるから先に逃げろ!”って!』
???『軍曹さん、あからさまな嘘はやめてください。』
ネコ峰「(えっ?一体全体軍曹は誰と話しているのだろう?)」
そうだ。ネコ峰が不思議に思うのも無理はない。
なぜならここは常人が決して訪れる事の無い、なろう樹海の最深部にある洞窟。それに戦友の旅立ちの見送りからずっとこの洞窟唯一の出入り口にいて、そこから戻ってきたネコ峰はこれまで誰ともすれ違わなかったのだから。
意を決して曲がり角を曲がり、軍曹と話している人物を確かめるネコ峰。
そこに居たのは、なんと! とても美人な女性だった!!
◇◆◇◇◇◇◇
ネコ峰「軍曹、その女性は一体??」
軍曹 「ちっ、もう戻って来やがったのか。ほら百円やるから外でジュースでも買ってこい」
そう言ってあからさまにネコ峰のことを追い出しに掛かる軍曹。ひどい。
???「やめなさい軍曹。はじめまして新兵さん、私はオリ子。よろしくね」
ネコ峰「えっ?、あ、自分はネコ峰であります!よ、よろしくお願いします!」
とりあえず挨拶を返すネコ峰だったが、急に洞窟内に現れたオリ子さんがどの様な人物なのかまったく分からなかった。軍曹、説明してくれ!
◇◇◆◇◇◇◇
軍曹 「オリ子さんは『なろう分析』の専門家さんだ!」
軍曹 「そしてオリ子さんは毎月月末になると、こうして俺に会いに来てくれる素晴らしい方なのだっ!」
オリ子「ただ珍しいサンプルを観察しに来ているだけよ」
軍曹・ネコ峰 「「 …… 」」
どうやら軍曹とオリ子さんと間にはずいぶんと温度差があるみたいだが……、大丈夫なんだろうか。
◇◇◇◆◇◇◇
【 なろう樹海は魔界の一部だった! 】
ネコ峰「ところで、自分はずっと洞窟の出入り口にいましたけど、オリ子さんとは一度もすれ違わなかったのですが……」
たしかにそれが不思議だった。まさか、オリ子さんは最初からこの洞窟内に居たとでもいうのだろうか。
オリ子「違うわ。なろう樹海は確かに広いけどあくまでも魔界の一地方。異次元トンネルを上手く使うことでどこへでも一瞬でワープ出来る仕組みになっているのよ」
ネコ峰「そ、そうだったんですかっ!それは知りませんでしたっ!」
そうなのだ。なろう樹海は果てしなく深く広い魔境。とはいえあくまでも魔界の一地方であるのだ。なのでこのオリ子さんの様に高度異次元空間技術さえ身につければ何処へでもワープすることが可能となるのだ。
オリ子「いまは詳しく説明しないけど弾が飛んでくるのは『小説を読もう!』のランキングや検索が全てではないということだけは理解しておきなさい」
ネコ峰「はいっ!」
◇◇◇◇◆◇◇
オリ子「ところで軍曹さん、さきほどの続きを話して下さい」
軍曹 「えっあ、はい。弾幕が俺に降り注いで……」
オリ子「だから嘘はやめなさい。それが嘘であることは『アクセス解析』でもう確認済みよ」
軍曹 「……」
なろう分析専門家であるオリ子さんにタジタジな軍曹だった。
◇◇◇◇◇◆◇
オリ子「なるほどね。スコ岡さんはレビュー投稿をきっかけに被弾。ジミ林さんは応援ブクマと思われる弾に当たって昇天したというわけね」
軍曹 「ああ、あれはもうどうしようもない悲劇だった……」
ネコ峰「(スコ岡、ジミ林……。あいつらはいまどこにいるのだろうか……)」
過去の悲劇を振り返り感傷に浸る軍曹とネコ峰の二人だった。そしてそれを見つめるオリ子さんは……、割とどうでも良さそうであった。
なぜならオリ子さんは別に修羅の道を極めんとする陰の者では無いのだから。
◇◇◇◇◇◇◆
ネコ峰「ところで、オリ子さんは『なろう分析』の専門家であられるとのことですが、『なろう分析』とは一体なんのことなのでしょうか?」
オリ子「いい質問ね。じゃあ教えてあげるわ」
ネコ峰「ありがとうございます!」
――【 オリ子さんに学ぶ『なろう分析』 】――
オリ子「『なろう分析』というのは、なろう樹海における戦闘記録を元に様々な分析を行うことよ」
オリ子「主に ①なろう『作品分析』 と ②なろう『戦況分析』 の2つがあるわ」
ネコ峰「『作品分析』と『戦況分析』? 一体どの様な違いがあるのでしょうか?」
オリ子「いい質問ね。『作品分析』は特定の作品に焦点を当てて分析したもの。レビューなどもこれに含まれるわ」
オリ子「もう一方の『戦況分析』は”ジャンル”や”検索タグ”などの動向を検討するものよ」
ネコ峰「なるほど!」
オリ子「ちなみに私は特に『作品分析』の専門家よ」
――【 オリ子さんに教わる 『作品分析』 】――
ネコ峰「ところで『作品分析』をすることでなにか良いことがあるのでしょうか?」
オリ子「とてもいい質問ね。『作品分析』によって、なろう樹海での戦い方の参考とすることが出来るわ」
ネコ峰「なるほど!でも、まだあまり戦場での経験がない自分に『作品分析』はハードルが高い気がしますが……」
オリ子「簡単よ。魔界の掲示板で『晒し』を行うことで在野のなろう分析官たちに分析を依頼することが可能なのよ」
その時、それを横で聞いていた軍曹が急に大声を上げた!
軍曹 「ダメだ!いや、ダメですっオリ子さん!!晒しは絶対に危険です!!」
<< 続くっ! >>
続くっ!
なお、この作品は魔界でのワープゲート開設は自由にやってもらっても大丈夫です。
特にツイッタルランドでのワープゲート開設は歓迎しておりますので、ぜひよろしくお願いします!
なろうの作品ページはどこでも上の『小鳥マーク』から一瞬でワープゲートが開設出来るので便利ですっ!!




