第10話 なろう樹海の暗闘 閑話 唐突にはさまる未来話っ!
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ここは未来のなろう樹海。樹海の木々を伐採し「エッセイ渓谷」に設けられた記者会見場。
これから魔界史上歴代最高の才女とされる「オリ子さん」の研究発表が行われようとしていた。
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学者達「「「(ざわざわ)」」」
読み専「「「(ざわざわ)」」」
運営様「「「(ざわざわ)」」」
戦士達「「「(ざわざわ)」」」
ポイ亡「「「(ポイんっ、ポイんっポイんっ、ポイんっ)」」」
観衆達はオリ子さんの登壇を今か今かと待ち受けていた。
◆◇◇◇◇◇◇
観衆たちはオリ子さんがその過去に、その傲慢な性格からパンドラの箱を開けてしまい、なろう樹海をさまよい歩いた結果、負傷。そして陰の者たちとはまた別の意味で今も『0PT0ブクマ』記録を更新し続けるなろう樹海亡者の一人であることを知らない。
これからは始まるオリ子さんの研究発表は、その内容は事前には観衆達に明かされていないものの、歴代最高の才女の渾身の発表ということなのでその期待は否が応にも高まるというものだ。
学者達「「「(わくわく)」」」
読み専「「「(わくわく)」」」
運営様「「「(わくわく)」」」
戦士達「「「(わくわく)」」」
ポイ亡「「「(ポイんっ!ポイんっ!ポイんっ!)」」」
◇◆◇◇◇◇◇
発表会場には様々な背景を持つ人物たちが集まってきていたが、その中にはなぜか普段はこういった学術的な発表などには一切の興味を示さない、ポイント亡者たちの姿までもが多数確認できた。なぜポイント亡者たちまでもが押し寄せてきているのだろうか?
その理由は単純明快。それは歴代最高の才女であるオリ子さんが次々と繰り出すパワーワードを真似することで、簡単に多くの評価ポイントを得ることが出来る作品を量産することが可能であろう事を、敏感に察知し嗅ぎつけてきたからだ。
例えば「修羅の道」や「一分ズラし投稿」「ポイント亡者」「晒し」と言ったキーワードをタイトルに入れたエッセイを書くだけで、簡単に評価ポイントを荒稼ぎすることが出来るのだ。
特に体験談を書くと簡単にオリジナリティが付与できるためより評価されやすくなるためオススメだ。
また検索タグに『読ません』『よません』などと言った流行作品で使われているキーワードを勝手に入れることも有効だろう。
検索タグは別に誰がどうやって設定しようと誰にも文句を言われる筋合いはないのだ。だから流行作品に勝手に便乗することは発見報告されやすくなるため非常にお手軽な手段といえる。1分あれば出来るぞ。
しかもそのことで研究対象が増えるため、なろう分析専門家であるオリ子さんは不快に思うことは一切なく、まさにWin-Winな関係であるのだ!
やがて、主役であるオリ子さんが登場し、会見が始まる。
◇◇◆◇◇◇◇
オリ子「よく集まったわね。あなた達」
オリ子「これから行う発表は史上初の『ノベルティス文学賞及び医学賞』を同時受賞する可能性を秘めた研究内容よ」
オリ子「こうした研究発表の第一報がなろう樹海で発表されることは史上初。魔界でも極めて稀なことよ。よかったわね、あなた達」
一同 「「「「 (わくわくわくわく!!!) 」」」」」
オリ子「要旨は以下の通りよっ!!」
そしてディスプレイに映し出される、オリ子さんの研究発表内容。
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―――――――――― 要旨 ――――――――――
①『卑怯』の概念を普遍的に説明できることを文学作品によって表現した実例の発見(以下、卑怯の極み)
②その『卑怯の極み』が引き起こす嫌悪感を利用した生理的反応の医学的利用の可能性および軍事的利用の可能性の発見。
③ありとあらゆる学術的な価値があるものとされるものの中で『卑怯の極み』を表現したその文学作品だけは世界の誰からも評価されなかったという事の実例報告。
――――――――― 以上っ! ―――――――――
むっ、難し過ぎますっ……、オリ子さんっ……!
オリ子「仕方ないわね。じゃあ噛み砕いて説明してあげるわ」
ありがとうございますっ!!!
◇◇◇◇◆◇◇
――――――― わかりやすい版っ! ――――――
①これまでは『卑怯』ということを説明する行為は、時代や場所や立場が変われば別に『卑怯』ではないとされるため、『卑怯』は普遍的なものではないとされていたよ
けど、いつの時代の何処のだれが見ても『卑怯』としか思えない行為が存在したよ
それを文学作品によって表現している実例をみつけたよ(しかも書いた本人それ自覚していないからすごいよ)
それを『卑怯の極み』と表現するよ
②この『卑怯の極み』はあまりにも不快だから、ひとに嘔吐感を催させるよ
このことを利用すれば、お薬を使わなくても人にゲロを吐かせることができそうなので、病院でつかえるかもしれないよ
またこれは武器としても使えるかもしれないよ
③『卑怯の極み』を表現したそれは誰がどう見ても学術的な価値が認められるよ
うんちでも学術的価値が認められるのであれば、それを評価するひとが世の中には一人ぐらいはいるけど、『卑怯の極み』を表現したそれを評価したひとは一人もなかったよ
――――――――― 以上っ! ―――――――――
◇◇◇◇◇◆◇
そして、次々と発表をすすめ、やがて発表を終えたオリ子さん……。
最後に観衆から一言コメントを求められた。
オリ子「なろう樹海はどこまでも広く深く、日々残酷な戦闘が繰り広げられる戦場。そして人々を惹きつけて離さない魔境よ」
オリ子「その中である最底辺作者が残した戦闘記録を、私は一生忘れることはないわ。評価はしないけどね。」
◇◇◇◇◇◇◆
幽軍曹『(…………)』
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