第19話 なろう樹海の暗闘 ―閑話― ポイ爺に学ぶ ポイント評価方法!②
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戦友のセバ山と別れ、その他ジャンルヶ原へ一人到着したソト原。そこに声を掛けてきたのは謎の人物『ポイ爺』だった。
ポイ爺の言葉巧みな勧誘にのせられ、銃の扱い方レッスンを受ける事となったソト原は『飛んでくる弾と当たる弾は別物』という意外な言葉を聞いて驚いたのであった。
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ソト原「『飛んでくる弾』と『当たる弾』は別物とは一体!?」
ポイ爺「銃を撃つ側の視点で考えれば分かることじゃが、なろう樹海において当たる弾というのは明確に"当てる意思"を持って放たれた弾丸のみなのじゃ」
ポイ爺「逆に言えば当てる意思の無い弾をいくら乱射しようが、そんな弾にマグレ当りすることは絶対にないのじゃ」
ソト原「えっ!? そうだったのか???」
実はそうだなのだ。なろう樹海において被弾として計上されるのはあくまでもログイン状態の戦士が明確な意思を持って『ブックマークボタン』あるいは『評価ボタン』が押した時のみ。
PVが間違って評価ポイントとして計上されることは絶対にあり得ない仕組みとなっているのだ。
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ポイ爺「樹海の戦士の中には『被弾数』を『飛んできた弾数』で割り算して『PT/PV比』などという計算をする者もおるが、それはあくまでも撃たれる側の視点で見た場合にそういう計算もできると言うだけの話じゃな」
ソト原「PT/PV比? そんな計算一度もしたことはないが?」
ポイ爺「あっ…(察し」
ポイ爺も思わず察し。言うまでもなく、あえて修羅の道をゆく最底辺作者であるソト原はこれまで一度も被弾経験が無く、その様な計算式の存在を知っているはずもなかったのだ。
なおもし仮に知っていたとしてもソト原にとっては何の意味も無い計算式である。何故ならどんな数字でも0で割ることは出来ないのだから……。
ポイ爺「……まぁ、そういう計算をする樹海戦士もおるという話じゃ」
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ポイ爺「ところで本題じゃ」
ポイ爺「お主は銃の撃ち方をちゃんと知っておるのか?」
ソト原「えっ!?」
ソト原「ば、馬鹿にするなよ爺さんっ、 じゅ、銃の撃ち方ぐらい誰でも知っているさ(あわあわ」
ポイ爺「ほーん。じゃあどんな風にすればよいか具体的に説明してはくれんかの?」
ソト原「(あわわわわ」
銃の撃ち方を具体的に説明せよと言われて動揺するソト原。
何故ならソト原自身はこれまで銃を撃った経験は一度もなく「なろう樹海にはポイント評価というものがあるらしい」というフワっとした情報をなんとなく知っていた程度だったのだ。
だから具体的にそれがどの様に行われているのかを説明することなど出来なかったのである。
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ポイ爺「やはり知っておらんのじゃな」
ソト原「くっ……」
ポイ爺「そう恥ずかしがらなくともよいわ。何しろこのなろう樹海においては銃の撃ち方を知っておる者の方が少数派じゃからの」
ソト原「えっ?」
ポイ爺「なんと言っても約8割の参戦者は一度も弾を当てたことがないのじゃから」
ソト原「な!なんだって!!!!」
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【 ポイ爺に学ぶ ポイント評価経験者割合 】
ポイ爺「これを見るのじゃ」
ソト原「ポイント評価経験ゼロが78%? これは一体!?」
ポイ爺「これはなろう樹海の戦士識別番号を使って、各作者マイページの『評価をつけた作品一覧』からポイント評価経験の有無を集計したものじゃ」
ポイ爺「これを見て分かる通り、なろう樹海において弾を当てたことのある戦士はたった22%だけ。ほとんどの参戦者はポイント評価未経験者なのじゃ」
ソト原「!!!!!」
毎日大量の弾丸が飛び交うなろう樹海において、実は作品評価未経験の方が圧倒的に多数を占めているという実態を知って唖然とするソト原だった。
ポイ爺『ちなみにちゃんとしたこの手のレポートを読みたい戦士達はなろう分析のパイオニアであるnis氏が作成した戦況分析レポートを読むとよいぞい』
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『一度も作品を評価したことのない人ってどの位いるの? ~8割です~ 』
作者:nis
https://ncode.syosetu.com/n1689dl/
戦士達『『『すかさずメモメモφ(.. )』』』
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ソト原「な、なるほど……。あまり釈然としないが実は未経験者の方が多数派だったんだな。なんか安心したぜ」
ポイ爺「そうじゃ、未経験だからといって恥ずかしがることはないのじゃ」
未経験の方がむしろ普通。これが現代社会、いやなろう樹海の現実なのだ……
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ソト原「けど、これほど経験者が少ないってことは、銃を撃つことって実はものすごく難しいことだったりするのか?」
ポイ爺「そうじゃな。人々にとって銃を扱うことはあまりにも難解であることは確かじゃ」
ソト原「な、なら」
ポイ爺「大丈夫じゃ。正しい方法を学べばポイント評価は誰にでも出来るぐらい簡単なことなのじゃから」
ポイ爺「そしてそれを知ることは、お主の様なあえて修羅の道をゆかんとする陰の者にも役に立つはずじゃ。弾を避ける方法を知るためには、弾を当てる方法、どうやって弾が飛んでくるのか知っておいて損はないじゃろう?」
ソト原「お、おう」
ポイ爺「ではレッスン開始じゃ」
<< 続くっ! >>




