第14話 なろう樹海の暗闘 -教えてオリ子さん! 禁断の初晒し体験に挑まんとする軍曹⑥-
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なろう樹海に存在する全ての作品は『小説情報』を見ることができるということをオリ子さんに教えてもらったネコ峰。
なろう作品分析のおいて重要なのは『なろう樹海の戦場におけるその作品の立ち位置』であり、なろう作品分析はあくまでもこれらの戦歴データに基づくものでなければ、あまり意味がないことも学んだ。
(なお『小説情報』はこのページ上側にも表示されているのでご参考にして頂きたい)
――――――――― 閑話 ―――――――――――
▽△▽「じゃあ『小説情報』を見ていくわね。『小説情報』に含まれる情報の――」
ネコ峰「??? オリ子さん? なんか急に顔変わっていません?」
▽△▽「ああ(▽△▽)これのこと? これはとある作者さんが使っていた物がめずらしいと思ってレビューに書かせてもらったら、作者さんに使用許可をもらえたから今回だけ特別に使わせて貰うことにしたの」
▽△▽「なので今回はこの顔でよろしくね」
ネコ峰「は、はい」
◆◇◇◇◇
ネコ峰「ところでその『とある作者さん』というのは一体どなた様なのでしょうか?」
▽△▽「いい質問ね。それは「▽△▽」で小説検索すればたった1作品だけヒットするから自分で調べてみなさい」
▽△▽「なろう樹海に存在する六十三万八千作品(2019.3.20時点)のうちで、この「▽△▽」でヒットするのは唯一たったその一作品だけ。これはすごいことだと思ったから一応知らせておくわね」
そうなのだ。なろう樹海において作品のオリジナリティを出す方法は様々あるとされるが、そのうちでも『あらすじにこっそり、その作品固有の記号を入れておくこと』は誰も知らない秘密のテクニックとされているのだ。
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<< 本編の続き >>
▽△▽「じゃあ改めて『小説情報』を見ていくわね」
ネコ峰「はい!」
▽△▽「『小説情報』の中でパッと見て目につくのが『タイトル』と『あらすじ』だと思うけど、これは質的データであって、人によって感じ方が大きく異なるから解釈が難しいわ」
▽△▽「だからまずは誰が見ても同じな量的データである『数字』に注目して作品を分析していくわ」
ネコ峰「なるほど!わかりました!」
ここまでのオリ子さんの説明で、『データ』には言葉のような『質的データ』と数字で表現される様な『量的データ』が存在し、そのうちでも量的データは比較がしやすいため扱いや解釈が簡単であることをネコ峰は理解していたのだ。
◇◆◇◇◇
▽△▽「まず、最初に目にするべきはなろう樹海における絶対的指標であるその作品が得ている『総合評価ポイント』よ」
▽△▽「あなた達みたいな、あえて修羅の道を極めんとする陰の者たちの作品は別だけど、多くの作品の場合は総合評価ポイントが数ポイントは入っていることが多いわ」
▽△▽「だからそのポイントが『ブクマ』から来ているものなのか『ポイント評価』から来ているものなのかを見ることで、その作品がなろう樹海で受けている『社会的な評価』の参考とすることができるわ」
軍曹 「俺の『夢のカオリ』はもちろん0ポイントです!!」
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ブックマーク登録 0件
総合評価 0pt
ポイント評価 0pt : 0pt
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実に誇らしげな軍曹だった。なぜなら彼はあえて修羅の道を極めんとする陰の者。未だ被弾記録無しであることは、樹海の陰でうごめく最底辺作者である彼にとってたった一つだけ、唯一の勲章なのだ。
◇◇◆◇◇
ネコ峰「ということは被弾記録のない作品の場合は、『総合評価ポイント』は全く参考にならない情報ということですね!」
▽△▽「それは違うわ」
ネコ峰「えっ?」
どういうことだろうか? 被弾記録のない作品においては評価ポイントは『常に0』である。ブクマもポイント評価も何もない。たった一つもないのだ。
そんなどうしようもない数字を見ても意味がない……。とネコ峰が思うのは当然と言える。
