第05話 なろう樹海の暗闘 閑話 -軍曹の正々堂々たる戦い方-
<< 前回のあらすじ >>
スコ岡に引き続き、ジミ林までもがその地道な投稿がスコッパーに補足され被弾してしまった……。
残るは軍曹と三人の新兵たちっ! 一体どうなる!?
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ソト原「ジミ林……」
セバ山「ジミ林のやつ、応援ブクマなんかでっ……」
新兵たちが残念がるのも無理も無い。応援ブクマはあくまでも応援のブクマ。決して作品の面白さが評価された上での勲章では無いのだ。
軍曹 「ジミ林の被弾は残念だったな……。しかし、その被弾経験を今後に活かせるかどうかは、ジミ林自身の今後の頑張りに掛かっているだろうさ」
そうだ。経緯はどうであれジミ林は被弾した。しかし、それは戦士としての終わりを意味するものでは決して無い。初被弾はあくまでも次へのステップなのだから。
なろう樹海での暗闘は今日も明日も終わることなく続く……。
参戦者たちが戦いを続ける限り、いずれまたどこかでジミ林やスコ岡と再会することもあるだろう。
軍曹 「いくぞ! 新兵どもっ!」
一同 「「「 はいっ!!! 」」」
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【 閑話1:戦いの分析方法について 】
軍曹と三人の新兵たちはなろう樹海の最深部にある洞窟にたどり着いた。ここは「バベルの塔」からも「ジャンル別ランキングタワー」からも遠く離れた、軍曹がお気に入りとしている潜伏スポットである。
洞窟内に腰を落ち着けた軍曹たちはログインページを開き、『投稿済み小説-管理ページ』にアクセスして戦歴を確認するのだ。
そこには依然として、
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の表示が誇らしげに掲げられていた。
次に『アクセス解析』を確認しようとしたところ、同じくアクセス解析を見ようとしていたネコ峰が声を上げる。
ネコ峰「軍曹! 俺の本日のPV数が30を超えています!(あわあわ)」
セバ山「まじかよネコ峰! 30超えは危険すぎるだろ(あわあわ)」
ソト原「(あわあわ)」
軍曹 「うろたえるんじゃねえっ!」
意外なPV数の多さにうろたえる新兵たち。そしてそれを一喝する軍曹。
軍曹 「『アクセス解析』に表示されるPV数には目次を見に来ただけの読者も含まれるんだ。『PV=読まれた回数』というわけでは無いから安心しろ」
ネコ峰「そうなんですかっ、知りませんでしたっ!」
軍曹 「ちなみに目次以外を見た読者の人数は『部分単位のユニークアクセス数』から見ることができるぞ」
ネコ峰「それも知りませんでしたっ! えっ? でも『部分別』をクリックしても何も表示されません??」
軍曹 「『部分単位のユニーク』の表示には時差があるからな。2日ほど待てば表示されるから大丈夫だ」
ネコ峰「なるほど」
さすが古参兵。豊富な知識で堂々たる落ち着きである。
◇◆◇◇
セバ山「ところで軍曹はどの様な作品を書いておられるのですか?」
ソト原「確かに、気になります!」
新兵達が気になるのも無理は無いだろう。スコッパーたちが絶えず巡回するなろう樹海の戦場に長年潜伏し続けているにも関わらず、未だ被弾していない伝説の古参兵は一体どの様な戦い方をしているのだろうか。
ソト原「訓練所の座学では『タイトルを英語にする』だとか『あらすじに固有名詞を使う』などと教わりましたが、正直俺はそのやり方には納得がいきませんっ!」
セバ山「そうですっ! 被弾したく無いからといって、無意味なことをわざわざ書くのは間違っていると思いますっ!」
軍曹 「俺はそんな卑怯な真似はしていないぞ?」
一同 「「「 えっ!? 」」」
まさか、そんなことはありえないはず。では訓練所の座学は一体なんだったというのだろうか。
セバ山「ではどうやって被弾せずに戦ってこられたのですか?」
軍曹 「俺はいつも正々堂々となろうの戦場に立っている。どれお前達にも見せてやろう」
そう言って軍曹はやや自慢げに自分の投稿作品ページを開いて見せた。
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【 閑話2:軍曹の堂々たる戦い方について 】
そこで新兵たちが目にした軍曹の作品ページに表示されていたものとは……
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タイトル『夢のカオリ』
あらすじ:未来と過去を行き来できる不思議な力を持つ少年カオル。古代都市『ポンペイ』と未来の『キョート』を舞台に夢と冒険の幕が開ける。
目次
設定集①
登場人物Ⅰ
登場人物Ⅱ
登場人物Ⅲ
歴史編Ⅰ
歴史編Ⅱ
歴史編Ⅲ
歴史編Ⅳ
地理編Ⅰ
地理編Ⅱ
地理編Ⅲ
地理編Ⅳ
動物たちⅠ
動物たちⅡ
動物たちⅢ
設定集②
登場人物(脇役)Ⅰ
登場人物(脇役)Ⅱ
動物たち(ネコ)Ⅰ
動物たち(イヌ)Ⅱ
動物たち(魚類)Ⅲ
動物たち(タコ)Ⅳ
……………………………以下同様に続く
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一同 「「「 これは…… 」」」
シンプルすぎるあらすじと引き換えに、あまりにも緻密で丁寧過ぎる軍曹から読者への説明。そしていつまで経っても始まらないストーリーに新兵たちは唖然とした……。
セバ山「内容も……、全部ちゃんと書いているんですね……」
軍曹 「ああ、だから言っただろう、一切手抜きはしていない。そもそも俺は分かる人にはいずれ分かってもらえると思ってこの作品を投稿しているんだからな」
軍曹 「もちろんにわかスコッパーになど俺の作品を評価されたくはないと思っているが」
軍曹 「この話を考えたきっかけは俺が中学生の時の修学旅行で――」
ネコ峰「いや、いいです。」
長くなりそうな軍曹の話だったので省略。
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<<軍曹には内緒の教訓>>
設定集に凝るのはほどほどにしましょう。目次でブラウザバックしたくなってしまいます。
<<次回:次こそ、禁断の『創作論エッセイ』!>>
続くっ!
多数のブクマ&評価pt&感想&レビューありがとうございます!!(2019.03.07)
*設定集について「どうしても設定集を投稿したい場合は本編とは別の作品として投稿しましょう。」としていましたが、設定集を個別の作品として投稿する事は遠慮してほしいとの運営QAがありましたの該当箇所を修正しました(2019.03.08)
QAについて詳しくはこちらをご覧ください
https://syosetu.com/bbstopic/top/topicid/1712/