胡蝶之世界の英雄譚　～ちょっと不幸なだけの農夫が十五歳にまで若返って無謀な夢を追った結果とは～

　ある日、少年は英雄譚を彩る勇者にどうしようもなく憧れた。
　そして二十九歳の立派な農夫となった今でもその憧れが消えることは無かった。

　諦めと停滞に支配されながら、ただ生きていくだけの日々に絶望していた黒髪黒瞳が特徴的な主人公、トルマリン。
　
　そんな彼は、北西大陸の、さらに北西部一帯を統べる大領主レンドロード・フリクラルと、酔った勢いで無茶苦茶な契約を結んでしまい、肉体の時間を十五歳にまで巻き戻されてしまう。
　彼は、契約を履行するため、そして積年の夢を叶えるため、領主のコネを使い、国内最高峰の学園『聖イーアヘルト学園』の門を潜る。
　彼が狙うのは、この学園の主席卒業生に与えられる『勇者』という称号のみ。
　そんな日々の中、トルマリンは自分の同系列の種族であり差別に喘ぐ、真っ白な少女ハクアと運命的な出会いを果たしてしまう。

　剣や魔法の才に見いだされた猛者達がひしめく中、領主のコネだけで入学した主人公はどう勇者を目指すのか。
　そして、それぞれは卒業後にどんな人生を歩んでいくのか。


　これは、真っ黒で愚かなな夢追い人と、真っ白で歪な少女が歴史に刻む、たった一つの英雄譚。
　誰の記憶にも残らない、二人だけの英雄譚。

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　初投稿で拙いところもあるかと思いますがよろしくお願いします。
　また、世界観に対する質問などは、活動報告にて答えていこうかなと考えておりますので、そちらの方もよろしくお願いします。
　最後に、この作品は不定期更新となっております。ご了承ください。