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▽△▽「0であるということは『0である』というとても重要な情報なのよ」
ネコ峰「それは一体どういうことですか???」
▽△▽「『0には理由がある』」
ネコ峰「えっ?」
▽△▽「例えば『一万pt得ている作品がなぜ一万pt得ることができたのか』という理由には複数の要因が複雑に絡まっているため、それを明確に説明することなんて、とてもできることではないわ」
▽△▽「これは『一万pt作品と九千pt作品に明確な違いは見られない』ことからもわかるはずよ」
ネコ峰「…………」
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▽△▽「もしバベルの塔の頂点に立つてっぺん作品と、そのすぐ下に控える二番目の作品との違いを説明しようとしても同じにように、結局は曖昧な理由付けに終わってしまうでしょうね」
▽△▽「それを明確に説明することなんか誰にもできない」
▽△▽「三百位作品と三百一位作品の違いも同じく曖昧」
▽△▽「十ブクマ作品と百ブクマ作品との違いも曖昧」
▽△▽「ただし0だけは別」
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『0』
『それは、昔のインドの人が発見したと言われる数字』
『この世でたった一つ、特別に孤立した数字』
『0の発明は人類に飛躍的な進歩をもたらした一方で、なろう樹海をさまよう0ptに悩む多数の最底辺作者たちを生み出したという罪作りな一面も持っている』
『またそれは、あえて修羅の道を極めんとする陰の者たちまでをも生み出すことにもつながってしまった。特定の者たちを惹きつけて離さない、謎の魅力を秘めた数字でもある』
『0』
『0……』
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▽△▽「『0には理由がある』」
ネコ峰「確かに……、えっでも結局どうやってそれを説明をするのでしょうか?」
ネコ峰「総合評価ポイント0の作品でも、それぞれ理由は異なると思われますが……」
ネコ峰「つまり、総合評価ポイント0の作品の『共通点』を見つけて、それをその作品に当てはめることは結局は主観的な考察となってしまうのではないでしょうか?」
いい質問だネコ峰!!たぶんオリ子に褒めてもらえることだろう。新兵であるネコ峰はこれまでオリ子さんのレクチャーを受けて飛躍的に頭が良くなっていたのだ。
◇◇◇◆◇
▽△▽「はぁ〜〜、ここまで説明してあげてもまだ分からないの!?」
ネコ峰「も、申し訳ありません……」
ち、ちがった。頑張れ、ネコ峰!
▽△▽「いいこと、今すぐ以下のワープゲートを開いて『小説を読もう!』サイトの検索画面にアクセスしてみなさい。なろう樹海に眠る0ptの作品総数が一発で表示されるわ」
ネコ峰「はい!」
https://yomou.syosetu.com/search.php?word=¬word=&genre=&type=&mintime=&maxtime=&minlen=&maxlen=&min_globalpoint=&max_globalpoint=1&minlastup=&maxlastup=&minfirstup=&maxfirstup=&order=new
オリ子さんに指示されたワープゲートを検索バーに貼り付けてクリックし、『小説を読もう』サイトの検索画面にアクセスしたネコ峰。するとそこには……
『 264,205作品 』 と表示されていたのだ!!
軍曹・ネコ峰『『 !!!!!!! 』』
軍曹やネコ峰が驚くのも無理はない。というか、なろう樹海に眠る0ptの作品って本当にこんなに多かったの!!??
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◇◇◇◇◆
▽△▽「いいこと、一位の作品はこの世にたった一つしかないわ。バベルの塔に登ることを許された作品も所詮三百しかない」
▽△▽「そして一位と二位の違い、三百位と三百一位の作品内容の違いはどこまでも曖昧」
▽△▽「でも0ptを冠する作品は、なろう樹海に26万作品も眠っているのよ?」
▽△▽「これだけの圧倒的な数の暴力を使えば、0ptの作品に共通する傾向や、タイプ分けして分析することなんて簡単なことよ」
<< 続くっ! >>
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